業績ダイジェスト

2020(令和2)年12月期

(はじめに)
 当連結会計年度の当社グループの売上高は、分譲事業が好調であった不動産事業は大幅な増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による影響を受けたマイクロデバイス事業、ブレーキ事業、精密機器事業および繊維事業が減収となったこと等により457,051百万円(前年同期比52,609百万円減、10.3%減)となりました。
 営業利益は、売上減少等により1,248百万円(前年同期比5,234百万円減、80.7%減)となり、経常利益も、持分法による投資利益の減少や為替差損等の要因により3,466百万円(前年同期比8,237百万円減、70.4%減)となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益や固定資産売却益等の特別利益の増加に加え、減損損失等の特別損失が減少したことにより13,540百万円(前年同期比20,144百万円改善)となりました。
 主要な事業セグメントの業績は下記のとおりです。セグメント利益またはセグメント損失は営業利益または営業損失ベースの数値です。

2020年12月期セグメント別売上高構成比率

無線・通信事業

 ソリューション・特機事業は、コロナ禍による海外案件の工期延期や航空・気象システムの大型案件一巡等があったものの、水・河川システムが好調に推移するなど防災・減災に資する官公需は底堅く推移したことで売上は前年同期並みとなり、外注加工費等の費用減も進んだことで増益となりました。
 マリンシステム事業は、船舶の建造隻数減少に伴う商船新造船向け機器の価格競争激化による売上減に加え、コロナ禍による社会経済活動停滞と稼働船舶減少に伴う海外中小型船向け機器や換装向け機器の売上減により減収となりましたが、費用減により損失縮小となりました。
 通信機器事業は、コロナ禍の影響で車載関連製品の売上が減少したことにより減収・減益となりました。
 ICT・メカトロニクス事業(旧メカトロニクス・電源事業、2020年1月1日より名称変更。)は、2019年7月に連結子会社化したNJコンポーネント㈱による売上寄与がありましたが、コロナ禍の影響により欧米市場向けメカトロニクス機器の売上が減少したため減収・減益となりました。※ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)
 その結果、無線・通信事業全体では、売上高144,312百万円(前年同期比5.2%減)、セグメント利益2,575百万円(前年同期比37.2%減)となりました。
 なお、日本無線㈱の通信機器事業に関しては、JRCモビリティ㈱へ事業移管を段階的に進めました。2020年1月にGPS受信機やETC車載器等を扱うITS事業の移管を終え、2021年1月には業務用無線等の事業を移管します。事業の受け手であるJRCモビリティ㈱は、2020年4月に大手自動車メーカーの車載機器の開発支援を行っているドイツの現地法人RBI GmbHおよびLEAS GmbHを取得し、戦略的事業領域である「モビリティ」領域の事業拡大・成長を見据えています。これら組織再編により、日本無線㈱の通信機器事業は発展的に解消し、2021年よりJRCモビリティ㈱を主管会社とするモビリティ事業とする予定です。※ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)

マイクロデバイス事業

 主力の電子デバイス事業は、家庭用ゲーム機やイヤフォン等において巣ごもり需要が発生したことからアミューズメント関連製品の売上は増加しましたが、コロナ禍に起因する各国のロックダウン等により顧客が工場の稼働を停止するなどサプライチェーンの機能不全が発生した影響を受け、車載用製品、コンシューマ関連製品および通信関連製品の売上は減少したことにより、減収・減益となりました。
 マイクロ波事業は、マリンレーダ関連の補用部品やセンサー関連製品は堅調に推移したものの、衛星通信関連製品の受託生産の終了等により減収・減益となりました。
 その結果、マイクロデバイス事業全体では、売上高61,140百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント損失3,895百万円(前年同期比4,151百万円悪化)となりました。

ブレーキ事業

 ブレーキ事業が大きく影響を受けるグローバルの自動車生産台数は、コロナ禍により前年比で大きく落ち込む結果となりました。特に当連結会計年度前半は各国のロックダウンや顧客の稼働停止といった事態が発生しました。年央より中国市場において改善が見られたものの、その他の国や地域はコロナ禍からの回復状況が異なります。依然、コロナ禍による影響は続いており、サプライチェーンの維持が課題となっています。
 このような状況下、国内、米国、韓国およびタイ子会社は減収・減益となりました。中国では販売好調であった日系カーメーカーを主な顧客とする子会社が、コロナ禍から早期に回復するとともに新規ビジネスも受注し増収・増益となりました。欧州を中心とするTMD社は、新車組付用摩擦材、アフターマーケット向け摩擦材ともにコロナ禍による影響を受け減収となりましたが、年央以降のアフターマーケットの販売回復、経費削減活動、原価改善活動の成果により損失が縮小しています。
 その結果、ブレーキ事業全体では、売上高114,826百万円(前年同期比12.6%減)、セグメント損失2,289百万円(前年同期比1,050百万円改善)となりました。

精密機器事業

 自動車用精密部品は、コロナ禍による顧客の操業停止や生産調整等により減収・減益となりました。空調機器向け製品等を扱う成形品は、前年同期の一時的な需要増の反動や家電関連顧客からの受注減に加え、コロナ禍による顧客の操業停止や生産調整等により減収・減益となりました。
 その結果、精密機器事業全体では、売上高51,419百万円(前年同期比21.4%減)、セグメント損失948百万円(前年同期比1,827百万円悪化)となりました。

化学品事業

 断熱製品はコロナ禍による市況低迷の影響で減収となりましたが、経費削減や高採算製品の売上増により前年同期並みの利益となりました。機能化学品は環境配慮型製品である粉状改質剤の売上増により増収・増益となり、燃料電池用カーボンセパレータも海外定置用や車載用試作品の売上増により増収・増益となりました。
 その結果、化学品事業全体では、売上高9,577百万円(前年同期比2.0%増)、セグメント利益1,811百万円(前年同期比9.8%増)となりました。

繊維事業

 国内は、医療マスク用モビロンテープの販売は増加したものの、ビジネス衣料品需要の減退によりシャツ用生地の販売が落ち込んだことや、東京シャツ㈱が新型コロナウイルス感染症拡大防止のための店舗の一時閉鎖や営業時間短縮によって、再開後も都心部を中心に販売が低迷したこと等により減収・減益となりました。海外も、販売の落ち込みにより減収・減益となりました。
 その結果、繊維事業全体では、売上高33,957百万円(前年同期比31.4%減)、セグメント損失812百万円(前年同期比1,849百万円悪化)となりました。

不動産事業

 賃貸事業は前連結会計年度において大型商業施設用建物(愛知県)を販売したことにより減収・減益となりましたが、分譲事業は東京都三鷹市のマンション販売を開始したことに加え、愛知県岡崎市の宅地販売により大幅な増収・増益となりました。
 その結果、不動産事業全体では、売上高20,279百万円(前年同期比74.0%増)、セグメント利益11,511百万円(前年同期比41.0%増)となりました。