省資源

基本的な考え方

日清紡グループは、「行動指針」に環境負荷への認識と配慮を掲げ、資源循環の質の向上を視野に、リサイクルなどの推進に取り組み、すべての人びとにとって安心・安全な社会を誠実に実現します。

【主な対策】

  • ①ISO14001の活動を通じ、廃棄物適正処理ガバナンスの徹底を図りながら、産業廃棄物を適正処理
  • ②3R(リデュース※1、リユース※2、リサイクル※3)を推進し廃棄物排出量を削減
  • ③梱包材料の再使用や使用量削減などを推進
  • ④廃棄物処理事情の異なる海外事業所での、優良な廃棄物再生利用業者の選定・委託、廃棄物の再生利用を進める活動

※1 リデュース(Reduce):物を大切に使い、ごみを減らすこと

※2 リユース(Reuse):使える物は、繰り返し使うこと

※3 リサイクル(Recycle):ごみを資源として再び利用すること

推進体制については、「環境マネジメント」にあります「推進体制」の記載をご参照ください。

日清紡グループの具体的な取り組み

第5期3カ年環境目標

日清紡グループでは、2024年度を達成年度とする「第5期3カ年環境目標(第5期サステナビリティ推進計画)」において、環境経営の推進を重点活動項目とし、「リサイクル率の改善」を推進するために、以下の目標・KPI を定めました。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

「リサイクル率改善」 リサイクル率 90%以上

PDCAを回しながら削減量を管理して計画的に対策を進めた結果、当社グループの2024年度の状況は、リサイクル率 92%となりました。リサイクル率の低い連結子会社であったTMDグループを譲渡したことが主な要因です。

第6期3カ年環境目標

2027年度を達成年度とする「第6期3カ年環境目標(第6期サステナビリティ推進計画)」では、中期環境目標の達成に向けたマイルストーンとして、取り組みは第5期の取り組みを踏襲し、KPI値の引き上げをおこないました。

「リサイクル率改善」 リサイクル率 93%以上

「3カ年環境目標」の概要については「環境マネジメント」をご覧ください。

「サステナビリティ推進計画」の概要については「サステナビリティ推進計画とKPI」をご覧ください。

廃棄物発生量

日清紡グループの廃棄物発生量(リサイクルされたものを含む)2024年度実績は31.1 千tとなり、前年度比41%減と大幅に減少しました。売上当たり廃棄物発生量は、0.063 t/百万円となり、前年度比36%減と大幅に減少しました。連結子会社であったTMDグループを譲渡したことにより減少しました。

当社グループの2024年度リサイクル率は、92%(前年度比4%増加)となりました。ブレーキ事業の子会社であったTMDグループを譲渡したことによりリサイクル率は向上しました。

廃棄物発生量と売上当たり廃棄物発生量の推移

廃棄物発生量と売上当たり廃棄物発生量の推移

※1 当社は2023年11月30日にブレーキ事業のうち子会社であったTMDグループを譲渡したことにより、連結の範囲から除外しています。このためTMDグループは2023年11月度までのデータを集計対象としています。

※2 当社は2023年12月27日に、国際電気グループを連結の範囲に含め、2024年度からデータ集計の対象としています。

※3 当社は2024年11月28日に、無線・通信事業における子会社としてARGONICS GmbHおよびARGONAV GmbHを連結の範囲に含めましたが、2024年度データ集計の対象外としています。

リサイクル量とリサイクル率の推移

リサイクル量とリサイクル率の推移

※1 当社は2023年11月30日にブレーキ事業のうち子会社であったTMDグループを譲渡したことにより、連結の範囲から除外しています。このためTMDグループは2023年11月度までのデータを集計対象としています。

※2 当社は2023年12月27日に、国際電気グループを連結の範囲に含め、2024年度からデータ集計の対象としています。

※3 当社は2024年11月28日に、無線・通信事業における子会社としてARGONICS GmbHおよびARGONAV GmbHを連結の範囲に含めましたが、2024年度データ集計の対象外としています。

事業別廃棄物発生量と事業別リサイクル率の推移

日清紡グループは、2030年度にリサイクル率95%を達成するとの目標を設定して、事業ごとに廃棄物削減活動に取り組んでいます。

事業別の廃棄物発生量(リサイクルされたものを含む)は、精密機器事業が全体の36%を占めていますが、そのうち96%はリサイクルされています。

事業別のリサイクル率では、ブレーキ事業の海外拠点におけるブレーキ摩擦材研磨粉処理が課題であり、リユース方法やリサイクル先の検討を進めています。

事業別廃棄物発生量と事業別リサイクル率の推移

事業別廃棄物発生量と事業別リサイクル率の推移

※1 当社は2023年11月30日にブレーキ事業のうち子会社であったTMDグループを譲渡したことにより、連結の範囲から除外しています。このためTMDグループは2023年11月度までのデータを集計対象としています。

※2 当社は2023年12月27日に、国際電気グループを連結の範囲に含め、2024年度からデータ集計の対象としています。

※3 当社は2024年11月28日に、無線・通信事業における子会社としてARGONICS GmbHおよびARGONAV GmbHを連結の範囲に含めましたが、2024年度データ集計の対象外としています。

日清紡グループの活動事例

ゼロエミッション

日清紡グループ全体で、ゼロエミッション(リサイクル率99%以上)活動を展開しています。廃棄物発生量が年間10 t以上ある拠点のうち、ゼロエミッション達成拠点は32カ所あります。

ゼロエミッション達成拠点

  • 日清紡ホールディングス(株) 中央研究所
  • 日本無線(株) 長野事業所
  • 日本無線(株) 関東物流センター
  • 日本無線(株) 上田物流センター
  • 日本無線(株) 真田倉庫
  • 日本無線(株) 辰巳事業所
  • 日本無線(株) 北海道支社
  • 日本無線(株) 静岡営業所
  • 日本無線硝子(株)
  • JRCシステムサービス(株)九州支店
  • 長野日本無線(株) 本社工場
  • 上田日本無線(株) 本社工場
  • ジェイ・アール・シー特機(株) 本社工場
  • NJコンポーネント(株) 山陽事業所
  • 日清紡マイクロデバイス(株) 川越事業所
  • 日清紡マイクロデバイス(株) やしろ事業所
  • 日清紡マイクロデバイス福岡(株)
  • 日清紡ブレーキ(株) 館林事業所
  • 日清紡メカトロニクス(株) 美合工機事業所
  • 日清紡メカトロニクス(株) 浜北精機事業所
  • Nisshinbo Mechatronics India Pvt. Ltd.
  • NISSHINBO COMPREHENSIVE PRECISION MACHINING (GURGAON)PRIVATE LIMITED
  • 南部化成(株) 本社
  • 南部化成(株) 裾野事業所
  • 南部化成(株) 大井川事業所
  • 九州南部化成(株)
  • 日清紡ケミカル(株) 千葉事業所
  • 日清紡ケミカル(株) 徳島事業所
  • 日清紡ケミカル(株) 土気事業所
  • 日清紡テキスタイル(株) 徳島事業所
  • Nisshinbo Do Brasil Industria Textil LTDA.
  • PT. Naigai Shirts Indonesia

グループ会社における活動事例

使用済みバッテリーリサイクルの実施

(株)HYSエンジニアリングサービスでは、使用済みバッテリーのリサイクル化に取り組んでいます。これまで、全国のお客さまに販売しリプレイスして引き取ってきた使用済みバッテリー(Pb、Li-ion、Ni-MH)の一部を除き、産業廃棄物処理を行っていましたが、2022年度後半から全社でリサイクル化を目指し、対策の検討を開始しました。

社内ルールの策定とリサイクル処理事業者との契約締結を経て、現在では関東甲信越から西側の支店・営業所において、巡回方式により物量を確保し、有価物としてリサイクル処理ができる仕組みを確立しました。

また、巡回ルートの調整により当社支店・営業所ほか、取引先などでの回収も可能としています。リサイクル量の実績は、2022年度は約4 t、2023年度は約39 t、2024年度は約41 t、2025年度1Qで約32 tと推移しています。

今後も保守サービス会社として、このような取り組みを推進しながら、使用済みバッテリー以外の品目のリサイクル拡大も視野に入れて、廃棄物排出量削減に努めていきます。

使用済みバッテリーのリサイクル
使用済みバッテリーのリサイクル

廃プラスチック再利用

日清紡メカトロニクス(株)では、資源の有効利用として廃プラスチックの再利用を進めています。

射出成形品の製造工程では、材料としてガラス繊維などの強化材入り樹脂を多く使用しています。そこで廃棄材料として生じる工程内不良品や、成形時に発生する不要樹脂部を、それぞれ種類別に分別した後、粉砕して原料として再利用しています。

2024年度に粉砕機の追加導入を行い、年間で102 tを再利用することができました。2025年度にも粉砕機を追加増設することで、さらなる再利用量の増加を見込んでいます。

この活動と同時並行で、成形時の不要樹脂を最小限とするための金型改良などや生産工程のカイゼンを進め、廃棄物を極小化した生産活動に向けて取り組んでいきます。

粉砕機
粉砕機

リペレット機増台による廃プラスチック再利用

フィリピンのToms Manufacturing Corporationでは、中古のリペレット機を1台購入し、2024年より3台体制にすることにより、リサイクル材の使用を促進しています。

リペレットとは、生産時に発生するランナーなどの廃プラスチックを粉砕・溶融して原材料化し、リサイクル材として再使用することです。2024年度の廃プラスチック再使用量は281 t/年(2023年度比13 t増加)でした。毎年少しずつですが、再使用量は増加しています。

同社では今後も、持続可能な事業活動を目指して、リサイクル活動を進めていきます。

リペレット機
リペレット機

報告書のペーパーレス化推進

(株)日新環境調査センターでは、お客さまから依頼を受けた検体の分析を行い、分析結果の成果物として報告書を作成し、捺印した報告書を納品しています。

環境に配慮したペーパーレス化推進のために、お客さまへ電子署名付き報告書 「e計量」 による発行提案を進めており、「e計量」での発行件数は、2021年度は273件、2022年度は725件、2023年度は805件、2024年度は661件(紙9,750枚分)となっています。

現在の年間紙使用枚数は約33万枚(2024年度)で、削減効果はまだまだ限定的ですが、「e計量」には紙や書類保管場所の削減、メールでの納品による発送の手間削減や納期の短縮などのメリットもあります。 

社会的な省資源化の動きにより「e計量」などの電子成果物が認知され普及することで、従来紙の使用が主流であった分析業界において、同社だけでなく多くの企業・機関で電子化が推進されていくと考えられます。今後もお客さまのご理解を得ながら、報告書のペーパーレス化を推進していきます。

e計量 報告書見本
e計量 報告書見本

3R実践事業所認定の継続

日清紡ケミカル(株) 徳島事業所では、徳島県が推進する3R(Reduce:廃棄物等の発生抑制、Reuse:再使用、Recycle:再生利用)活動に日清紡テキスタイル(株)、日清紡ケミカル(株)、日清紡ホールディングス(株)の3社が足並みを揃えて取り組んでいます。

日清紡ケミカル(株)の「カルボジライト」の製造工程では、製造のたびに設備を有機溶剤で洗浄する必要があり、多量に発生する廃液を再生業者で蒸留再生していました。

この洗浄用有機溶剤のうち、汚れの少ないものを選別し、再使用することにより、有機溶剤の消費量を3割以上削減することができ、同時に再生処理に伴うエネルギーも削減されました。

これらの取り組みにより、2017年3月に徳島県から「徳島県認定3Rモデル事業所」の認定を受けました。これは「廃棄物等の発生抑制、循環資源の再使用・再生利用の3Rの推進に積極的に取り組み、著しい成果を上げている徳島県内の事業所」を認定する制度で、3年毎に更新審査を受けており、同社は2026年3月まで認定されています。

プレコンシューマーリサイクルとバイオマス原料の活用

日清紡テキスタイル(株) 徳島事業所では、ポリウレタン製品「モビロン」製造・販売プロセスにおいて「GRS認証」を取得しました。

GRSはGlobal Recycled Standardの略で、リサイクル材料を20%以上含む製品に対する国際認証システムです。一般的にポリウレタン製品は原料や製造工程で多くの化学物質が使用されるため、GRSの規制要件を満たすことは、非常にハードルが高いとされていますが、同社はこの厳格な基準をクリアしました。

また、モビロン糸(エーテルタイプ、エステルタイプ)、モビロンテープにてOK biobased(class1)認証を取得しました。当認証は、植物由来(バイオマス)材料をどの程度使用しているかを証明する認証で、class1はバイオベース炭素含有量が20%以上を含む製品です。

認証の取得はあくまでも通過点です。これからも、製造工程で発生した規格外品のプレコンシューマーリサイクル(未使用品の再利用)の実施や、バイオマス原料の活用など、地球環境にやさしいサステナブルな取り組みを進めます。

GRS認証
GRS認証
OK biobased(class1)認証
OK biobased(class1)認証

一般社団法人アップサイクルに参画

ニッシントーア・岩尾(株)は、業界の垣根を超えた各社が連携し、従来のリサイクルの枠を超えた新たな取り組みを展開する一般社団法人アップサイクルに、2023年の設立時から参画しています。

一般社団法人アップサイクルは、“現代および将来の世代のために持続可能な社会の実現”を掲げ、同社や、ネスレ日本(株)、神戸市をはじめとする14の参画企業・団体により設立されました。2024年現在では、48の企業や団体が参画しており、資源や食品残渣のリサイクル率向上を推進し、新たな価値を生み出すことを目指しています。

設立時にスタートしたプロジェクト第一弾「TSUMUGI」は、使用後の紙資源や森林の手入れから発生する間伐材を、紙糸に生まれ変わらせる取り組みです。2024年度は、加賀友禅・会津型・琉球紅型といった、日本が培ってきた伝統工芸とのコラボレーションを通じて、「もったいない」を形にする活動を進め、7月にはパリで開催された「Japan Expo」への出展を果たしました。

また、2024年はプロジェクト第二弾として、会員企業のもつ固体培養技術により、食品副産物を麹としてアップサイクルするプロジェクト「Enz Koji」を開始しました。本プロジェクトでは、本来廃棄されるはずの食品副産物や搾りかすから「麹」を作り、それを原料として製パンした「ポリフェノールたっぷりパン」を、ネスカフェ原宿店にて数量限定で販売しました。

2025年4月には、「TSUMUGI」の直営店舗を会津若松市に開設し、物販に加えて、機織り機や糸紡ぎといった織体験や、草木染・会津型といった体験型のコンテンツを提供しています。

Japan Expoの様子
Japan Expoの様子
Enz Kojiの「ポリフェノールたっぷりパン」
Enz Kojiの「ポリフェノールたっぷりパン」
マネジメントメッセージ
サステナビリティ・
マネジメント
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