統合報告書ハイライト

日清紡グループは「環境・エネルギーカンパニー」として、グループ各社の技術を応用することで、環境関連製品の開発を進めています。国連で採択されたSDGsにも多くの環境ファクターが盛り込まれるなど、グローバルな環境意識がますます高まりつつある中、これまで培った技術を結集し、環境問題解決へのソリューションを提供します。

Environmentカテゴリー

関連するSDGs項目

銅規制対応ブレーキ摩擦材

米国での環境規制により、2021年以降銅含有量5%以上、2025年以降銅含有0.5%以上の摩擦材製品の販売および新車への組み付けが禁止されます。今後、米国以外の地域においても、銅レス・銅フリー摩擦材の需要が増加すると予想され、2020年以降、当社グループにおいて銅レス・銅フリー摩擦材の受注量が、既存の摩擦材を上回る見通しです。当社グループでは競合他社に先駆けて、グループ一丸となって銅レス・銅フリー摩擦材開発に取り組み、2017年よりすでに本格的な市場投入を開始しています。日清紡ブレーキ(株)の館林事業所およびアメリカなどの海外拠点において、銅レス・銅フリー製品の生産設備を順次強化していきます。今後の需要増に備えて量産体制を構築するとともに、市場からのフィードバックを反映しながら、さらなる市場シェアの拡大を目指します。製品ラインナップの拡充も進め、環境保護への貢献を通して業容拡大を図ります。

カルボジライト

カルボジライトの売上実績および計画

カルボジライトはポリカルボジイミドをベースとした、当社グループが開発した高機能性樹脂素材です。水性、油性、粉体グレードのほか、カルボジライトを添加した接着剤などを展開しており、化学反応性や低毒性といったユニークな特徴を利用し、塗料・インクや各種樹脂(ポリエステル系樹脂、生分解性プラスチック、ポリウレタンエラストマーほか)に配合することで、耐久性や密着性などの諸物性を向上させる添加剤として使用されています。自動車、重防食、建築塗料やインク業界では、国内外のVOC(揮発性有機化合物)規制や環境負荷低減により、水性で安全性が高く、乾燥工程の低温化が期待できるカルボジライトの需要が高まっています。さらに欧州を中心に非分解性プラスチックの使用規制が進み、代替品として生分解性プラスチックの需要が膨らんでいます。カルボジライトは、生分解性を損なわず耐久性の向上が可能であることから、生分解性プラスチックの適用範囲が広がるため採用実績が増えており、需要増が期待されています。生産拠点としては、現在の徳島事業所に加え、海外も視野に入れた拠点拡充を計画しています。

水処理担体

工場などの排水の浄化には一般的に微生物を利用しますが、その力をより効果的に発揮させるのが日清紡ケミカル(株)の水処理用微生物固定化担体APG(AQUAPOROUSGEL)です。APGは排水になじんで素早く沈降する、表面積の大きいユニークなスポンジ担体で、多くの微生物が住みつくことができるため高い浄化能力があります。日本の大手浄化槽メーカーにも採用されており、高い評価を得ています。

現在APGは国内のみならず、中国の分散型排水処理施設や工場排水処理施設、フィリピンの公共下水処理場のほか、ベトナム、タイ、台湾などアジア諸国の水の浄化に貢献しています。特に中国では大きな国土と人口により大気・水に対する環境問題が深刻化しており、罰則規定の強化が進んでいます。こうした法規制への対応に迫られる汚水処理市場において、水処理担体の需要の急拡大が見込まれます。有力な現地メーカーとの連携を強化し、現地生産・販売網の構築により事業拡大を図ります。

水処理担体の仕組み

浄化槽とAPG
水処理担体:APG

ガラス状カーボン

ガラス状カーボンの加工品
ガラス状カーボンの売上実績および計画

自動車の電動化・電装化が進み、IoT、AIの普及拡大に伴う高性能半導体の増加や、スマートフォンほかの有機EL採用の拡大により、ガラス状カーボン製品の需要が高まっています。当社グループのオンリーワン技術であるガラス状カーボンコートは、黒鉛の持つ高い耐熱性や、導電性など発塵や気体・液体の透過を抑える特徴を付与することができ、幅広い市場をターゲットとして多様な製品形態に対応できる点が強みです。これまでガラス状カーボン製品は半導体用途が主体でしたが、スマート社会に不可欠なネオジム磁石や曲面ガラスの製造治具向けの開発が進んでいるほか、既存部材との入れ替えの動きもあり、今後の用途の広がりが期待できます。2025年に25億円の売上目標を設定し、顧客への積極的な提案と生産キャパシティの拡大、リードタイム短縮に取り組みます。また、革新的な生産技術の研究を進め、将来に向けた生産体制の構築を開始します。