働き方改革の推進

基本的な考え方

日清紡グループは、多様性をイノベーションの源泉として捉え、事業の多様性・人の多様性・価値観の多様性を強みとして企業価値の向上を図っています。従って、多様性を尊重し一人ひとりの持つ個性と能力を活かして生産性の向上、働き甲斐の実感につなげ、継続的に活躍し、結果として強い競争力につながるよう、働き方改革を推進しています。

推進体制

日清紡グループは多様な人財が各々に合った働きやすい職場をつくるために、日清紡ホールディングス(株)の取締役経営戦略センター長を責任者とする体制のもと、経営戦略センター 人財・総務室 人財グループおよびダイバーシティ推進室にて、働き方改革の推進に取り組んでいます。サステナビリティ推進計画における「社員が働きやすい職場環境の整備」という目標を達成するために、目標・KPI を設定し対策を講じています。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

日清紡グループの具体的な取り組み

改定「第5期サスティナビリティ推進計画」では、KPIとして①年次有給休暇取得率 70%以上、②男性社員の育児休業取得率 対象男性社員の30%以上を掲げ、PDCAを回しながら目標達成に向け活動を進めています。

2023年度は、社内ポータルサイトにて、男性の育児休業に関して周知を行い、経験者のインタビューを紹介する予定です。

2022年度は、改定前の「第5期サステナビリティ推進計画」に従い、次世代育成法一般事業主行動計画に基づいた2024年度目標の達成率(達成会社の比率)100%をKPIとして掲げ、PDCAを回しながら目標達成に向け活動を進めました。

多様な働き方の推進

日清紡グループでは仕事と育児や介護との両立など、多様なバックグラウンドをもつ人財が生産性高くいきいきと働けるよう、諸制度を整備しています。

働く場所の柔軟化を目的として、2021年からテレワークの実施やサテライトオフィスの設置を行いました。また、勤務時間の柔軟化を目的として、時差出勤、フレックスタイム、時間単位の有休取得、短時間勤務などの制度も設けています。

その他、さまざまなライフステージに応じた働き方を支援するため、以下の諸制度があります。

多様な働き方の推進

育児や介護などの両立支援制度

日清紡ホールディングス(株)は、次世代育成支援対策推進法に基づき、社員が能力を発揮し、仕事と生活の調和を図りながら働き続けることができる環境整備を行うため、「一般事業主行動計画」を策定し、男性の育児休業を取得しやすい環境の整備などを行っています。当社以外の国内グループ会社22社 でも、同様の取り組みを実施しています。

※ 日本無線(株)、長野日本無線(株)、上田日本無線(株)、ジェイ・アール・シー特機(株)、ジェイ・アール・シーエンジニアリング(株)、JRCシステムサービス(株)、JRCロジスティクスサービス(株)、長野日本無線マニュファクチャリング(株)、ナガノコミュニケーションズ販売(株)、NJコンポーネント(株)、浅科ニチム(株)、日清紡マイクロデバイス(株)、日清紡マイクロデバイスAT(株)、日清紡マイクロデバイス福岡(株)、日清紡ブレーキ(株)、日清紡メカトロニクス(株)、南部化成(株)、九州南部化成(株)、日清紡精機広島(株)、日清紡ケミカル(株)、日清紡テキスタイル(株)、東京シャツ(株)

「くるみん」マーク
「くるみん」マーク

長時間労働・過重労働の防止

日清紡グループでは、長時間労働を防止するため時間外労働の状況を人事担当部署および衛生委員会などで管理するとともに、業務効率を上げるため業務を見直し無駄な業務をなくすことや、特定者への業務集中を回避するため業務の平準化を進めています。

また、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に則り、社員の労働時間をタイムカード、ICカード、パソコンのログデータなどの客観的な記録を確認し把握することで、適正な労働時間管理に努めています。

日清紡ホールディングス(株)では、グループ会社の労働法対応や適正な労働時間管理に対する取り組みをサポートするため、グループ会社における労務管理状況について定期的なレビューを実施しています。

グループ会社における活動事例

オフィスフロアのフリーアドレス化

日本無線(株)では、2022年12月に中野本社を2フロアから1フロアへ集約し、本部・事業部別のフリーアドレス席を導入しました。

フリーアドレスでは、出社前に席を予約できるホテリングシステムの導入により、座席の管理を円滑に行うことができます。フロアの中心部分にあるラウンジには、コーヒーマシンやウォーターサーバーを設置し、共用備品や文房具類、ダストボックスを集約することで、従業員同士が自然に交流する機会を作り出し、コミュニケーションの活性化を期待しています。また、会議室は外部の方とのミーティングの場として、社内ミーティングは執務室内のオープンなファミレス型席やコミュニケーションスポットなどを活用することで、部門の垣根を超えたディスカッションやミーティングを可能にしました。

フリーアドレスにより、従業員同士の交流を促進し、多様な価値観に触れることで、エンゲージメントの向上を期待しています。

リニューアル後のオフィス
リニューアル後のオフィス
リニューアル後のオフィス

在宅勤務の課題を解決し、多様な働き方を推進

長野日本無線(株)は、在宅勤務の課題解決と多様な働き方の推進に向けて、2022年12月に営業の各拠点でバーチャルオフィスを導入しました。

営業拠点では新型コロナウイルス感染症による在宅勤務率が高く、孤独感や不安を感じる、気軽にコミュニケーションが取れない、相手の様子が見えないことにより質問がしにくく業務がはかどらない、労働時間の管理が難しいなど、「メンタルケア」「業務効率」「労務管理」などの課題が明らかとなり、『職場における縦横のコミュニケーション』の重要性を改めて認識しました。

バーチャルオフィスの機能を活かし、気軽にコミュニケーションをとりやすくなったことで、日々の業務を考慮した柔軟な働き方につながっています。また、他部門や他拠点のメンバーとのやりとりも増えた、普段話さない人のコメントを見て親近感がわいたなど、多様な交流にも役立っています。

本社事業所オフィスのカイゼン活動(フリーアドレス化)

日清紡ブレーキ(株) 本社事業所では、コロナ禍を契機に在宅勤務やフリーアドレスなど多様な働き方が生まれる中、最適なオフィスを検討すべく、2022年春から若手を中心としたオフィスカイゼン活動を開始しました。

従業員アンケートやフィールドワークを通じて、コミュニケーション不足、業務内容に合ったスペースで仕事ができない、設備・スペースが余っているなどの問題点を抽出、これら問題の解決策として、レイアウト変更によるフリーアドレス導入を検討しました。

まず、新オフィスコンセプトを「毎日楽しくうふふフリー」「ストレスフリーアドレス」「サステナブル明るいオフィス」「With Your Office」の4つに定めました。次に、コンセプトを具現化するため、不要什器の削減による2Sの徹底、既存什器の有効活用、ABW思想 によるレイアウトを盛り込んだフリーアドレスを導入しました。

フリーアドレス化後、従業員からは「会話が増えた」、「仕事がしやすくなった」などのポジティブな意見が出ています。今後も外部環境の変化に合わせて、最適なオフィスを追求しカイゼン活動を続けていきます。

※ ABW思想:Activity Based Workingの略。時間と場所を自由に選択できる働き方のこと。

フリーアドレス化されたオフィス
フリーアドレス化されたオフィス
座席情報管理モニター
座席情報管理モニター

育児休業支援

日清紡ケミカル(株)では、男性の育児休業取得推進活動の一環として、部下を持つ方を対象に社内研修を実施しました。

上司が正しい知識を持って部下をフォローできるよう、法改正の要点や他社の事例を取り上げ、理解を深めました。また、男性が家事・育児へ参画することは、女性が出産後も継続して社会で活躍していくために不可欠であることから、上司が率先して部下に育児休業取得を推奨するよう周知しました。

法改正により育児休業を取得しやすい環境が整い、男性の取得者も増えてきています。一方、「言い出しづらい」「どこに相談すればいいのか分からない」といった声もあることから、従業員向けの社内サイトを活用し、法改正の内容や社内制度を周知し職場全体の理解向上を図っています。また、相談窓口を設置し、いつでも気軽に相談できる体制を整えました。育児休業を取得しやすい雰囲気づくりにつなげていきます。