事業ポートフォリオの変遷

日清紡グループでは、事業を通じて人類社会に貢献することがわたしたちの使命であると考えています。変化に挑戦し続けながら「環境・エネルギーカンパニー」グループとして企業価値の向上を目指していきます。

事業ポートフォリオの変遷
 
1907

高級綿糸の大量生産を担う紡績会社として創業

財界の有力者を含む76名が発起人となり、日清紡績株式会社(現 日清紡ホールディングス株式会社)が設立された。当時、業界最大手に並ぶ規模の最新鋭の紡績機械を導入したことは、海外からの高級綿糸に真正面から挑戦することを意味していた。

 
 
1940年代~1960年代

戦後の生活物資需要に応えて
事業の多角化を推進

戦後の復興、高度経済成長の流れの中でブレーキ、化学品といった非繊維部門の業容が拡大し、1960年には売上高で1割以上を占めるようになっていた。非繊維部門の新規事業の充実発展、関連事業の育成培養を基本方針に掲げ、本格的に「経営の多角化」を加速した。

1960年度の売上高比率
(単体)

229
億円

1960年代後半~1980年代

モータリゼーションを背景に
ブレーキ事業を拡大

日本のモータリゼーションの波に乗り、ブレーキ事業を急速に拡大。1988年にはブレーキ事業の売上高が全体の1割以上を占めるようになった。
その他精密機器事業、化学品事業などの非繊維部門では新工場建設や設備増強など積極的な投資を行った。

1980年度の売上高比率
(単体)

1,629
億円

1990年代

円高を踏まえて事業のさらなる多角化と
海外進出を推進

1985年のプラザ合意以降、円高は進行を続け、繊維業界は輸出型から輸入型への転換を余儀なくされ、さらに不況による衣料需要の不振が重なり、事業再構築を迫られることになる。
当社では、より一層の事業の多角化と、新規事業を積極的に展開するため、繊維部門・非繊維部門ともに海外への進出を活発化。1990年には非繊維部門の売上高が初めて全体の50%を超えた。

1990年度の売上高比率

2,690
億円

2000年代

情報化社会の到来に備えて
エレクトロニクス分野に注力

どの産業も社会や生活環境の変化を読み取りながら、グローバルな視点で事業を展開する時代となった。当社も企業価値向上の増大を目指し、生産拠点の海外シフトが加速した。一方、これからの情報化社会をにらみ、エレクトロニクス事業(現在の無線・通信事業、マイクロデバイス事業)を当社グループの戦略的コア事業とすべく、2006年にTOBにより新日本無線(株)〔現 日清紡マイクロデバイス(株)〕を子会社化した。その結果、2007年には非繊維部門の売上高が4分の3以上を占めるようになった。

2000年度の売上高比率

2,335
億円

2010年代

積極的な事業ポートフォリオ変革を推進

2010年に日本無線(株)を子会社化したことで、売上高の約4割を無線・通信事業とマイクロデバイス事業で占めるようになり、名実ともに当社グループのコア事業となった。さらにブレーキ事業は、2011年に欧州のTMD Friction Group S.A.をM&Aで傘下に収め、摩擦材で世界トップクラスのグローバルサプライヤーに成長。
その後も紙製品事業など一部事業の譲渡やM&Aによるモビリティビジネスの強化を図り、事業ポートフォリオの変革も積極的に行っている。

2019年度の売上比率

5,097
億円

2020年代~現在

名実ともにエレクトロニクスの会社に

マイクロデバイス事業ではアナログソリューションプロバイダへ進化するため、2022年に新日本無線(株)とリコー電子デバイス(株)(2018年 子会社化)を統合し、日清紡マイクロデバイスを設立。さらに2023年には無線・通信事業におけるソリューションビジネスの収益基盤を固め、成長戦略を加速させるため、(株)日立国際電気を子会社化するなど、事業ポートフォリオ変革を推し進めた結果、2024年以降、エレクトロニクス事業が全体の60%を超える見込みである。
一方、ブレーキ事業は銅規制対応摩擦材で市場のトップランナーとしてシェアを拡大している。

2023年度の売上高比率

5,412
億円