トップメッセージ

事業の多様性、人の多様性、価値観の多様性で、企業価値の向上に取り組みます。日清紡ホールディングス株式会社 代表取締役社長 村上 雅洋

 日清紡グループは、「事業活動を通じて社会に貢献すること」を使命とし、企業理念「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」のもと、気候変動への要請の高まり、人口動態の変化、デジタル社会の発展など中長期的な事業環境の変化や機会に対し、「つなげる技術で価値を創る(Connect Everything, Create Value)」ことを目指し、センシング・無線通信・情報処理技術で、社会課題へのソリューションを提供していきます。

 そのための重点施策として、「事業ポートフォリオ変革の追求」、「将来の成長に向けたビジネスモデル構築と経営資源の重点投入」、「経営基盤の更なる強化による経営リスクの低減」を掲げています。

 2023年には、無線・通信事業とブレーキ事業において大幅にポートフォリオを入れ替え、無線・通信、マイクロデバイス事業を核として、更なる成長を目指す姿勢を明確にしました。今後もビジネスモデル転換による収益性の向上を追求し、無線・通信事業を中心にデジタル技術を活用したビジネスモデルへシフトし、収益性の向上を目指します。併せて、企業理念との整合性や成長性、事業面・資本面の収益性を総合的に評価し、事業の見極めを加速していきます。
 収益性の向上のための最優先課題は、無線・通信事業の構造改革です。無線・通信事業のビジネスは、公共インフラ事業や防衛関連事業を主体とする官公需ビジネスと民需ビジネス、それを支えるEMS(電子機器受託製造)に分かれますが、特に公共インフラ事業や防衛関連事業を主体とする官公需ビジネスにおいて、日本無線グループと国際電気グループの高シェア分野に重複が少なく、短期間のうちに両グループのシナジー発揮が可能で早期の収益性向上が期待できます。

 地球温暖化で自然災害は激甚化するなど人々の暮らしに大きな影響を及ぼしますが、無線・通信技術を中心とするこうした活動で、人々の安全・安心のため、社会課題に貢献することを志として、顧客・株主・従業員・取引先・地域社会等、さまざまなステークホルダーの期待に応えてまいります。

 サステナビリティ経営に関して、2030年に温室効果ガス排出量を50%削減(2014年比)し、2050年までにカーボンニュートラルを実現するという環境目標の達成に邁進すると同時に、イノベーションの源である多様性とイノベーションの加速装置であるDXにより、事業の変革と成長を目指します。また、遵法に止まらず、人としての倫理に基づき行動することを旨とし、粘り強く人権デューデリジェンスやD&I活動を推進し、事業の多様性・人の多様性・価値観の多様性を強みとして企業価値向上に取り組んでまいります。

 これからも変化をチャンスと捉え、成長し続ける日清紡グループにご期待ください。

日清紡ホールディングス株式会社
代表取締役社長 石井 靖二