コンプライアンス・企業倫理の徹底

基本的な考え方

日清紡グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため企業理念に立脚したコーポレート・ガバナンスの確立に取り組んでいます。

また、行動指針に「コンプライアンスの徹底」を掲げ、社会ルール・企業倫理など、広い範囲において常に公正で誠実に行動することを明記しており、体制整備のほか、社員への教育を実施しています。

推進体制

日清紡ホールディングス(株)は、スピード感をもって変革をリードし統括する体制の構築を目的として、各機能別組織に担当執行役員を置く組織としています。法務・知的財産室担当執行役員を責任者とする体制のもと、法務グループ主導で、コンプライアンスや企業理念の徹底を推進しています。また、当社は「日清紡グループ企業倫理規定」に基づき、取締役社長を企業倫理に関する最高責任者とし、社長直属の機関として「企業倫理委員会」を設置し、日清紡グループ全体のコンプライアンスに係る事項に対処しています。企業倫理委員は当社の室長以上から任命します。

さらに、法令違反の疑いのある行為や違反事実の早期発見・再発防止を図ることを目的として「企業倫理通報制度」を設け、社内外からの通報を受ける体制を整えています。グループ内の従業員の場合には、企業倫理委員のほか、社外の顧問弁護士へも直接通報できます。通報者に関する秘密を厳守するとともに、通報者に不利益が生じないように配慮されています。通報された内容は、企業倫理委員会で適切に対処しています。

当社のサステナビリティを推進する組織体制の概要については、「サステナビリティ推進体制」をご覧ください。

日清紡グループの具体的な取り組み

第6期サステナビリティ推進計画(達成年度2027年度)

  • ①管理職層のコンプライアンス教育受講率 100%
  • ②企業倫理通報への対応率 100%

2027年度を達成年度とする「第6期サステナビリティ推進計画」ではコンプライアンスの徹底を重点活動項目とし、「コンプライアンス意識の向上」と「企業倫理通報制度の運用」を達成するために、上記2項目を目標に掲げて取り組みを進めています。

コンプライアンス教育や機密保持の徹底に関する取り組み、企業倫理通報制度の整備などの活動を推進し、①は99.8%の受講率、②は適切に対応(100%)しました。

定期的に展開しているコンプライアンス教育を通じたコンプライアンスの重要性の周知や、通報に対する適切な対応の継続などを通じて、活動をより充実させていきます。

サステナビリティ推進計画の概要については「サステナビリティ推進計画とKPI」をご覧ください。

コンプライアンス教育

日清紡グループでは、公正な事業活動の遂行を目指して階層別および職場別研修、海外派遣前研修などを通して各種コンプライアンス教育を実施しています。

ラーニングマネジメントシステムを活用して毎年新しい教育動画を公開し、繰り返しの教育を行っています。2025年度のコンプライアンス教育は2回にわたって実施し、改めてガバナンスの強化や倫理意識を高める動画を展開しました。

  • ・全グループ従業員向け:コンプライアンスの基礎知識、不正防止の重要性および不正事例、企業倫理通報制度 など
  • ・全グループ管理職層向け:コンプライアンス体制および管理者としての役割、グローバルコンプライアンス など

教育資料は、日本語版に加えて英語・中国語・タイ語・インドネシア語・ポルトガル語の計5ヵ国語を準備し、海外のグループ会社にも展開しています。

また2025年度の輸出管理教育では、3つの動画配信をおこないました。1つは一般従業員向けの教育動画で、国内グループの全従業員に対して輸出管理の基礎知識を浸透させるため、最新の法令に照らしてリニューアルしたものを展開しました。その他の2つについては、輸出管理担当者向けの専門的な教育内容で、主に該非判定や特例措置の適用時の注意点に関する動画を、こちらも最新の法令に照らしてリニューアルしたものを展開しました

近年は世界中の経済安全保障の機運の高まりを受けて、国内外において輸出管理規制の強化が行われるため、毎月1回のペースで国内外の規制情報などのトピックをまとめ、各事業会社を通じてグループ内に展開しています。

腐敗防止の取り組み

近年、贈収賄・腐敗行為に関する法規制の執行が国際的に強化され、摘発が厳格化しています。日清紡ホールディングス(株)は海外の関連法令への対応も念頭においた「腐敗行為防止のてびき」を策定し、海外グループ会社を含む全子会社に展開しました。このてびきは、日本の不正競争防止法第18条(外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止)はもとより腐敗の防止に関する国際連合条約(UNCAC)、国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関するOECD条約、米国連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)とそのガイドライン、英国賄賂防止法(UK Bribery Act)、中国の「不正競争防止法」、その他アジアの各国の刑法や汚職犯罪防止法など国際的な腐敗防止に関する条約や法令を対象としています。グループ全体で贈収賄防止対策に活用しています。

機密保持の徹底

設計・開発段階から連続する一連のサプライチェーンの中で開示を受けた知的財産や技術・ノウハウに関する情報などについては、機密保持契約を取り交わし、漏えい防止を図っています。また、営業秘密管理について毎年内部監査を実施し、適切に管理されていることを確認しています。

企業倫理通報制度

日清紡グループは、企業理念のもと、事業活動全般において全従業員に対し、企業倫理の浸透・定着に努めており、法令違反や企業倫理に反する疑いのある行為や違反事実の早期発見・再発防止を目的として、「企業倫理通報制度」を設けています。

本制度では、当社グループの従業員に限らず、広く社内外のステークホルダーの皆さまからの通報を受け付けています。当社グループにおける法令違反や企業倫理に反する事項、もしくはそれらの疑義行為にお気づきの場合には 、窓口まで相談・通報いただくようにお願いします。事実関係の調査のうえ、適切に対応します。匿名で相談・通報することも可能ですが、お名前・連絡先をいただいた方へは、対応策について、その概要を連絡させていただきます。

当社グループの従業員の場合には、社内の企業倫理委員のほか、社外の顧問弁護士へも直接通報できます。通報者に関する秘密を厳守するとともに、通報者に不利益が生じないように配慮されています。

当社グループ全体のコンプライアンスに係る事項は、日清紡ホールディングス(株) 社長直属の機関である「企業倫理委員会」で対処します。取締役会は、通報案件を含む企業倫理に関する重要事項について定期的な報告を受け、レビューを行います。

今後も真摯な取り組みを通じて企業の社会的責任を果たし、一層の企業価値向上を実現させていきます。

相談・通報先

日清紡ホールディングス株式会社 企業倫理委員会 受付窓口
電話・FAX番号 03-5695-8851

相談・通報フォーム

コンプライアンス違反件数・企業倫理通報件数

直近3年間に日清紡ホールディングス(株)の企業倫理通報窓口に通報された件数は以下のとおりで、全ての通報に対して通報者に係る秘密を厳守し、かつ通報者に不利益が生じない配慮を行いながら、企業倫理委員会で適切に対応し、違反と認められたものについては就業規則の定めるところに従った処分を行っています。

企業倫理通報窓口通報件数

2023年 2024年 2025年
件数 事実に対する
懲戒処分
件数 事実に対する
懲戒処分
件数 事実に対する
懲戒処分
ハラスメント関係 3(1) 0 3(1) 0 6(1) 0
法令違反 0(0) 0 5(0) 0 5(1) 懲戒処分1
労務問題 1(1) 0 4(2) 0 4(2) 0
会計上の不正 0(0) 0 0(0) 0 0(0) 0
その他(モラル違反など) 7(2) 懲戒処分1 8(2) 0 4(1) 0
通報件数 計 11 20 19
通報への委員会としての対応件数 計 11(4)
100%対応
20(5)
100%対応
19(5)
100%対応

※ 通報件数の( )内は、違反などの具体的な事実が確認できた数

グループ会社における活動事例

コンプライアンス教育の実施

日本無線(株)では毎年、コンプライアンス教育の一環として、各部門から選任されたコンプライアンス責任者、およびコンプライアンスリーダー(CPL)向けの研修を行っています。

2025年12月に、フリーランス保護法、取適法(中小受託取引適正化法)について、弁護士を講師として招き、過去の法令違反事例や現代の事例を交え2時間程度の研修を行いました。特に、取適法(中小受託取引適正化法)については、2026年から大幅な改定があったため丁寧に解説していただきました。日頃弁護士と係わることがほとんどない中、研修の最後に質疑応答の時間を設け、有意義な研修であったと感じています。また、取適法(中小受託取引適正化法)および振興法に関する業務に従事する関係者を対象として、一般向けと幹部職層に分けて、eラーニングにて教育と理解度テストを実施し、それぞれの立場で一定の効果が確認されました。

今後も繰り返し教育を進めていき、コンプライアンスリスクの防止に努めていきます。

不祥事防止に向けた全従業員教育の実施

ジェイ・アール・シー特機(株)では、健全な企業文化を根付かせるため、年2回のハラスメントおよびコンプライアンス教育を継続しています。これらに加え2025年度は、さらなるガバナンス強化を目的に、CSR推進室主導による「不祥事例を用いた不正防止教育」を全従業員に対し実施しました。

今回の教育では、昨今社会的に大きな問題となった不適切な請求事案をもとに、CSR推進室が独自に制作した音声付き教材を採用しました。業務の合間にデスクで集中して学ぶスタイルを取り入れ、不祥事の背景やリスクを各々が自分事として捉え、理解を深めました。また、受講後にはヒアリングによる有効性評価を行い、従業員の意識変容を確認しています。こうしたプロセスを積み重ねることで、教育の実効性をより確かなものとしています。

今後も社会的な動向を注視し、組織の自浄能力とリスク感度を高め、不祥事の未然防止を徹底することで、お客さまからのさらなる信頼と期待にお応えできるよう組織全体で真摯に取り組んでいきます。

企業倫理月間の取り組み

国際電気グループでは、企業活動の基盤となる高い倫理観とコンプライアンス意識の定着を目的に、毎年「企業倫理月間」を定め、グループ一体となった取り組みを行っています。

2025年10月には、(株)国際電気代表取締役社長より、社会から信頼される企業であり続けるための姿勢と、日々の業務における誠実な判断の重要性について、全グループ社員へメッセージが発信されています。同月、(株)五洋電子では部・課単位で事例を活用したグループ討議を実施し、現場で起こり得る倫理的課題への理解を深めるとともに、適切な行動について意見交換を行いました。本取り組みには全従業員394名が参加し、企業倫理を自らの課題として再認識する機会となりました。

今後も、公正で透明性の高い企業活動を通じ、持続的な成長と社会の信頼に応えていきます。

コンプライアンス体制の強化に向けた取り組み

ブラジルのKokusai Denki Electric Linear S/Aでは、コンプライアンス意識の向上と企業倫理の徹底を目的として、定期的に社員向けコンプライアンス研修を実施しています。あわせて、毎年10月にはCEOより全社員に向けたコンプライアンスメッセージを発信し、経営トップ自らが法令遵守および倫理的行動の重要性を継続的に発信しています。

また、社員が懸念を感じた行為について安心して相談・報告できるよう、内部通報窓口を設置しています。本チャネルでは、実名・匿名いずれでも通報が可能であり、不正行為やハラスメントなど、非倫理的と考えられる行為について報告することができます。

これらの取り組みを通じて、健全で透明性の高い企業風土の維持・向上を図っています。

ランサムウェア被害を想定したサイバーセキュリティ訓練

日清紡マイクロデバイス福岡(株)では、サイバー攻撃発生時に適切な初動対応を行うことを目的に、情報セキュリティに関する机上訓練を実施しています。

2025年11月、全部課長および旧IT革新課員20名が参加し、「スパムメールを起点としたランサムウェア感染」を想定したシナリオに基づく訓練を行いました。本訓練では、日清紡マイクロデバイス(株)が公開する情報システム向けサイバーセキュリティ攻撃対応チェックリストと整合した内容を用い、インシデント発生時の対応を1つひとつ机上で確認しました。シナリオ訓練は2024年から継続的に実施しており、今回で2回目となります。参加者が被害発生時の行動を具体的に体験することで、ランサムウェア被害を自分事として捉える意識が高まりました。また、訓練を通じてBCP環境整備に関する課題も明確となり、現在は計画的な改善を進めています。

今後も毎年の訓練を通じ、同社のサイバーセキュリティ対応力向上に継続的に取り組んでいきます。

情報セキュリティに関する机上訓練の様子
情報セキュリティに関する机上訓練の様子

EHS(環境・健康・安全)企画会議の開催

中国の日清紡賽龍(常熟)汽車部件有限公司では、毎月開催されるEHS(環境・健康・安全)企画会議において、法律法規の遵守度レビューを徹底して実施しています。

本会議は、事業活動におけるEHSリスクの早期発見と適切な対応を目的とし、経営層と現場責任者12名が一同に会して、法令遵守の現状と課題を共有する重要な場となっています。会議の前半では新規・改正されたEHS法令についての情報収集と影響評価を実施します。国や地方自治体の法改正動向を常に監視し、同社の事業活動に与える影響を事前に分析し、新規法令の施行前に必要な体制整備、設備投資、教育研修を計画し、施行後の即時対応を可能にしています。会議の後半では前月に指摘された不備事項の改善完了確認を厳格に行い、PDCAサイクルのCheck機能を確実に機能させています。この月次レビュー体制により、事後対応型から予防型のEHS管理へと転換し、法令違反リスクの最小化と持続可能な事業運営を実現しています。

今後も法規制の変化に機敏に対応し、全従業員の安全と環境保全に責任を果たしていきます。

2025年度海外拠点の内部統制強化活動

日清紡メカトロニクス(株)では、グループ海外拠点におけるガバナンス強化および不正リスク低減を目的に、全海外拠点7社を対象とした内部統制強化活動を実施しました。

重点管理項目として「小口現金管理」「振込承認手続き」「権限の集中」「購入先選定」を設定し、各拠点の管理状況の点検および改善を推進しました。あわせて、各拠点の経営層および管理部門責任者との定期ミーティング(半期1回)を開催し、初回では管理状況や規程整備、課題認識を確認し、2回目では改善取り組みの進捗を共有しました。これにより、拠点ごとの統制水準のばらつきや共通課題が明確となり、承認プロセスの適正化など具体的な改善につなげています。さらに、中国の日清紡精密機器(上海)有限公司にモニタリングシステムを導入し、要注意仕訳や取消仕訳の監視を通じて統制強化を図っています。

2026年度も重点項目の見直しを行い、継続的な改善を進めていきます。

法規制・知的財産リスクの低減に向けた取り組み

日清紡ケミカル(株)では、法令遵守および事業活動に伴う各種リスクの低減を目的として、開発の上流段階から法規制および知的財産に関するリスクを体系的に確認しています。

法令遵守の観点では、製品・原料・設備・作業に関わる環境および労働安全衛生に関する各種法規への適合確認、RoHS・REACHなどの化学物質規制への適合確認、輸出管理における該非判定、物流関連法令への適合確認を適切に実施しています。さらに、知的財産の観点では、先行特許の調査および自社の権利化状況を確認のうえ、侵害リスクを評価し、設計仕様や原材料の選定段階でリスクを抽出し、回避するように努めています。これらの内容は関係部署が連携し、設計開発の各ステージに応じて部門横断で計画的かつ継続的に確認しています。また、必要に応じて適切な見直しおよび改善を行い、適正な運用を図っています。

これらの活動により、法令遵守の徹底と企業倫理に基づく誠実で信頼性の高い事業活動を着実に推進しています。

管理職を対象とした継続的なコンプライアンス・企業倫理教育の実施

日清紡ケミカル(株) 千葉事業所では、2024年よりコンプライアンスおよび企業倫理の徹底を目的として、管理職を対象とした継続的な教育を実施しています。

教育テーマは、安全衛生・環境・法令遵守・労務管理に加え、マーケティングや知的財産など多岐にわたり、原則として毎週1回の頻度で開催しています。講師は事業所在籍の管理職が分担し、自身の担当業務や専門分野に関連する法令および社内規定を事前に整理したうえで、解説や過去事例の共有、遵守事項の確認を行います。これにより、管理職一人ひとりの理解度向上を図るとともに、事業所内のルールや規定についても討議を行い、必要に応じて見直しすることで、認識共通化を進めています。2025年度は、在籍する11名の管理職に加え、テーマに応じて実務担当者も参加対象とし、教育資料の共有、受講記録の管理およびフォローアップを実施しています。

本取り組みを通じて、法令遵守意識と高い倫理観を組織全体に浸透させ、持続可能で社会から信頼される事業運営の実現を目指しています。

マネジメントメッセージ
サステナビリティ・
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