業績ダイジェスト

2018(平成30)年12月期

(はじめに)
当連結会計年度は、決算期変更に伴い、当社並びに3月決算であった連結対象会社は2018年4月1日から2018年12月31日の9カ月間を、2月決算であった連結対象会社は2018年3月1日から2018年12月31日の10カ月間を、12月決算であった連結対象会社は2018年1月1日から2018年12月31日の12カ月間を連結対象期間とする変則的な決算となっています。そのため参考値として、当連結会計年度と同一期間となるように組み替えた前年同期による比較情報を「調整後前年同期比」として表記しています。

当社グループは今後の成長が見込まれる車載、IoT分野を中心に半導体・マイクロデバイス事業の拡充を加速させるため、2018年3月にアナログ電源ICを主力とするリコー電子デバイス(株)が発行する株式の80%を取得し連結子会社としました。同社の経営成績(損益計算書)およびのれんの償却は、当連結会計年度より反映しています。
当連結会計年度の当社グループの売上高は、ファウンデーションブレーキ事業を譲渡した影響等によりブレーキ事業は減収となったものの、エレクトロニクス事業においてリコー電子デバイス(株)を連結子会社化したこと等により、416,221百万円(調整後前年同期比2,885百万円増、0.7%増)となりました。営業損益は、ブレーキ事業におけるTMD社のアフターマーケット向け製品の販売が減少したこと等により、2,505百万円(調整後前年同期比10,301百万円悪化)の営業損失となり、経常利益も1,566百万円(調整後前年同期比11,057百万円減、87.6%減)となりました。また、経常利益の減少に加え前年同期に計上した紙製品事業の譲渡による関係会社株式売却益や不動産事業における固定資産売却益が当連結会計年度では計上がないこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は7,182百万円(調整後前年同期比27,718百万円悪化)となりました。
なお、当社グループは、エレクトロニクス事業の日本無線(株)による官公庁・自治体等向け機器の売上および利益が1月から3月に偏重しているため、4月から12月の売上および利益は相対的に低い傾向にあります。
主要な事業セグメントの業績は以下のとおりです。セグメント利益またはセグメント損失は営業利益または営業損失ベースの数値です。

2018年12月期セグメント別売上高構成比率 不動産事業 繊維事業 化学品事業 精密機器事業 ブレーキ事業 エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業は、日本無線(株)を中心として防災システムや監視システム等の社会インフラ関連製品や船舶・自動車等の移動体通信機器等を展開する「無線・通信事業」と、新日本無線(株)とリコー電子デバイス(株)によりアナログ半導体やSAWフィルタ等の電子デバイス製品やマイクロ波製品を展開する「マイクロデバイス事業」とで構成されています。
無線・通信事業(売上高90,427百万円)は、マリンシステム事業のアフターマーケット向け機器やソリューション・特機事業の大型防災システムが低調に推移したものの、メカトロニクス・電源事業の情報機器や事務機器および通信機器事業の自動車用ITS(高度道路交通システム)等は好調を維持し増収となりましたが、固定費が増加したこと等により損失拡大となりました。マイクロデバイス事業(売上高53,776百万円)は、新日本無線(株)のスマートフォン関連向け半導体が低調だったものの、船舶用衛星通信コンポーネント等のマイクロ波製品は好調に推移し、前連結会計年度末に連結子会社化したリコー電子デバイス(株)の寄与もあり増収・増益となりました。その結果、エレクトロニクス事業全体では、売上高144,204百万円(調整後前年同期比14.2%増)、セグメント損失4,904百万円(調整後前年同期比1,281百万円悪化)となりました。
なお、エレクトロニクス事業においては、2018年9月に当社による新日本無線(株)の完全子会社化が完了しています。同社は車載・産業機器向けビジネス領域の拡大に注力しており、今回の完全子会社化により、モビリティ分野において無線通信技術に電子デバイス・メカトロニクス・ケミカル技術を融合しグループ横断的に事業を拡大している当社との相互アクセスを活発化させ、グループ全体で成長を加速し企業価値を向上させます。
また、当社グループはモビリティ事業に特化した子会社であるJRCモビリティ(株)を2018年4月に設立しました。当社グループはADAS(先進運転支援システム)ビジネスへの参入を打ち出しており、グループの無線通信技術やマイクロデバイス技術など多様な技術や知見を融合させることにより、自動運転や電動化、コネクテッドといった自動車分野に留まらず、船舶や航空機なども含めたモビリティ分野全般においてビジネスを展開していきます。

ブレーキ事業

国内自動車販売は、軽自動車以外は新車効果が一巡した影響等があるものの、軽自動車は新車効果等により堅調に推移しており、新車販売合計では前年比で増加しました。国内事業は、新製品の立ち上がりによる売上増はあるものの、ファウンデーションブレーキ事業を譲渡したこと等により減収・減益となりました。
海外では、韓国子会社は顧客カーメーカーの販売減に伴い減収ながらも経費削減等により増益となりました。米国子会社は自動車販売の好調、新製品の立ち上がりによる売上増等はあるものの、北米市場におけるセダン販売比率減少等による商品構成の変化に伴い減収・減益、中国子会社も自動車販売縮小の影響等により減収・減益、タイ子会社もファウンデーションブレーキ事業を譲渡したこと等により減収・減益となりました。TMD社はドイツの製品倉庫移転に伴う出荷遅延によるアフターマーケット向け製品の販売減や人件費増等により減収・減益となりました。
その結果、ブレーキ事業全体では、売上高135,007百万円(調整後前年同期比9.4%減)、セグメント損失813百万円(調整後前年同期比7,035百万円悪化)となりました。

精密機器事業

自動車向け精密部品加工は、中国子会社の事業拡大に伴い増収となりましたが、設備投資に伴う減価償却費増加等の影響で減益となりました。プラスチック成形加工は、自動車向け製品が好調な南部化成(株)が増収・増益となったことや中国子会社とインド子会社の売上増等により増収・増益となりました。
その結果、精密機器事業全体では、売上高62,219百万円(調整後前年同期比1.6%増)、セグメント利益1,690百万円(調整後前年同期比5.4%減)となりました。

化学品事業

断熱製品は硬質加工品の大型案件が終了したこと等により減収となりましたが、高付加価値品の比率向上により増益となりました。燃料電池用カーボンセパレータは海外定置用、車載用の売上増により増収・増益、機能化学品も粉状改質剤が堅調に推移し増収・増益となりました。
その結果、化学品事業全体では、売上高8,173百万円(調整後前年同期比3.5%増)、セグメント利益1,664百万円(調整後前年同期比19.3%増)となりました。

繊維事業

国内は、超形態安定シャツ用生地、ユニフォーム用生地および化粧品雑貨用不織布等の販売が増加し、東京シャツ(株)のシャツ販売も堅調に推移しましたが、海外向けスパンデックス糸等の販売が低調となったことやニッシントーア・岩尾(株)のアパレル向け衣料品等が振るわなかったこと等により減収・減益となりました。
海外では、インドネシア子会社は販売が堅調に推移し増収・増益となりました。ブラジル子会社は販売が堅調に推移しましたが原綿高騰によるコストアップ等により現地通貨ベースでは増収・減益となり、為替換算後は円高の影響により減収・減益となりました。
その結果、繊維事業全体では、売上高43,659百万円(調整後前年同期比2.2%減)、セグメント利益1,250百万円(調整後前年同期比31.3%減)となりました。

不動産事業

宅地分譲事業は川越事業所跡地(埼玉県)の宅地分譲が終了したこと等により減収・減益となりました。賃貸事業は前連結会計年度に大型商業施設1棟を売却した影響等により減収・減益となりました。
その結果、不動産事業全体では売上高4,236百万円(調整後前年同期比22.4%減)、セグメント利益2,681百万円(調整後前年同期比27.7%減)となりました。