コンプライアンス・企業倫理の徹底

基本的な考え方

日清紡グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため企業理念に立脚したコーポレート・ガバナンスの確立に取り組んでいます。

また、行動指針に「コンプライアンスの徹底」を掲げ、社会ルール・企業倫理など、広い範囲において常に公正で誠実に行動することを明記しており、体制整備のほか、社員への教育を実施しています。

推進体制

日清紡ホールディングス(株)は、2025年4月に、スピード感をもって変革をリードし統括する体制の構築を目的として、各機能別組織に担当執行役員を置く組織再編を行いました。法務・知的財産室担当執行役員を責任者とする体制のもと、法務グループ主導で、コンプライアンスや企業理念の徹底を推進しています。また、当社は「日清紡グループ企業倫理規定」に基づき、取締役社長を企業倫理に関する最高責任者とし、社長直属の機関として「企業倫理委員会」を設置し、日清紡グループ全体のコンプライアンスに係る事項に対処しています。企業倫理委員は当社の室長以上から任命します。

さらに、法令違反の疑いのある行為や違反事実の早期発見・再発防止を図ることを目的として「企業倫理通報制度」を設け、社内外からの通報を受ける体制を整えています。グループ内の従業員の場合には、企業倫理委員のほか、社外の顧問弁護士へも直接通報できます。通報者に関する秘密を厳守するとともに、通報者に不利益が生じないように配慮されています。通報された内容は、企業倫理委員会で適切に対処しています。

当社のサステナビリティを推進する組織体制の概要については、「サステナビリティ推進体制」をご覧ください。

日清紡グループの具体的な取り組み

第5期サステナビリティ推進計画(達成年度2024年度)

2024年度を達成年度とする「第5期サステナビリティ推進計画」では、コンプライアンスの徹底を重点活動項目とし、「コンプライアンス意識の向上」、「企業倫理通報制度の運用」を達成するために、以下2項目を目標・KPI に定めて活動しました。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

  • ①管理職層のコンプライアンス教育受講率 100%
  • ②企業倫理通報への対応率 100%

コンプライアンス教育や機密保持の徹底に関する取り組み、企業倫理通報制度の整備などの活動を推進し、①は99.4%の受講率、②は適切に対応(100%)しました。

第6期サステナビリティ推進計画(達成年度2027年度)

2027年度を達成年度とする「第6期サステナビリティ推進計画」ではコンプライアンスの徹底を重点活動項目とすることを継続し、「コンプライアンス意識の向上」と「企業倫理通報制度の運用」を達成するために、以下2項目を目標に掲げて取り組みを進めます。

  • ①管理職層のコンプライアンス教育受講率100%
  • ②企業倫理通報への対応率100%

定期的に展開しているコンプライアンス教育を通じたコンプライアンスの重要性の周知や、通報に対する適切な対応の継続などを通じて、活動をより充実させていきます。

サステナビリティ推進計画の概要については「サステナビリティ推進計画とKPI」をご覧ください。

コンプライアンス教育

日清紡グループでは、公正な事業活動の遂行を目指して階層別および職場別研修、海外派遣前研修などを通して各種コンプライアンス教育を実施しています。

2021年から導入したラーニングマネジメントシステムを活用して毎年新しい教育動画を公開し、繰り返しの教育を行っています。2024年度のコンプライアンス教育は2回にわたって実施し、改めてガバナンスの強化や倫理意識を高める動画を展開しました。

  • ・全グループ従業員向け:コンプライアンスの基礎知識、不正防止の重要性 など
  • ・全グループ管理職層向け:コンプライアンス対策における管理者としての役割 など

教育用の動画は、日本語版に加えて英語版・中国語版も準備し、海外のグループ会社にも展開しています。

また2024年度の輸出管理教育では、4つの動画配信をおこないました。1つは一般従業員向けの教育動画で、国内グループの全従業員に対して輸出管理の基礎知識を浸透させるため、最新の法令に照らしてリニューアルしたものを展開しました。その他の3つについては、輸出管理担当者向けの専門的な教育内容で、主に該非判定や特例措置の適用時の注意点に関する動画を、こちらも最新の法令に照らしてリニューアルしたものを展開しました。

近年は世界中の経済安全保障の機運の高まりを受けて、国内外において輸出管理規制の強化が行われるため、毎月1回のペースで国内外の規制情報などのトピックをまとめ、各事業会社を通じてグループ内に展開しています。

腐敗防止の取り組み

近年、贈収賄・腐敗行為に関する法規制の執行が国際的に強化され、摘発が厳格化しています。日清紡ホールディングス(株)は海外の関連法令への対応も念頭においた「腐敗行為防止のてびき」を策定し、海外グループ会社を含む全子会社に展開しました。このてびきは、日本の不正競争防止法第18条(外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止)はもとより腐敗の防止に関する国際連合条約(UNCAC)、国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関するOECD条約、米国連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)とそのガイドライン、英国賄賂防止法(UK Bribery Act)、中国の「不正競争防止法」、その他アジアの各国の刑法や汚職犯罪防止法など国際的な腐敗防止に関する条約や法令を対象としています。てびきの内容は2024年に見直しを行い、グループ全体で贈収賄防止対策に活用しています。

機密保持の徹底

設計・開発段階から連続する一連のサプライチェーンの中で開示を受けた知的財産や技術・ノウハウに関する情報などについては、機密保持契約を取り交わし、漏えい防止を図っています。また、営業秘密管理について毎年内部監査を実施し、適切に管理されていることを確認しています。

企業倫理通報制度

日清紡グループは、企業理念のもと、事業活動全般において全従業員に対し、企業倫理の浸透・定着に努めており、法令違反や企業倫理に反する疑いのある行為や違反事実の早期発見・再発防止を目的として、「企業倫理通報制度」を設けています。

本制度では、当社グループの従業員に限らず、広く社内外のステークホルダーの皆さまからの通報を受け付けています。当社グループにおける法令違反や企業倫理に反する事項、もしくはそれらの疑義行為にお気づきの場合には 、窓口まで相談・通報いただくようにお願いします。事実関係の調査のうえ、適切に対応します。匿名で相談・通報することも可能ですが、お名前・連絡先をいただいた方へは、対応策について、その概要を連絡させていただきます。

当社グループの従業員の場合には、社内の企業倫理委員のほか、社外の顧問弁護士へも直接通報できます。通報者に関する秘密を厳守するとともに、通報者に不利益が生じないように配慮されています。

当社グループ全体のコンプライアンスに係る事項は、日清紡ホールディングス(株) 社長直属の機関である「企業倫理委員会」で対処します。取締役会は、通報案件を含む企業倫理に関する重要事項について定期的な報告を受け、レビューを行います。

今後も真摯な取り組みを通じて企業の社会的責任を果たし、一層の企業価値向上を実現させていきます。

相談・通報先

日清紡ホールディングス株式会社 企業倫理委員会 受付窓口
電話・FAX番号 03-5695-8851

相談・通報フォーム

コンプライアンス違反件数・企業倫理通報件数

直近3年間に日清紡ホールディングス(株)の企業倫理通報窓口に通報された件数は以下のとおりで、全ての通報に対して通報者に係る秘密を厳守し、かつ通報者に不利益が生じない配慮を行いながら、企業倫理委員会で適切に対応し、違反と認められたものについては就業規則の定めるところに従った処分を行っています。

企業倫理通報窓口通報件数

2022年 2023年 2024年
件数 事実に対する
懲戒処分
件数 事実に対する
懲戒処分
件数 事実に対する
懲戒処分
ハラスメント関係 3(3) 0 3(1) 0 3(1) 0
法令違反 3(0) 0 0(0) 0 5(0) 0
労務問題 2(1) 0 1(1) 0 4(2) 0
会計上の不正 1(0) 0 0(0) 0 0(0) 0
その他(モラル違反など) 8(2) 0 7(2) 懲戒処分1 8(2) 0
通報件数 計 17 11 20
通報への委員会としての対応件数 計 17(6)
100%対応
11(4)
100%対応
20(5)
100%対応

※ 通報件数の( )内は、違反などの具体的な事実が確認できた数

グループ会社における活動事例

コンプライアンス研修の実施

日本無線(株)では毎年、コンプライアンス教育の一環として「JRC行動規準およびコンプライアンス研修」(eラーニング)を実施しています。実際の違反事例などをテーマに取り入れ、毎年内容を変えながら繰り返し教育を行っています。また、各部門から選任されたコンプライアンスリーダーを対象とした研修を行っています。営業系部門、非営業系部門に分け、弁護士を講師として、過去の法令違反事例や現代の事例をテーマとして取り上げています。

2024年度は増加傾向にあるハラスメントへの防止対策として、ハラスメントに特化した研修を行いました。「職場のパワーハラスメント」を題材にしたビデオを視聴した後、eラーニングにて理解度テストを実施しました。参加者からは、ハラスメントに関わる認識が深められたと感想が挙がり、コンプライアンス意識の向上を図ることができました。

今後も、従業員一人ひとりがコンプライアンスに留意した行動をとれるよう取り組みを推進していきます。

職場倫理活動の実施

(株)HYSエンジニアリングサービスでは、2024年は11月を「企業倫理月間」として設定し、企業倫理の一層の充実と法令遵守の徹底のための取り組みの一環として、全従業員を対象とした職場倫理活動を行いました。計578名の従業員が参加しました。ハラスメント事例や適正な取引、贈収賄防止法の遵守などについて各部門に関係するハラスメント以外の事例を基に、職場単位で討論を実施し、事例のようなリスクが職場にないか、また、それにどう対処すべきかなどをブレーンストーミング形式で討論しました。

討論の結果得られた職場における課題やリスクを共有し、決定した対策・推進項目を、各職場において実施・推進しています。

このような取り組みを通じて、各職場および職場内一人ひとりの行動倫理に根ざした業務遂行とその意識の高揚を図るとともに、風通しの良い明るい職場環境を構築し、「熱」「理」「情」に溢れた企業風土を築いていきます。

企業倫理通報制度の運用

中国の日清紡精密機器 (上海) 有限公司では、総経理を企業倫理に関する最高責任者とし、総経理直属の機関として「企業倫理委員会」を設置し、同社のコンプライアンスに係る事項に対処しています。

また、法令違反の疑いのある行為や違反事実の早期発見・再発防止を図ることなどを目的として「企業倫理通報制度」を設け、社内外からの通報を受ける体制を整えています。企業倫理委員のほか、社外の顧問弁護士へも直接通報できます。通報者に関する秘密を厳守するとともに、通報者に不利益が生じないように配慮されています。通報された内容は、企業倫理委員会で適切に対処し、通報者へのフィードバックも実施します。

企業倫理通報制度は社内掲示、入社時の教育などにて全従業員に周知しています。

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