トップメッセージ

センシング・無線通信・情報処理技術で社会課題にソリューションを提供し、企業価値を高めてまいります

日清紡グループは「事業活動を通じて社会に貢献する」ことを使命とし、常に変化しています。企業理念「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」の下、「『環境・エネルギーカンパニー』グループとして超スマート社会を実現する」を事業方針に掲げています。

気候変動リスクの高まり、人口動態の変化、デジタル社会の発展など中長期的な事業環境の変化や機会に対し、当社グループは、「つなげる技術で価値を創る(Connect Everything, Create Value)」姿を目指し、センシング・無線通信・情報処理技術で、社会課題へのソリューションを提供していきます。そのための重点施策として、「事業ポートフォリオ変革の追求」、「将来の成長に向けたビジネスモデル構築と経営資源の重点投入」、「経営基盤の更なる強化による経営リスクの低減」を掲げます。
2023年には、無線・通信事業とブレーキ事業において大幅にポートフォリオを入れ替え、無線・通信、マイクロデバイス事業を核として、更なる成長を目指す姿勢を明確にしました。この結果、2024年にはエレクトロニクス関連事業の売上構成比率が60%を超える見通しです。今後も「事業ポートフォリオ変革」を推し進め、無線・通信とマイクロデバイス事業においてM&Aを含めた成長投資を積極的に行います。併せて、企業理念との整合性や成長性、事業面・資本面の収益性を総合的に評価し、事業の見極めを加速していきます。

自動車のxEV化や自動運転、船の自律航行といったモビリティの劇的変化に対応し、遠隔医療や見守りサービスを実現するのが無線・通信およびマイクロデバイスの世界です。まずは異常気象という目の前の課題に、防災無線やセンサーネットワークを提供して災害から人びとの命を守ります。そして、AIと連携した通信システムで、環境問題にソリューションを提供してまいります。さらに、レーダやGPS、超音波センサ、マイクロデバイスモジュールやユニット等、モノづくりで極めた技術や製品を活用しデジタルサービス事業へと領域拡大を進めます。
こうした事業活動により、地球環境を守り・改善するサステナビリティ経営を推進することが、当社グループの持続的成長につながると考えます。そして、付加価値の総体としての利潤を増やすことで、顧客・株主・従業員・取引先・地域社会などさまざまなステークホルダーの期待に応えてまいります。
そのためにも、既存事業の利益率向上に努め、M&A・事業譲渡といった手法も駆使しながら事業ポートフォリオの変革をすすめると共に、ビジネスモデルの転換による収益性の向上を図ることにより、PBRの改善・向上を目指します。
今回開示した中期経営計画では、2026年に達成を目指す連結の財務目標として、売上高5,800億円、営業利益380億円、営業利益率6.5%、ROE10%、ROIC6%、D/Eレシオ0.7倍以下、配当性向40%を掲げました。

また、2030年に温室効果ガス排出量を50%削減(2014年比)し、2050年までにカーボンニュートラルを実現するという環境目標の達成に邁進すると同時に、イノベーションの源である多様性とイノベーションの加速装置であるDXにより、事業の変革と成長を目指します。さらには遵法に止まらず、人としての倫理に基づき行動することを旨とし、粘り強く人権デューデリジェンスやD&I活動を推進し、事業の多様性・人の多様性・価値観の多様性を強みとして企業価値向上に取り組んでまいります。

これからも変化をチャンスと捉え、成長し続ける日清紡グループにご期待ください。

日清紡ホールディングス株式会社
代表取締役社長 村上 雅洋