基本的な考え方
日清紡グループは、「行動指針」に環境負荷への認識と配慮を掲げ、自社での省エネルギー対策はもとより省エネ型の技術・製品・サービスを提供し、すべての人びとにとって安全・安心な社会を誠実に実現します。
【主な対策】
- ①ISO 14001の活動を通じ、エネルギーの消費抑制活動を推進
- ②設備更新時に環境配慮型設備を選択、改善活動による省エネルギー対策を持続的に実施
- ③計画的な照明のLED化
- ④新建造する建屋・倉庫へのさまざまな省エネルギー設備導入と、空調で消費するエネルギー削減の追求
推進体制については、「環境マネジメント」にあります「推進体制」の記載をご参照ください。
日清紡グループの具体的な取り組み
第6期サステナビリティ推進計画(達成年度2027年度)
「売上当たりの使用エネルギー削減」 2014年度比 30%以上削減
日清紡グループでは、2027年度を達成年度とする「第6期3カ年環境目標(第6期サステナビリティ推進計画)」において環境経営の推進を重点活動項目とし、「売上当たりの使用エネルギー削減」を推進するために、上記の目標・KPI※ を定めています。
※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標
2025年度使用エネルギーは、売上当たりの使用エネルギーが2014年度比42%削減され、既に2027年度目標に到達しています。省エネルギータイプの設備への更新や照明のLED化を推進したことなどにより、省エネルギー化が進展しています。引き続き、省エネルギー対策活動に継続して取り組みます。
「3カ年環境目標」の概要については「環境マネジメント」をご覧ください
「サステナビリティ推進計画」の概要については「サステナビリティ推進計画とKPI」をご覧ください。
燃料別エネルギー使用量
日清紡グループの2025年度エネルギー使用量実績は、6.26 百万GJと前年度比2%減少しました。売上当たりのエネルギー使用量は、12.47 GJ/百万円となり、前年度比4%減少となりました。各事業ともに省エネルギー対策が順調に推進されたことに加え、繊維事業の減産および繊維事業における不織布事業の撤退が主な要因です。
燃料別では、使用エネルギー全体の85%が電力、8%がガスでした。
エネルギー使用量と売上当たりのエネルギー使用量の推移
※1 当社は2023年11月30日に、連結子会社であったTMDグループを譲渡したことにより、連結の範囲から除外しています。このためTMDグループは2023年11月度までのデータを集計対象としています。
※2 当社は2023年12月27日に、国際電気グループを連結の範囲に含め、2024年度からデータ集計の対象としています。
※3 当社は2024年11月28日に、無線・通信事業における子会社としてARGONICS GmbHおよびARGONAV GmbHを連結の範囲に含めましたが、2024年度データ集計の対象外としています。
事業別エネルギー使用量
事業別でエネルギーを最も多く使用したのはマイクロデバイス事業(1.80 百万GJ 前年度比1%減少)で、次いで繊維事業(1.49 百万GJ 前年度比3%減少)でした。
事業別エネルギー使用量
※1 当社は2023年11月30日に、連結子会社であったTMDグループを譲渡したことにより、連結の範囲から除外しています。このためTMDグループは2023年11月度までのデータを集計対象としています。
※2 当社は2023年12月27日に、国際電気グループを連結の範囲に含め、2024年度からデータ集計の対象としています。
※3 当社は2024年11月28日に、無線・通信事業における子会社としてARGONICS GmbHおよびARGONAV GmbHを連結の範囲に含めましたが、2024年度データ集計の対象外としています。
省エネ法事業者クラス分け評価制度
事業者クラス分け評価制度は、省エネ法に基づき定期報告を提出するすべての事業者をS・A・B・Cの4段階へクラス分けし、事業者自らが省エネ活動の状況を客観的に理解するために行われています。最優良のSクラスは、エネルギー使用原単位の5年度間平均1%以上の低減があった事業者です。この結果は毎年、資源エネルギー庁ホームページで公表されており、今回は、2021年度~2024年度の報告が評価の対象です。
2025年3月に発表された「令和6年度報告(令和5年度実績)による事業者クラス分け評価結果」 では、日清紡グループからは下記9社が最高評価であるS評価を受けました。
最優良のSクラス
- 日清紡ホールディングス(株)
- (株)五洋電子
- 日清紡マイクロデバイス(株)
- 日清紡マイクロデバイスAT(株)
- 日清紡マイクロデバイス福岡(株)
- 日清紡ブレーキ(株)
- 日清紡メカトロニクス(株)
- 南部化成(株)
- 日清紡ケミカル(株)
グループ会社における活動事例
キュービクル式高圧受電設備の負荷統合
日本無線(株) 長野事業所では特別高圧を受電(77 kV)し、各建屋へ6.6 kVで送電しています。
J30棟屋上に設置しているキュービクル式高圧受電設備(高圧電力を受電し構内の負荷設備に適した低圧電力へと降圧するための変電機器)では、変圧器の劣化度と長期修繕計画における更新時期を踏まえ、高効率変圧器への更新の要否について検討しました。その結果、二次側負荷統合のみを2025年6月に実施しました。電灯用トランス6台・動力用トランス6台を電灯用トランス1台・動力用トランス2台へ集約し、軽負荷トランスを統合して負荷率を改善することで無負荷損を低減させました。
これにより年間33.5 MWhの消費電力量削減を見込んでいます。加えて、トランス台数の削減に伴い、保守・点検対象機器の減少による保全工数の低減や、将来の更新・修繕コストの抑制といった効果も期待できます。
オフィス照明のLED化
オランダにあるAlphatron Marineのロッテルダムオフィスでは、蛍光灯をLEDパネルに交換しました。
オフィス全体で500個以上の照明器具が交換されました。これにより、作業スペースの明るさが向上しただけでなく、照明による電力消費も60%以上削減されました。しかし、これは単なるコスト削減だけではありません。オフィスでのLED照明は、従業員の集中力や生産性に良い影響を与えることが科学的に証明されています。さらに、人々の気分や健康は、仕事をする際の照明環境によって影響を受けます。不適切な照明は、頭痛や倦怠感を引き起こす可能性があります。25年前に建設された本社オフィスには200名以上の従業員が勤務しており、今回の改修は極めて重要なものでした。
工事は業務時間内に行われ、業務に大きな支障をきたすことはありませんでした。
ヒートポンプの設置およびオフィスの改修
ノルウェーのProNav ASでは、倉庫で何十年も頑丈なパネルヒーターを使い続けてきたため、より省エネ性の高い機種への更新が必要となりました。また、古いパネルヒーターは曲がっており、このまま使い続けると危険を招く恐れがありました。
地元の販売店に依頼し、ヒートポンプを設置してもらったほか、省エネ効果を最大限に活かすためにタイマー設定も行いました。
さらに、オフィスが27年経過したことにより、改修が必要となりました。そこで、すべてのオフィスの防音性を高め、設備の基準を向上させることにしました。一部のオフィスでは、特定の風向きになると外からの冷気が侵入し、不要な電力消費を引き起こしていました。各オフィスにおける防音と温度管理の効果が抜群です。すべてのパネルヒーターはアプリとタイマーで制御可能です。
次世代環境配慮型冷凍機への更新計画完了
日清紡マイクロデバイス福岡(株)では、空調機および低温冷却水に必要不可欠な冷水を製造する空調用ターボ冷凍機(500RT)を3台設置しています。
その中で2005~6年製の2台が部品供給停止となることから、老朽化・環境(省エネ、地球温暖化防止)対策を図るため、2022~2025年で、ターボ冷凍機2台(R-1・2、6600 V)を次世代環境配慮型ノンフロンインバータターボ冷凍機(R1233zd(E)冷媒、440 V)に更新しました。
2025年2月よりインバータ機2台(R-1・2)を主軸とする稼働を開始し、冷凍機設備全体の2025年度電気使用量は、3,414 Mwh/年でした。効果として、2024年度(4,059 Mwh/年)比で16%(645 Mwh/年削減)、また2023年度(4,426 Mwh/年)比に対し、23%(1,012 Mwh/年削減)の省エネにつながりました。
次の対策は、冷水・冷却水ポンプインバーター化、熱源総合制御システム導入による冷凍機設備全体のシステムCOP(成績係数)改善による省エネを検討中です。
めっき工場のLED照明化による省エネルギー対策
タイのNisshinbo Micro Devices (Thailand) Co., Ltd.では、省エネルギーの取り組みとして工場のLED照明化に取り組んできました(工場全体では、合計3,760本の蛍光灯をLED化済です)。
2023年に統合しためっき工場に対しても2025年度の取り組みとして、2025年1月から4月にかけて計画的に181本の蛍光灯やハロゲンランプをLED化致しました。交換後の効果として、年間22 MWh(10 t-CO2)の電力消費量を削減することができました。
また、休憩室においては照明をLED化するだけではなく、モーションセンサーを設置し、人がいるときのみ照明が点灯するようにし、照明の消し忘れや不要時の消灯を行えるようにしました。
エネルギー使用量の削減
中国の日清紡賽龍 (常熟) 汽車部件有限公司では、設備運用の見直しや改善を通じて、エネルギー使用量の削減に継続的に取り組んでいます。
素押し室および混合室の空調については、毎年3月および11月は空調を運転する必要がないことから、これまで当該期間中も稼働させていた内部循環ファンを、改善策としてすべて停止する運用に変更しました。品質管理部門による確認の結果、温度および湿度の管理に問題がないことが確認されています。この取り組みにより、年間90 MWhの電力削減効果が見込まれます。
TLラインにおいては、冬場に冷却ファン4台すべてを運転する必要がないことから、運転台数を2台に削減する改善を行っています。製品冷却後の温度についても、現場の生産要件を十分に満たしていることを確認しています。現在は、周辺温度センサーを追加することで、環境温度に応じて冷却ファンの運転台数を自動制御する仕組みを導入しています。この取り組みにより、年間26 MWhの電力削減が見込まれます。さらに、TLラインの加熱部外殻に遮熱シートを貼付することにより、熱損失を低減し、天然ガスおよび電力使用量の削減を図っています。遮熱シート貼付後は、TLラインの年間実稼働日数に基づいて削減効果を算出しています。本改善により、天然ガス使用量を年間30 千m3削減できる見込みです。
工場設備の省エネルギー化
中国の日清紡メカトロニクス (上海) 有限公司での、主な取り組みとして、設備電源装置のインバータ化および照明のLED化を進めています。
インバータ化は2種類の設備で実施しており、レンズ工場の空調設備では電気使用量が23.9 kWhから9.8 kWhへ削減され、14.1 kWh(約41%)の削減効果を確認しています。また、コンプレッサーの更新により18.3 kWhから12.0 kWhへと6.3 kWh(約34%)削減しています。
照明のLED化は品質保証課、製造課バランス工程および超音波溶着工程の照明の一部実施に留まっていますが、今後の全面展開に向けた検証を進めています。効果測定は未実施のため、2026年度に改めて評価を行う予定です。
引き続きエネルギー使用量の監視を継続し、省エネ化のさらなる推進に努めていきます。
コンプレッサーの省エネルギー対策
中国の日清紡科恒精密機械 (揚州) では、老朽化により効率が低下していた省エネ等級2級のコンプレッサー6台を、2025年5月にすべて省エネ等級1級の高効率設備へ更新しました。
新設備は6月より稼働を開始し、同年12月末までの7か月間において、コンプレッサーの電力使用量を前年同期比で251.6 MWh削減しました(2024年6~12月:2,936 MWhから2025年6~12月:2,684MWh)。また、入力比動力についても、更新前の7.3 kW(m3/min)から5.9 kW(m3/min)へと大幅に改善しています。
これらの取り組みにより、CO2排出量を105.7 t削減することができました。今後も設備の計画的な更新および運用改善を通じて、省エネルギーと環境負荷低減の取り組みを継続的に推進していきます。
設備更新による省エネルギー化
南部化成(株) 大井川事業所では、2024年度に引き続き、設備更新を通じた省エネルギー化に取り組みました。
3台あるコンプレッサーのうち1台を更新し、2025年12月より運用を開始しました。この設備更新により、年間12.5 MWhの電力使用量削減を見込んでいます。また、20号機、24号機およびペレタイザーに設置されている盤クーラー3台を更新し、2025年2月より稼働を開始しました。これらの更新による年間の電力削減量は合算で10.4 MWhとなっています。
このほかにも、年間を通じて複数の省エネルギー施策を実施しています。また、大井川事業所では省エネルギー巡視活動にも取り組んでいます。毎月、数人ずつのグループに分かれて工場内を巡回し、照明やエアコンの電源の切り忘れの確認、フィルター交換状況の点検、エアー漏れ箇所の指摘などを行いました。こうした日常的な取り組みを継続することで、省エネルギー意識の向上とエネルギー使用量の削減につなげています。
成形機更新による電力削減
フィリピンのToms Manufacturing Corporationでは、2025年3月に160 tの油圧ハイブリッド機を180 tの電動機、同年10月に180 t油圧機を180 t電動機の射出成形機に更新しました。
油圧機から電動機への老朽更新は、主に油圧機は、油圧ポンプ稼働用モーターが常時稼働しているのに対し電動機は必要な時だけモーター稼働するため電力量削減されます。ほかにも精度の高さから、工程のスピードアップによる電力削減、工程内不良率低減による廃棄プラスチック削減などにも寄与しています。これにより約130 MWh/年の電力量削減ができました。また、この更新活動を通し従業員に改善の意義を理解してもらい、モチベーション向上にもつなげています。
油圧機から電動機への更新を定期的に継続することで、社内採算の向上を行うともに、会社全体の電力消費量を削減し社会貢献に寄与していきます。
カイゼン活動によるエネルギー削減
日清紡ケミカル(株) 徳島事業所では、樹脂添加剤「カルボジライトⓇ」を反応釜で製造しています。
2025年度は、カイゼン活動による収益向上のテーマのもと、エネルギー削減についてチームで活動を行い、洗浄工程短縮・カルボジイミド化工程温度UPおよび製造所内照明LED化への省エネルギーに取り組みました。
洗浄工程短縮では洗浄後の反応釜からタンクへ洗浄液を戻す際のタンク液面推移データを分析することにより、液切時間を1バッチ当たり30分短縮しました。活動の結果、2025年度製造実績から電力換算で合計7.4 MWhの削減を達成しました。
カルボジイミド化工程温度UPでは加熱設定温度を上げて主原料の加熱反応を促進させて残存NCO量を減らす取り組みを行いました。活動の結果、2025年度製造実績から電力換算で合計8.8 MWhの削減を達成しました。
製造所内照明LED化では作業者の拘束時間が長い1階原料室・合成室などの照明をLED化した結果、年間電力量17.0 MWhを削減しました。