サステナビリティ推進計画とKPI

日清紡グループでは2008年度より「CSR計画」を策定し、2016年度にはKPI を定めて活動を進めてきました。また、2022年度からは「サステナビリティ推進計画」と名称を改め、社会と事業のサステナビリティの実現に向けて全従業員が目標に向けて活動しています。

※ KPI︓Key Performance Indicator 業績管理指標、業務評価指標

「第5期サステナビリティ推進計画(2022~2024年度)」の進捗状況

2022年度に始まった「第5期サステナビリティ推進計画(2022年度~2024年度)」では、第4期計画で設定した目標20項目の達成度や実績をもとに計画内容とKPIを見直しました。さらに2023年度より、サステナビリティ経営を目指す当社グループの経営姿勢を社内外に示し活動を推進する目標に改定しました。特に社会分野では、重点活動項目に「人財獲得・育成」と「エンゲージメント」を追加し、かつ各目標項目のKPI見直しと定性目標を設定し、対象範囲も拡大しました。

2023年度末までの活動状況について、「環境経営の推進」では、掲げている目標8項目がすべて順調に進捗しており、そのうち4項目では2024年度目標を前倒しで達成しています。最重要課題であるカーボンニュートラル達成に向けた温室効果ガス排出量削減に関しては、国内外で太陽光発電設備の増設や購入電力の再生可能エネルギー由来電力への切り替えが進み、温室効果ガス排出量が2014年度比で46%削減となり、2030年目標達成の目途が立ってきました。

「人権の尊重」では、2023年8月に「日清紡グループ人権方針」を策定しました。人権方針の周知と理解深耕のため、グループ人権研修として人権方針策定の背景や想い、めざすところについて社長自らがメッセージを伝える動画教材を作成し、全社に配信しました。また、人権方針に基づき、人権デューデリジェンスの取り組みも本格的にスタートさせました。また、「人財獲得・育成」、「ダイバーシティの推進」では、女性管理職比率向上の施策として女性リーダー育成プログラムを開始したほか、性別にかかわらず育児休業を取得しやすい風土づくりにむけて取り組んでいます。

第5期サステナビリティ推進計画

2023年度に改定した目標とKPI、および2023年度実績は以下のとおりです。なお、当社は2023年12月27日に、HVJホールディングス(株)並びにHVJホールディングス(株)の子会社である(株)日立国際電気他7社を連結の範囲に含めましたが、2023年度データ集計の対象外としています。

環境(E) マテリアリティ:環境・エネルギー分野の貢献

重点活動項目 日清紡グループ
の取り組み
目標・KPI
(達成年度2024年度)
対象 2023年度
実績※1
環境経営の推進 「持続可能な社会に貢献する製品」の拡販 売上に占める割合 60%以上 国内外全社 53%
温室効果ガス排出量の削減 2014年度比 35%以上削減 46%
生物多様性保全活動の強化 国内外での展開 新たに5事業所以上 3事業所で
活動中
(2022年度
より累計)
売上当たりの水使用量の削減 2014年度比 65%以上削減 78%
ライフサイクルアセスメント(LCA)※2 の推進 売上に占める割合 60%以上 60%
売上当たりの使用エネルギー削減 2014年度比 15%以上削減 24%
売上当たりの PRTR 対象物質※3 排出量削減 2014年度比 30%以上削減 38%
リサイクル率の改善 リサイクル率 90%以上 88%

社会(S) マテリアリティ:安心・安全な社会づくり

重点活動項目 日清紡グループ
の取り組み
目標・KPI
(達成年度2024年度)
対象 2023年度
実績
人権の尊重 人権啓発活動の推進 (国内)グループ人権研修の実施率 100%
(海外)[定性目標] 人権啓発活動の実施
国内外全社 97%
ビジネスと人権に関する取り組みの推進 [定性目標]
人権方針の策定、人権リスクの高い分野への人権デューデリジェンスの導入・促進
人財獲得・育成 事業推進に必要な経営幹部候補の育成 [定性目標]
経営幹部ポスト(執行役員以上)に占める後継者プログラム受講者率を上げる
全中核会社
人員年齢構成是正のためのキャリア採用強化 [定性目標]
人員年齢構成是正のためのキャリア採用強化
ダイバーシティの推進 グループ全体でのD&I浸透への取り組み [定性目標]
トップメッセージの発信および多様な人財の活躍に資する施策の実施
国内外全社
多様な人財の確保 採用数における女性採用比率
a)キャリア:管理系 50%
b)新卒:事務系総合職 50%
c)新卒:技術系総合職 20%
国内全社※4 a) 25%
b) 50%
c) 23%
多様な人財の活躍推進 キャリア入社管理職比率 11%
(2024年度末時点の目標値)
※2030年までに全正社員に占めるキャリア入社社員比率と同等の比率を目指す。
国内全社※4 15%
女性管理職比率 6%
(2024年度末時点の目標値)
※2030年までに全正社員に占める女性社員比率と同等の比率を目指す。
7.4%
心理的安全性に関する研修実施率 100% 国内全社 99.6%
社員が働きやすい職場環境の整備 年次有給休暇取得率 70%以上 国内全社※4 71%
男性社員の育児休業取得率
対象男性社員の30%以上
100%
エンゲージメント グローバルサーベイの実施 [定性目標]
グローバルサーベイの継続実施
国内外全社
品質・顧客満足度向上 顧客満足度向上施策の継続推進 PL法違反件数 0件 国内外全社 国内外0件
[定性目標]
各セグメントの品質クレームの状況把握、共有
労働安全衛生活動の推進 労働災害の防止 重大災害発生件数 0件 国内外全社 0件
サステナブル調達の推進 調達先と連携したサステナブル調達の改善実施 主要調達先(取引金額80%以上)へのサステナブル調達アンケート結果に伴う改善状況の評価 100% 内部統制評価
重要事業拠点、
および301人以上の
国内会社
計画通り活動
グローバル対応の実施 [定性目標]
海外取引先、重要海外拠点におけるサプライチェーンへの展開方法検討と実施
国内外全社
社内啓発活動の拡充 購買担当者研修(年度別テーマ)の実施率 100% 46%
社員の健康づくり 健康経営の推進 定期健康診断後の精密検査受診率 85%以上 国内全社 76%
ハイリスク者への保健指導実施率 100% 95%
社会貢献活動の展開 地域貢献活動への参画 [定性目標]
地域貢献活動への参画拡大
国内外全社

ガバナンス(G) マテリアリティ:グローバル・コンプライアンス

重点活動項目 日清紡グループ
の取り組み
目標・KPI
(達成年度2024年度)
対象 2023年度
実績
グループ企業理念の実践 グループ企業理念に基づく経営者メッセージの発信 グループ企業理念・VALUE・行動指針の実践推進
(グローバルサーベイでの肯定率 80%以上)
国内全社
サーベイ結果を確認し、海外を含めた肯定率を検討する
国内肯定率68%
コンプライアンスの徹底 コンプライアンス意識の向上 管理職層のコンプライアンス教育受講率 100% 国内外全社 98%
企業倫理通報制度の運用 企業倫理通報への対応率 100% 企業倫理通報制度設置会社 100%
内部統制の強化 内部統制システムの整備・運用 [定性目標]
内部統制システムの継続的な整備・運用
国内外全社
リスクマネジメント活動の推進 外部環境に応じたリスクマネジメントシステムの運用 [定性目標]
外部環境に応じたリスクマネジメントシステムの継続的な運用
国内外全社
情報セキュリティ対策の強化 外的脅威からの防御 [定性目標]
外的脅威への対応強化と従業員への情報セキュリティ教育の継続実施
国内外全社

※1 当社は2023年11月30日にブレーキ事業のうち子会社であったTMD FRICTION GROUP S.A.(以下、「TMD社」)の全株式を譲渡したことなどにより、TMD社他21社を連結の範囲から除外しています。このためTMD社他21社は2023年11月度までのデータを集計対象としています。

※2 ライフサイクルアセスメント︓原材料から生産、使用、廃棄まで製品のライフサイクルをとおした環境負荷量の把握。

※3 PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)対象物質:「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」に基づく制度の対象物質で、排出量・移動量の届出を義務付けられている物質

※4 KPIは日清紡ホールディングスのものを記載しています。