トップメッセージ

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日清紡グループと社会の持続可能な発展を目指し
危機を力に、挑戦を成長につなげる

日清紡グループと社会の持続可能な発展を目指し危機を力に、挑戦を成長につなげる

社会課題へソリューションを。
私自身が先頭に立って、社員と共に未来への軌跡を築く

2025年3月の定時株主総会において、代表取締役社長に就きました石井靖二です。私は「経営には設計が重要」だと考えています。日清紡グループはどのように変わるのか、ビジネスモデルはどういった形であるべきなのかを論理的に考え、緻密な設計図を描き、その青写真に沿って各事業・各人が動くという経営を進めていきます。「危機を力に、挑戦を成長に──未来への軌跡を共に築く」をビジョンとして掲げ、点になっていた活動を線でつなぎ、私が先頭に立って社員と共に取り組んでまいります。

日清紡グループは「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」という企業理念のもと、社会課題へソリューションを提供すべく事業ポートフォリオ変革を進めて成長を続けてきました。では今、最も重大な社会課題は何かと考えた時、それは地球温暖化による気候変動だろうと考えます。生成AIや電気自動車(EV)の利用などによって今後さらに消費電力量が多くなり、発電時に排出されるCO2の量も増える恐れが指摘されています。こうした時代にあって私たちは、強みであるセンシング・無線通信・情報処理技術を、様々な企業・組織のCO2削減や生産性向上・スマート化に役立てていただくことを目指しています。そのために研究開発力の強化にスピードを上げて取り組むべく、組織体制を大きく変えるなどの構造改革を急ピッチで進めています。私たちは、人類が直面している環境課題の解決への貢献に向け、中期経営計画で掲げた目指す姿「つなげる技術で価値を創る(Connect Everything, Create Value)」を実現するための施策に取り組んでいます。

また同時に、生物多様性や生態系の保全も社会課題となっています。サプライチェーン全体で自然資本に対してどのようなインパクトを与えているかを調査し、その財務影響に関する分析評価にも着手したところです。見出されたリスクには的確な対策を行う一方、チャンスの発見にもつなげていきたいと考えています。

「人」の持つポテンシャルを引き出し、変革を実現する

これらの挑戦を支えるのは「人」です。私たち日清紡グループは人権を尊重した事業活動を進め、多様な人々が活躍できる企業風土を醸成してイノベーションを生み出さなくてはなりません。私は海外事業に長く携わって来た中で、人権に関して日本と他国・他地域との考え方の違いに接することもたびたびありました。こうした経験をしてきたからこそ、社員にも海外や他事業所との交流を深めてもらい、様々な意見があるのは当たり前のこととして受け止めながら、互いを尊重し、かつ論理的に話し合いができる企業風土にしていきたいと考えています。そのような企業風土はハラスメントがあっては実現できません。そのためにも、日清紡グループの「人権方針」に基づき、繰り返し教育や啓発活動を行い、また、マネジメント層自らがその姿勢を見せていくことが大切です。過去、私にも「言い過ぎた」と反省するような場面がありましたが、今は自分自身を毎日振り返って、日々のコミュニケーションを大事にするようにしています。成功や失敗を通じて得た私自身の考えを社員に伝え、理念の浸透を図ることは、非常に重要だと考えています。より良い企業風土を創り、社員のポテンシャルを最大限に引き出して、変革の実行に結びつけていきます。

また、取締役会においても性別や国際性、職歴、年齢等の多様性を確保し、社内・社外の取締役がしっかりと執行の監督を行いながら戦略も議論できる場となるよう、ガバナンス改革を続けています。そのひとつとして、業務執行のための経営戦略会議に、社外取締役がオブザーバーで参加し会社の状況を把握した上で、取締役会における事業戦略の本質的な議論を高めていく取り組みを進めています。

日清紡グループの変革は緒に就いたばかりであり、これからさらに大きく変化していかなくてはなりません。邪念を持たず軸をぶらすことなく進めてまいります。ステークホルダーの皆様には、今後も一層のご支援・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

日清紡ホールディングス株式会社
代表取締役社長
石井靖二

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