日清紡グループのESG活動

日清紡グループは、長期持続的な企業価値向上のため、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)を意識した事業活動を推進しています。

全世界へとはばたく「知の拠点」
日本無線(株)長野事業所の先端技術センター

日清紡グループが戦略的事業領域と位置付ける「無線・エレクトロニクス」分野の中核である日本無線(株)が、東京都三鷹市から長野市に技術開発拠点を移して2年が経ちました。同社は1915年の創業以来、通信・情報機器の分野を開拓してきました。そして今、グロバールで先進的なものづくりを行う企業として、さらなる飛躍が期待されます。今回は技術開発の柱となる先端技術センターを中心に紹介します。

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創業100年を超えた日本無線(株)は、次なる100年の成長を見据えて、グループ会社である長野日本無線(株)と上田日本無線(株)とともに事業構造改革を進めてきました。構造改革の中心となった先端技術センターは、最新施設を備え、技術開発を加速させる「知の処点」としての役割が期待されています。

建物は、技術者が相互に連携していくことを強く意識したつくりになっており、新しいものを次々と創造し社会へと提供する「創意無限」の姿勢をもって、ものづくりに存分に打ち込むことができる環境を備えています。センターの中央を貫く、らせん状の吹き抜けは、ミーティングスペースやプレゼンルームを兼ね、部門やグループの垣根を起えてつながることを容易にしています。また.屋上の共用実験場に加え、各階のバルコニーでも実験が可能で、製品の環境試験を行うための充実した設備も隣鍍しています。エンジニアそれぞれが持つ感性や創造力を活かしながら、市場の厳しい賊争を勝ち抜いていける製品やサービスを生み出していくことが、先端技術センターの大きな使命です。

技術本部長インタビュー

拠点を東京・三鷹から長野へ移して2年が経ちましたが、振り返ってみてどのような印象をお持ちですか。

先端技術センターは「長野から全世界へ新しい製品やサービスを発信していく」ことを意識し、エンジニアが創造力を発揮してものづくりができる環境をつくることに焦点を置いて設計しました。また、長野日本無線(株)や上田日本無線(株)も一緒になって「ワールド・カフェ」というイベントを月1~2回開催し、社員間のコミュニケーションの活性化を図っています。ワールド・カフェとは、新しいアイディアの創造を目的に、オープンな場で4~5人1組が、その組み合わせを変えながら、テーマに沿って対話を重ねていく手法です。

さまざまな取り組みを通して、拠点が三鷹にあったときに比べ、技術者の間に部門の垣根を越えた連帯感が生まれたという印象があります。また、豊かな自然に囲まれて設計に打ち込めることが社員の心に潤いを与え、「新しいものをつくっていこう」という意識にも磨きがかかっているように思います。

日本無線(株)取締役 執行役員
技術本部長(兼)研究開発統括
小洗 健

日清紡グループの中で、先端技術センターとしてどのような役割を果たしていきたいですか。

繊維を祖業として大きくなった日清紡グループが、「環境・エネルギーカンパニー」グループとして将来に向けて新たな道を開拓していますが、その中の一つが私たちのエレクトロニクス事業だと捉えています。

日本の経済が今後も成長し続けていくためには、あらゆるものがインターネットにつながるIoTやAI (人工知能)の研究開発を避けて通ることはできません。それに伴い、情報を扱うセンサや通信機能を持つ装置の重要性はますます高まっていくと考えられ、情報通信産業にとっては大きなチャンスでもあります。

当社は今後、飛躍的な成長が見込まれる自動運転などモビリティの分野で、これまで培ってきたレーダ技術などを応用していきます。先端技術センターが持つ役割を最大限に活かして技術部門と事業部門をしっかりと連携させ、大きな事業へ育てていきたいと思います。

先端技術センターで働く技術者の思い

お客様目線に立った開発を心がけたい

私は、漁船や商船、ワークボードなど、小型船舶に搭載するレーダの開発に取り組んでいます。船にとって目のような役割を果たしているレーダは、乗組員の命を預かる重要な機器であり、そのような商品の開発に関わっていくことにやりがいを感じています。

この先端技術センターは開放的なつくりになっているため、ほかの事業部との打ち合わせがしやすく、また三鷹にいた頃と比べて技術者同士での意見交換も活発になっており、それがプロジェクトを進める上でとても役立っています。

今現在は、お客様にトラブルなく満足していただけるよう仕事に取り組んでいます。今後はさらにお客様目線に立ったマーケットイン型の製品開発に取り組んでいきたいと考えています。

日本無線(株)
商品設計部 レーダーグループ
重田 誠

船舶関係の技術を応用し、新ビジネスに挑戦したい

私は、船舶に搭載する衛星追尾アンテナの研究開発を担当しています。船の上で安定した通信を行うためには、アンテナが常に衛星の方向へ向いていなければならず、そのために船の揺れを補正する制御機能が不可欠になります。現在は上空に数多くの衛星が打ち上げられているため、ほかの衛星の通信を妨害しないよう、制御機能の高度化が進んでいます。

この先端技術センターのメリットは、エンジニア同士の連携が取りやすいところにあります。車載関係の装置の開発を担当した際には、オートモーティブ事業部門と何度も打ち合わせを行い、コミュニケーションの取りやすさを実感しました。

船舶に特有のものとして獲得してきた技術には自信をもっています。その技術をオートモーティブなど陸上通信などに応用し、新たなビジネス創出に貢献していきたいと思います。

日本無線(株)
技術開発部
コンポーネントグループ
伊藤 仁

マザー工場から世界へ
―日清紡ブレーキ(株)の館林事業所

日清紡ブレーキ(株)の館林事業所は、同社の国内主力工場として、ブレーキパッドとブレーキライニングを生産し、日本の自動車産業において国内向け、輸出向けの両方を支えています。同事業所は、日清紡グループのブレーキ事業におけるマザー工場の役割を果たし、操業の安全性、高い製品品質、効率的な生産方法を実現し、その手法を世界の工場に広げています。また、銅フリー材など新製品の開発も同事業所が担っています。

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館林事業所の概要

館林事業所は群馬県の館林市の近郊、邑楽町(おうらまち)に所在し、12万㎡を越える広大な敷地の中、ディスクパッド工場2棟、ブレーキライニング工場1棟により構成されています。そのほか、研究センター、実験センターなども備えており、館林という立地の良さも含め、ブレーキ製品の開発、生産には理想的な環境となっています。

館林事業所は1981年からディスクパッドを、1989年からブレーキライニングを生産しており、2000年には東京工場の摩擦材部門を統合して今日の姿となりました。2017年3月末の時点で、670名の社員が働いています。

安全第一の操業

館林事業所では、安全衛生の徹底を最重視しています。長年の改善努力により現在の労働災害の発生は年間数件と、過去よりも大幅に減少してきました。直近数年間の事故を分析すると、工場内の物理的な不安全状態を原因とする事故はもはやほとんど見られず、むしろ熟練者などの慣れ・油断による不安全行動を原因とする事故が多いことがわかりました。よって2017年3月期は、「休業災害・不休災害(全治7日以上)」の撲滅を目標として、重点実施事項を定め、その結果、災害発生件数を、全治7日未満の不休災害1件のみにまで減少させることができました。

館林事業所重点実施事項

  • リスクアセスメントの実施
  • フォークリフト安全管理体制の構築
  • 重大災害につながる危険箇所の安全対策
  • ルール順守の見える化
  • 災害発生時の対処手順明確化

労働災害発生件数の推移と傾向 (件数)

こうした館林事業所の安全衛生活動は、海外ブレーキ工場へも展開しています。各工場で安全衛生管理体制を診断したり、「安全道場」の海外展開を行ったりなどしています。2016年7月には、日清紡ブレーキ(株)の中国工場、Saeron Automotive社の韓国・中国工場、TMD社の中国3工場などを招聘して、安全衛生交流会を実施し、意識の向上とノウハウの交換を行いました。

※安全衛生に関する13テーマの教育機器で構成された移動式施設。「巻き込まれ災害」などの疑似体験ができる。

日清紡ブレーキ(株)
代表取締役社長
石井 靖二
執行役員
R&D機能担当
服部 恭輝
摩擦材製造部
部長
高澤 俊行

終わりなきKAIZEN活動

館林事業所のKAIZEN活動は、1998年にトヨタ自動車(株)からトヨタ方式のKAIZEN活動を学んだことから始まります。その後、日清紡ブレーキ(株)独自のKAIZEN活動を発展させ、過去5年においては、海外工場においても順次適応を拡大しています。

2016年には、KAIZEN活動をTMD社にまで広げて、「Mission ZERO Step by Step」活動を開始しました。この活動を通し、部署を超え、国を超え、人と人とのつながりを強め、ベストプラクティスを共有し、お互い刺激しあって、さらなるコスト競争力を付け、グループ全体の「体質強化」を目指しています。また、活動の重点ポイントとして、「KPIを意識した利益重視」や「活動を通しての人財育成」なども挙げています。

当活動は、各事業所にてKAIZEN活動の発表会が行われることが特徴です。2016年度中に世界中の事業所にて発表会が行われた後、2017年4月、館林事業所にて世界10カ国、108名の参加により、第1回「NISTMD KAIZEN Activities Conference」が実施されました。

精密機器事業
南部化成(株)の研修活動

企業理念、行動指針の小冊子
企業理念、行動指針の小冊子

2015年10月に日清紡グループの一員となった南部化成(株)は、日清紡グループの企業理念と行動指針を一冊にまとめた小冊子を作成しました。携帯しやすくコンパクトなこの小冊子を同社とその子会社の社員に配布し、2017年1月開催の経営方針発表会において研修を実施しました。新入社員や中途採用社員には受入教育時に同冊子を用い、企業理念・行動指針の共有を図っています。

また、日清紡グループの行動指針(人権)の浸透のため、管理職層約70名を対象に「人権啓発導入時研修」を実施しました。

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化学品事業
日清紡ホールディングス(株)中央研究所・日清紡ケミカル(株)
土気事業所の絶滅危惧種キンランの保護

事業所内のキンラン
事業所内のキンラン

日清紡ホールディングス(株)中央研究所と日清紡ケミカル(株)土気事業所は、千葉県が設立した「生物多様性ちば企業ネットワーク」のメンバーとなって、土気緑の森工業団地内に自生するキンランの保護に取り組んでいます。キンランはラン科に分類される多年生植物で、自らの光合成で生産する炭素源のほか、土中の菌根菌が有機物を分解して生産する炭素源にも依存しています。そのため人工栽培がきわめて難しい植物です。

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繊維事業
日清紡テキスタイル(株) の形態安定シャツ「アポロコット」が
消費科学フロンティア賞受賞

授賞式の様子
授賞式の様子

日清紡テキスタイル(株)の形態安定シャツ「アポロコット」が、一般社団法人日本繊維製品消費科学会の「2016年消費科学フロンティア賞」を受賞しました。同賞は2016年度に新設された賞で、生活文化にインパクトを与え、新たな価値観の創造につながる役割を果たし独創性に富んだ繊維製品の研究・開発者に対して授与されます。

「アポロコット」は綿100%で初めてW&W性4級を達成しました。洗濯後のシワだけではなく、着用時のシワも防ぐことが、消費生活の発展に寄与するものとして賞されました。

※ウォッシュ&ウエア性の略で、洗濯後のシワの残り具合を表す指標。W&W性5.0級をアイロン掛け後のシワのない状態とし、4.0 級以上はシワカット率90%以上となる。

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