気候変動対策の推進

基本的な考え方

日清紡グループは、「行動指針」に環境負荷への認識と配慮を掲げ、温室効果ガスの削減はもとより脱炭素型の技術・製品・サービスを提供し、すべての人びとにとって安全・安心な社会を誠実に実現します。

【主な対策】

  • ①ISO 14001の活動を通じて、温室効果ガスの排出量削減を推進
  • ②製造拠点でのScope1(自社での排出)およびScope2(電力などサイト外での排出)の削減活動、環境配慮型設備の導入を推進
  • ③太陽光発電設備の新設、再生可能エネルギー由来電力への切り替えを推進
  • ④無線・通信事業における、気候変動による異常気象適応製品(洪水被害を未然に防ぐダム・河川管理システム、災害発生時に地域住民を守る防災情報通信システムなど)の提供
  • ⑤マイクロデバイス事業における、半導体製造時に使用するPFC(パーフルオロカーボン)等ガス 除害装置の増設
  • ⑥化学品事業における、水素社会発展に貢献する燃料電池の基幹部品であるセパレータ部材の開発、製造、販売

※ PFC:半導体製造工程におけるドライエッチングなどで使用されるフッ素系温室効果ガス

推進体制については、「環境マネジメント」にあります「推進体制」の記載をご参照ください。

日清紡グループの具体的な取り組み

第6期サステナビリティ推進計画(達成年度2027年度)

  • ①「持続可能な社会に貢献する製品の拡販」 売上に占める割合 65%以上
  • ②「温室効果ガス排出量の削減」 2014年度比 53%以上削減

日清紡グループでは、2027年度を達成年度とする「第6期3カ年環境目標(第6期サステナビリティ推進計画)」において環境経営の推進を重点活動項目とし、「持続可能な社会に貢献する製品※1 の拡販」および「温室効果ガス排出量※2 の削減」を推進するために、上記の目標・KPI※3 を定めています。

※1 持続可能な社会に貢献する製品:自社基準

※2 温室効果ガス排出量は、Scope1+Scope2が対象

※3 KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

「持続可能な社会に貢献する製品」の売上は順調に伸びており、2025年度は売上に占める割合が53%となり、前年度比9%向上しました。内訳は、無線・通信事業における防災・減災関連製品などが11%、マイクロデバイス事業の低消費電力半導体製品が8%、繊維事業のノーアイロンシャツが2%となっています。

今後は災害の激甚化を背景に官民連携による防災DXの推進が加速し、無線通信ソリューションの需要が拡大することを見込んでいます。防災・減災分野の製品は持続可能な社会に貢献する製品と位置付けていますので、拡販を進めていくことで「持続可能な社会に貢献する製品」の売上比率がさらに増加すると見込んでいます。

2025年度の温室効果ガスの排出量は、2014年度比57%削減となり、既に2027年度目標に到達しています。(株)国際電気 東京事業所において、使用電力を再生可能エネルギー由来電力に100%切り換えたほか、多くの拠点で再生可能エネルギー由来電力購入量が増加したことによります。

再生可能エネルギー由来電力使用の継続および使用割合の拡大、太陽光発電装置の新設・増設を推進します。また、マイクロデバイス事業における、半導体製造時に使用するPFC(パーフルオロカーボン)等ガス除害装置の活用など製造事業活動に伴う環境負荷の温室効果ガス排出量の削減に努めます。

「3カ年環境目標」の概要については「環境マネジメント」をご覧ください。

「サステナビリティ推進計画」の概要については「サステナビリティ推進計画とKPI」をご覧ください。

温室効果ガス排出量削減目標

日清紡グループでは、気候変動関連の事業機会の取り込みとリスクの低減を目指しています。気候関連リスクを低減するため、2050年までのカーボンニュートラルを2022年6月に宣言し、2050年を達成年度とする長期環境目標としています。カーボンニュートラルの達成を最重要課題として、省エネルギー活動や再生可能エネルギー由来電力への切り替え、PFC(パーフルオロカーボン)排出量の削減などの気候変動対策を積極的に推進しています。

日清紡グループの温室効果ガス排出量削減目標

当社グループ環境目標の進捗状況については、「環境マネジメント」に掲載していますのでご覧ください。

TCFD対応の概要

気候変動は、国・地域を超えて地球規模の課題であり、温室効果ガスの削減は世界共通の長期目標となっています。日清紡グループでは、気候変動による事業機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応を行うことが重要と考え、2021年度より、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に準じた気候変動シナリオ分析を開始し、2022年6月にTCFD提言への賛同を表明しました。

日清紡グループは事業が多岐にわたるため、2021年度から段階的に気候変動シナリオ分析を実施し、2023年度において日清紡グループの主要事業の分析が完了しました。

2021年度は、「リスク・機会のインパクトが大きいと想定される事業」として、無線・通信事業におけるソリューション事業、ブレーキ事業、化学品事業を対象に、2022年度は無線・通信事業におけるマリンシステム/コネクテッドシステム事業、マイクロデバイス事業、精密機器事業、繊維事業を対象とすることで、生産活動を伴う主要事業での分析を実施しました。2023年度は、無線・通信事業における医用機器事業、不動産事業、その他事業のほか、新規事業開発部門における取り組みも対象としました。

2026年度から、無線・通信事業におけるソリューション/マリンシステム/コネクテッドシステム事業および化学品事業を対象に、気候変動シナリオ分析のアップデートを実施しています。

当社グループでは、気候変動シナリオ分析を通して、気候変動が将来、当社グループに及ぼすリスクや機会を特定し、事業戦略の策定に活かすことで、より柔軟で堅牢な戦略を立案し、将来のリスクに対するレジリエンスを高めていきます。

※ TCFD:金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース

気候変動シナリオ分析の結果については、「TCFD提言に基づく情報開示」をご覧ください。

環境データの第三者保証

日清紡グループは、温室効果ガス排出量(Scope1, Scope2)の環境パフォーマンスデータの信頼性向上のため、「日清紡グループ 環境データ2025(温室効果ガス排出量・取水量)」にて、デロイト トーマツ サステナビリティ(株)による第三者保証を受けています。

温室効果ガス排出量

Scope1+Scope2

日清紡グループの温室効果ガス総排出量(Scope1+Scope2)2025年度実績は、298.4 千t-CO2eでした。ネット温室効果ガス排出量(カーボンオフセット適用後)は、295.0 千t-CO2eとなり、前年度比3%減少しました。

2025年度は、再生可能エネルギー由来電力への切り替えがさらに進展しました。また、国内外4拠点において太陽光発電設備の導入を行いました。

さらには、Nisshinbo Automotive Manufacturing Inc.(アメリカ)は、American Carbon Registry (ACR) の認証を受けたカーボンクレジット(プロジェクト名:A-Gas V12、プロジェクトID:ACR869 および プロジェクト名:Foam Blowing Agent Project 003H、プロジェクトID:ACR832)を購入し、3.4 千t-CO2e分のカーボンオフセットを行いました。

再生可能エネルギー由来電力使用の継続および使用割合の拡大、太陽光発電装置の新設・増設を推進します。また、マイクロデバイス事業における、半導体製造時に使用するPFC(パーフルオロカーボン)等ガス除害装置の増設など製造事業活動に伴う環境負荷の温室効果ガス排出量の削減に努めます。

引き続き、再生可能エネルギー由来電力への切り替えを推進し、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいきます。

非エネルギー起源の温室効果ガス排出量のうち74%をPFC(パーフルオロカーボン)が占めました。これは主としてマイクロデバイス事業の半導体製造工程から排出されたものです。

ネット温室効果ガス排出量の推移(Scope1+Scope2)

温室効果ガス排出量の推移

※1 当社は2023年11月30日に、連結子会社であったTMDグループを譲渡したことにより、連結の範囲から除外しています。このためTMDグループは2023年11月度までのデータを集計対象としています。

※2 当社は2023年12月27日に、国際電気グループを連結の範囲に含め、2024年度からデータ集計の対象としています。

※3 当社は2024年11月28日に、無線・通信事業における子会社としてARGONICS GmbHおよびARGONAV GmbHを連結の範囲に含めましたが、2024 年度データ集計の対象外としています。

Scope別温室効果ガス排出量の推移(Scope1、Scope2)

(千t-CO2e)

区分 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
Scope1+
Scope2
温室効果ガス総排出量 567.4※2 438.0※3 368.5※4 307.9※5 298.4※6
カーボンオフセット適用量 - - - 2.9 3.4
ネット温室効果ガス排出量 567.4 438.0 368.5 305.0※5 295.0※6
Scope1 エネルギー起源+
非エネルギー起源
237.9 134.6 109.3 89.3 81.9
エネルギー起源 173.7 66.7 63.4 55.7 52.9
非エネルギー起源 64.2 67.9 45.9 33.6 29.0
Scope2 エネルギー起源 329.4 303.4 259.2 218.6 216.5

※1 表中の数値は四捨五入して表示しているため、合計値と内訳の合計が一致しない場合があります。

※2 「日清紡グループ 温室効果ガス排出量データ 2021」にてデロイト トーマツ サステナビリティ(株)による独立した第三者保証を受けています。

※3 「日清紡グループ 温室効果ガス排出量データ 2022」にてデロイト トーマツ サステナビリティ(株)による独立した第三者保証を受けています。

※4 「日清紡グループ 温室効果ガス排出量データ 2023」にてデロイト トーマツ サステナビリティ(株)による独立した第三者保証を受けています。

※5 「日清紡グループ 温室効果ガス排出量データ 2024」にてデロイト トーマツ サステナビリティ(株)による独立した第三者保証を受けています。

※6 「日清紡グループ 環境データ2025(温室効果ガス排出量・取水量)」にて、デロイト トーマツ サステナビリティ(株)による独立した第三者保証を受けています。

【対象組織】

2025 年度の集計の対象組織は、当社および連結子会社86社の計87社です。

【参照基準】

当社グループは2024年度よりGHGプロトコルを基本とし、「地球温暖化対策の推進に関する法律」を参照し算定しています。なお、2023年度までは、「地球温暖化対策の推進に関する法律」を参照し算定しています。

【算定方法】

Scope1:

エネルギー起源温室効果ガス排出量=Σ[燃料使用量×CO2排出係数※1]

非エネルギー起源温室効果ガス排出量=非エネルギー起源CO2排出量+Σ[CO2以外の温室効果ガス排出量×地球温暖化係数※2]

※1 「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく排出係数を使用しています。 ただし石炭は熱量の実測値に基づき算出した係数を使用しており、2025年度は1.885 t-CO2/tを使用しています。

※2 「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく地球温暖化係数

Scope2:

エネルギー起源温室効果ガス排出量=Σ[購入電力量・購入蒸気量×CO2排出係数※3]

※3 購入電力は、日本国内は「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく電気事業者別の調整後排出係数、海外は電気事業者別の排出係数または入手困難な場合は「IEA Emissions Factors」の当該年公表の国別排出係数を使用しています。2021年度以前のデータは、「IEA Emissions Factors 2021」の各年の国別排出係数を使用しています。購入蒸気は、購入事業者の算定した排出係数(2025年度は0.0524 t-CO2/GJ)を使用しています。

事業別ネット温室効果ガス排出量(Scope1+Scope2)

事業別では、マイクロデバイス事業が温室効果ガス排出量全体の40%を占めました。続いて、ブレーキ事業が19%を占めます。

事業別温室効果ガス排出量

※1 当社は2023年11月30日に、連結子会社であったTMDグループを譲渡したことにより、連結の範囲から除外しています。このためTMDグループは2023年11月度までのデータを集計対象としています。

※2 当社は2023年12月27日に、国際電気グループを連結の範囲に含め、2024年度からデータ集計の対象としています。

※3 当社は2024年11月28日に、無線・通信事業における子会社としてARGONICS GmbHおよびARGONAV GmbHを連結の範囲に含めましたが、2024年度データ集計の対象外としています。

国内/海外ネット温室効果ガス排出量(Scope1+Scope2)

国内のネット温室効果ガス排出量は174.9 千t-CO2eとなり、総量に占める割合は59%でした。

国内/海外温室効果ガス排出量

※1 当社は2023年11月30日に、連結子会社であったTMDグループを譲渡したことにより、連結の範囲から除外しています。このためTMDグループは2023年11月度までのデータを集計対象としています。

※2 当社は2023年12月27日に、国際電気グループを連結の範囲に含め、2024年度からデータ集計の対象としています。

※3 当社は2024年11月28日に、無線・通信事業における子会社としてARGONICS GmbHおよびARGONAV GmbHを連結の範囲に含めましたが、2024年度データ集計の対象外としています。

Scope3

日清紡グループの温室効果ガス排出量(Scope3)2025年度実績は、1,386 千t-CO2eと前年度比6%増加しました。これは主に海外拠点における集計精度の向上によるものです。

Scope3は15のカテゴリで構成されており、各カテゴリの詳細については、「サステナビリティ関連データ」に掲載している「環境データ」をご参照ください。

再生可能エネルギー

日清紡グループでは再生可能エネルギーの活用を推進しています。2025年度は、当社グループで使用した電力のうち約19%が再生可能エネルギー由来の電力となり、前年度比で3%増加と年々増加しています。

太陽光発電設備(PPA を除く)

当社グループで導入した太陽光発電設備は安定的に稼働し、2025年度は9.1 千MWh発電しました。

また、2025年度は日清紡マイクロデバイスAT(株)、日清紡ブレーキ(株) 館林事業所、Nisshinbo Mechatronics (Thailand) Ltd.、日清紡ケミカル(株) 旭事業所において新たに太陽光発電設備を導入するなど、再生可能エネルギーの活用拡大を進めています。今後も導入拠点の拡大を通じて、再生可能エネルギーの活用拡大に取り組んでいきます。

太陽光発電の設備容量(2025年度)
設置事業所 設備容量(kW) 稼働年 用途
長野日本無線(株)
本社工場
110 2013 売電
上田日本無線(株)
本社工場
70 2024 自家消費
(株)国際電気
東京事業所
100 2013 自家消費
4 2015
日清紡マイクロデバイス(株)
川越事業所
19 2018 自家消費
日清紡マイクロデバイスAT(株) 150 2025 自家消費
Nisshinbo Micro Devices (Thailand) Co., Ltd. 1300 2022 自家消費
日清紡ブレーキ(株)
館林事業所
300 2011 自家消費
450 2025
日清紡精密機器 (上海) 有限公司 71 2024 自家消費
日清紡メカトロニクス(株)
美合工機事業所
430 2010 自家消費
日清紡精機広島(株) 1,000 2015 売電
100 2024 自家消費
Nisshinbo Mechatronics (Thailand) Ltd. 877 2025 自家消費
日清紡ケミカル(株)
千葉事業所
150 2011 自家消費・売電
日清紡ケミカル(株)
旭事業所
222 2025 自家消費
日清紡ホールディングス(株)
徳島事業所
1750 2013 売電
合計 7,103

※ PPA:Power Purchase Agreementの略、電力販売契約

再生可能エネルギー由来電力購入

日清紡グループでは、再生可能エネルギー由来電力への切り替えを進めています。2025年度は、111.6 千MWhの再生可能エネルギー由来電力を購入しました。

当社グループで2025年度に購入した再生可能エネルギー由来電力は、水力発電由来(76.4 千MWh)、太陽光発電由来(14.8 千MWh)、風力発電由来(14.1 千MWh)の電力です。

主な事業所別 再生可能エネルギー由来の電力購入量(2025年度)

セグメント 会社・事業所 購入元 内訳 購入量
(MWh)
無線・通信 日本無線(株)
長野事業所
中部電力ミライズ(株) 水力 3,600
無線・通信 長野日本無線(株)
本社工場
中部電力ミライズ(株) 水力 1,440
無線・通信 上田日本無線(株)
本社工場
中部電力ミライズ(株) 水力 1,902
無線・通信 JRCモビリティ(株)※1
上田事業所
中部電力ミライズ(株) 太陽光 1,800
無線・通信 (株)国際電気
東京事業所
東京電力エナジーパートナー(株) 確認中※2 3,924
無線・通信 (株)HYSエンジニアリングサービス
本社
東京電力エナジーパートナー(株) 確認中※2 976
無線・通信 (株)五洋電子
本社・秋田工場
東北電力(株) 水力 703
無線・通信 (株)五洋電子
仙台工場
東北電力(株) 水力 173
マイクロデバイス 日清紡マイクロデバイス(株)
やしろ事業所
関西電力(株) 太陽光 9,800
ブレーキ 日清紡ブレーキ(株)
館林事業所
(株)ウエストエネルギーソリューション PPA※3
太陽光
849
ブレーキ Nisshinbo Automotive Manufacturing Inc. Sterling Planet 風力 14,088
ブレーキ Nisshinbo Somboon Automotive Co.,Ltd. WEST International (Thailand) Co.,Ltd. PPA※3
太陽光
1,402
ブレーキ 賽龍(煙台)汽車部件有限公司(中国) Shandong Huaxi New Energy PPA※3
太陽光
942
精密機器 Toms Manufacturing Corp. MERALCO 確認中※2 522
繊維 PT. Nisshinbo Indonesia PT Perusahaan Listrik Negara (Persero) 水力 9,985
繊維 PT. Nikawa Textile Industry PT Perusahaan Listrik Negara (Persero) 水力 57,017
繊維 PT. Naigai Shirts Indonesia PT Perusahaan Listrik Negara (Persero) 水力 1,578
その他 日清紡ホールディングス(株)
本社
東京電力エナジーパートナー(株) 確認中※2 889
合計 111,589

※1 JRCモビリティ(株)は、2026年1月1日付で実施したグループ会社再編により、日本無線(株)へ吸収合併されました。

※2 非化石証書に関する確定情報の提供時期の都合により、本WEBサイト更新時点では再生可能エネルギーの内訳を確認できておりません。

※3 PPA:Power Purchase Agreement(電力販売契約)

CDP気候変動2025評価

日清紡ホールディングス(株)は、CDPを通じて環境情報を開示しています。2025年は気候変動質問書に回答し、「B」評価(マネジメントレベル)を取得しました。当社グループは今後も気候変動対策に積極的に取り組み、環境活動における透明性と情報公開の強化を進めていきます。

CDPは毎年、企業を評価するために公平な方法を用いて開示の包括性、環境リスクの認識と管理、目標の設定などに基づいて8段階(A、A-、B、B-、C、C-、D、D-)のスコアで評価しています。

CDPは2000年に英国で設立された国際的な環境非営利団体で、142兆米ドル超の資産を持つ700以上の金融機関と協働し、グローバル規模での環境情報開示システムを運営しています。具体的には、世界各国の投資家・企業・政府などからの要請を受けて、環境に関する質問書を各企業に送付するとともに情報開示プラットフォームを提供し、回答のスコアリングと分析を行っています。

2025年には世界23,100社以上が、CDP回答によりデータを開示しました。CDPスコアはネットゼロや持続可能でレジリエントな経済の実現のために、CDPウェブサイトやレポートを通じて投資や調達の意思決定に広く活用されています。

「フロン対策格付け」Aランクに認定

日清紡ホールディングス(株)は、一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構(JRECO)が実施した第5回「フロン対策格付け調査」において、最高評価である「Aランク」に認定されました。この調査はプライム市場上場企業を対象に、統合報告書やサステナビリティレポートなどの公開情報における「フロン排出抑制法」の遵守状況や情報開示の充実度を評価するものです。第5回調査では、対象企業約1,600社のうち108社がAランクに選定されました。

当社グループでは、フロン類の適正管理を重要な環境課題のひとつに位置づけ、「フロン排出抑制法」をはじめとする関係法令順守を徹底するとともに、透明性の高い情報開示に努めてきました。このような取り組みが、今回の評価につながったものと考えています。

また、フロンガスを使用する冷凍機や空調機については地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒を採用した新型設備への更新を進めているほか、半導体製造工程で使用されるフロンガスであるPFC(パーフルオロカーボン)等を無害化する除害装置の計画的な増設、ノンフロン発泡剤を使用したウレタン製品の拡販などに取り組んでいます。

今後も当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて、法令順守のもと、環境負荷低減の取り組みを一層推進するとともに、環境情報の開示を充実させていきます。

授賞式の様子
授賞式の様子

グループ会社における活動事例

再生可能エネルギー由来電力への全面切り替え

(株)国際電気ではカーボンニュートラル達成に向け、照明のLED化やトップランナー空調への更新など、使用電力削減により温室効果ガス削減を推進しています。

東京事業所(東京都小平市)では、2025年4月より事業所で使用する全ての電力を再生可能エネルギー由来電力に切り替えました。これにより2025年4月~12月まで2,102 t-CO2の温室効果ガス削減効果がありました。さらに本施策により、世界的に見ても削減義務率が厳しい東京都環境確保条例「総量削減義務と排出量取引制度」の第4期計画期間の削減義務も同時に達成見込みとなりました。

今後は他の拠点でも再生可能エネルギー由来電力を順次適用していきます。

東京事業所
東京事業所

環境教育による環境マインド向上

(株)国際電気では、近年の世の中の動向による環境問題への関心の高まりを受け、環境活動への理解をさらに深めるために、2025年度環境教育eラーニングについて2025年6月に同社全従業員を対象として実施、同年10月には国際電気グループ全従業員を対象に実施しました。

国際電気環境教育では、気候変動と世の中の動向、国際電気のカーボンニュートラルの取り組みを取り上げ、国際電気グループ環境教育では、環境に関する社会動向、日清紡グループの取り組み、国際電気グループの取り組み(カーボンニュートラル、資源循環、生物多様性保全)を取り上げ、環境に関する知識の充実、環境マインドの向上を図りました。

一人ひとりの行動が全て環境活動に関わっており、カーボンニュートラルなどの取り組みについて「自分事」として考え、行動することについて認識を高めています。

GHG排出量削減策で出力150kW太陽光パネル設置

日清紡マイクロデバイスAT(株)では、温室効果ガス排出量削減策として、工場棟(F2棟)の屋根に太陽光発電設備を設置し、試運転を含め2025年5月から発電を開始しました。6月からの発電量は計画を月平均16%上回る非常に効率の良い発電結果となりました。

年間総発電量は、計画235 MWhに対し実績予測274 MWhとなり、2023年度工場総電力使用量に対する発電割合0.9%計画に対し、1.1%の発電となりました。また、太陽光は夏場のデマンドピークになる時間帯に最大発電量が出やすく、ピークカットにもなり契約電力150 kW削減に寄与いたしました。

工場棟(F2棟)の太陽光発電設備の発電量
工場棟(F2棟)の太陽光発電設備の発電量
太陽光発電設備
太陽光発電設備

太陽光発電設備の拡充(DP1工場・DP2工場)

日清紡ブレーキ(株) 館林事業所では、カーボンニュートラルの実現に向けて、自家消費型の太陽光発電設備を段階的に拡充しています。

2025年6月にはDP1工場の屋根に設備容量450 kWの太陽光発電設備を新設し、さらに2026年2月にはDP2工場の屋根に設備容量300 kWの設備を追加しました。これらに加え、2011年度および2024年度に導入した設備を含めると、館林事業所における太陽光発電設備の総設備容量は 1,550 kW となり、年間発電量は 2,533 MWh を見込んでいます。これにより、太陽光による自家消費電力は、同事業所の年間使用電力量の約9.5%をまかなう見込みです。

館林事業所では、今後も太陽光発電設備のさらなる増設を計画し、カーボンニュートラル達成に向けた取り組みを継続していきます。

太陽光発電設備
太陽光発電設備

空調機更新に合わせたフロン種の変更

米国のNisshinbo Automotive Manufacturing, Inc.では、空調機冷媒をフロンR22から、オゾン層を破壊しないフロンR410Aに交換する取り組みをしています。既存の空調機は、型式が古く冷媒のみの入れ替えは不可能な機種となっており、既存空調機の更新に合わせて順次進めています。2025年は5機を更新しました。

また、最新版の空調機に更新したことで、既存機と比較して年間で365 MWhの電力量(72 t-CO2/年相当)を削減できたことになります。

更新した空調機
更新した空調機

グリーンエネルギー太陽光発電設備によるESG向上

中国の賽龍 (煙台) 汽車部件有限公司(中国)では、日清紡グループの環境保護と持続可能な発展の理念を継続的に実践するため、オンサイトPPAを結び、太陽光発電パネルを設置しました。

第1期プロジェクトは2024年7月に開始し、管理棟、品質測定センター、廃棄物倉庫、駐車場の屋根や屋上に太陽光発電設備を設置しました。システム容量は728 kW、年間発電量は800 MWh、温室効果ガス排出削減量は約513 t-CO2/年で、このグリーン電力は全体電力消費の約6%を占めています。

第2期プロジェクトは2025年12月に開始し、工場の屋根に太陽光パネルを設置しました。システム容量は2,000 kWで、年間発電量は2,200 MWh、温室効果ガス排出削減量は約1,410 t-CO2/年です。

これにより、2026年の年間発電量は約3,000 MWh、 温室効果ガス排出削減量は約1,923 t-CO2/年、総グリーン電力消費は約21%へと増加し、炭素排出とコスト削減を効果的に実現します。 今後も企業の低炭素転換とESGの観点から高品質で持続可能な発展に努めていきます。

第1期プロジェクトで設置された太陽光発電設備
第1期プロジェクトで設置された太陽光発電設備
第2期プロジェクトで設置された太陽光発電設備
第2期プロジェクトで設置された太陽光発電設備

グループ拠点間の環境・省エネ横断活動

日清紡メカトロニクス(株)および、南部化成(株)では、両社の横断活動として、サステナブル(環境・省エネ)チームを編成し、チーム活動の中で、重点取り組みのひとつに、「温室効果ガス 年間600 t-CO2/年以上削減」を掲げ、省エネ活動をメインに活動を推進しています。

各15拠点の省エネの提案や、実施した施策内容を月次ミーティングの中で確認し、ポンプ・ファンの省エネなどの共通で効果が大きい設備については、全拠点で洗い出しを実施して、インバータ化などの施策を検討し進めました。また、共通の省エネマニュアルの見直しや、合同での省エネ勉強会を開催することで、各拠点担当者の省エネスキルの向上と、情報共有を図りながら活動を推進しました。その結果、全15拠点合計で年間153件の省エネ施策を実行し、1,861 MWh/年の省エネ効果を創出するとともに、温室効果ガスを1,038 t-CO2/年削減することができました。

今後も、グループ全体で情報の共有を図り、活動推進を通じて、省エネ・再エネ・電化などの施策実行により、温室効果ガス削減活動を進めていきます。

太陽光発電設備稼働

タイのNisshinbo Mechatronics (Thailand)では、日清紡グループの中期環境目標である「温室効果ガス排出量の削減」を、重要な取り組み課題のひとつとして位置付けています。

日本と比較して日射量の多いタイでは、太陽光発電設備の導入が有効であり、エネルギーコストの削減にもつながることから、太陽光設備の導入を計画しました。第1期として、第1工場にある4棟の建屋のうち1棟へ太陽光パネルの設置工事を実施しました。対象建屋は、生産設備が多く電力使用量が大きいことから、第1期の設置場所として選定しました。設置容量は887 kW、パネル枚数は1,408枚、想定年間発電量は1,227 MWhです。本設備により、第1工場の年間電力使用量の約10%削減が見込まれ、CO2排出量は年間約672 tの削減効果が期待されます。発電は2025年6月より開始しており、日照時間の長い時期には、想定を上回る発電量を記録しています。

また、第2期工事として2026年3月より第1工場および第3工場への導入を進めており、2026年5月の発電開始を予定しています。

天然ガス併用発電機による環境負荷減

インドのNisshinbo Comprehensive Precision Machining (Gurgaon) では、工場新設に伴い、ディーゼルと天然ガス(PNG)の混合燃料による発電機を2023年9月に導入しました。

インドでは外部電力の供給が依然として不安定であるため、自家発電設備の保有が一般的であり、従来はディーゼル燃料が主流でした。一方、デリー周辺の都市部では大気汚染の深刻化を背景に、クリーンエネルギーへの転換が求められています。

本設備は停電時のみ稼働するため削減効果は限定的ではありますが、CO2および大気汚染物質の排出削減に寄与しています。また、環境配慮型事業所としての操業認可取得にも貢献しています。

ディーゼル、天然ガス併用発電機
ディーゼル、天然ガス併用発電機

購入電力を再生可能エネルギーに変更

フィリピンのToms Manufacturing Corporationは、以前より大手電力会社のMERALCOより化石燃料(石炭での火力主体)で発電した電力を購入していました。

フィリピンは、火力発電が主力となっていますが、燃料は海外依存率が高く、産業および経済などの発展に電力供給不足傾向が続いていました。近年では、自然発電(再生可能エネルギー)にも注力しており、現在は太陽光発電を中心に、風力や地熱発電などについても計画が進められている状況です。

このような中、MERALCOが2022年より販売を開始した自然発電(主に太陽光発電)の電力供給が安定してきたこともあり、同社は、2025年7月より約100 MWh/月の契約を切り替えました。

また、本取り組みを従業員へ周知することで、気候変動対策への意識向上へつなげていきます。

旭事業所 第三工場屋根への太陽光発電パネル設置

日清紡ケミカル(株) 旭事業所では、事業活動に使用する電力の一部を再生可能エネルギー由来電力に切り替えるべく、事業所内にある第三工場屋根への太陽光発電パネル設置を決定し、2024年10月から設置工事を開始しました。工事は順調に進み2025年3月に無事完了となり、設置後すぐに発電を開始しています。

設置した太陽光パネル設備の容量は222 kWで、設置面積は約1550 m2となっています。稼働開始以降、発電は順調に推移しており、2025年度の発電量は324 MWhになりました。これにより、旭事業所における使用電力全体の約1割を賄うとともに、換算で約150 t-CO2/年の削減効果を得ています。

また第三工場1階にある事務所内にモニターを設置しており、従業員や来場者の方が発電状況を見ることができます。太陽光発電や再生可能エネルギーに対する、従業員の意識向上が期待されます。

太陽光発電パネル
太陽光発電パネル
太陽光発電モニター
太陽光発電モニター

燃料電池触媒用カーボン担体のグローバル展開

日清紡ケミカル(株) 土気事業所では、長年培ったカーボン構造制御技術の知見を活かし、次世代エネルギーの一翼を担う水素社会の発展に寄与する「燃料電池触媒用カーボン担体」の展開を推進しています。

本製品は、ナノレベルで精密に制御された均一な細孔構造を持つ高機能炭素材料です。燃料電池の電極触媒用担体として使用することで、発電性能を従来比で約2倍へと飛躍的に高めるとともに、触媒の劣化を抑制することで製品の長寿命化を実現します。これにより、近年価格が高騰している白金などの貴金属使用量低減を可能とした画期的な環境配慮型製品です。この優れた技術は世界で高く評価されており、欧米やアジア圏を中心に販路拡大が進んでいます。

同社は今後も、独自の材料技術を通じて水素の普及を支え、脱炭素社会の実現に向けたイノベーションを創出し続けることで、持続可能な地球環境の保護に貢献していきます。

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