安全

日清紡グループのSDGsへの貢献

日清紡グループは、安全衛生活動の推進を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。
当社グループ中期CSR目標である、「労働災害の防止」を達成するために、KPI を管理し、計画的に対策を講じています。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

コアとなるSDGsゴールおよびターゲットと日清紡グループの活動

日清紡グループは、SDGs 8.8をコアとなるゴールおよびターゲットと考え、安全衛生活動を推進しています。

  • 8. 働きがいも経済成長も

    すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する。

  • ターゲット:8.8

    移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。

安全衛生活動

日清紡グループは、行動指針である「安全が全ての基本」をすべての従業員で共有し、安全で働きやすい職場環境の維持、向上を目指して安全衛生活動を推進しています。

2020年度は重大災害ゼロを継続するために、「リスクアセスメント(作業・設備・化学物質)の継続と再点検」、「派遣社員を含め、安全教育やKYT活動等を推進」、「作業標準を適宜見直し、特に危険有害作業については教育を定期的に実施」を重点方針としてグループ各社に展開しました。

各事業所では雇入れ時や作業内容変更時の教育に加え能力向上教育の実施、グループ内労働災害発生報告の水平展開や危険予知トレーニング、ヒヤリハット報告などの小集団活動を通して従業員一人ひとりの安全意識向上に努めています。また、年間計画を策定し、計画的に設備、作業、化学物質に対するリスクアセスメントを行い、優先順位を決めて予防安全対策を実施しています。

ゼロ防災

労働災害の発生状況

2020年度に重大災害(障害等級7級以上の災害)の発生はありませんでした。

災害の発生頻度を表す休業度数率は、国内事業所については国内の製造業平均値を下回る0.50となり、2019年度の0.65に比べ改善しました。

※ 休業度数率:100万延べ労働時間あたりの労働災害による死傷者数で休業災害発生の頻度を表す指標。

休業度数率推移

休業度数率推移

  2016 2017 2018 2019 2020
国内製造業平均 1.15 1.02 1.20 1.20 1.21
日清紡グループ(国内) 0.43 0.49 0.76 0.65 0.50

海外事業所の活動

日清紡グループのグローバル化が進展し、海外の事業所数は国内を上回っています。「安全が全ての基本」との行動指針に基づき、国内事業所で実施している危険予知トレーニングや危険体感教育などの活動をとおして、従業員一人ひとりの安全意識の向上に努めています。また、国内事業所で発生した労働災害の再発防止の取り組みを展開し、国内事業所と同様に類似災害の防止に努めています。取り扱う化学物質についても、その危険性の周知と保護具使用の徹底を継続し、健康障害の防止に努めています。

安全衛生監査

日清紡グループでは、製造事業所を対象に定期安全衛生監査を実施しています。当社安全衛生管理グループ、労働組合、事業会社代表の安全衛生管理責任者、他事業所の安全衛生管理者などで編成した監査チームが、対象事業所の安全衛生管理状況を確認しています。2020年度は国内40製造事業所、海外1製造事業所の安全衛生監査を実施しました。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、国内については感染対策を実施した上で実地監査を行い、海外についてはオンラインによる書類監査を行いました。

これらの監査結果は、年度末に総括監査報告としてまとめ、災害リスクの分析結果や優良な活動事例をグループ内に展開し、翌年度の労働安全衛生活動に活かしています。

マネジメントレビュー

日清紡グループの安全衛生目標の達成状況、労働災害の発生状況、安全衛生監査結果などについて、当社経営戦略会議でマネジメントレビューを実施すると共に、翌年度の活動方針、目標の設定を行っています。

日清紡グループの活動事例

墜落防止用器具開発による改正法令順守

6.75m(建設業界は5m)を超える箇所での高所作業は、2022年1月2日に、改正法令の猶予期間が終わり、現行の胴ベルト型安全帯が使用できなくなり、海外で標準とされているフルハーネス本体とショックアブソーバ付きランヤードの使用が義務となります。(6.75m以下の作業でも原則「フルハーネス型」の使用が推奨されます。)

日本無線(株) では、地上60mの鉄塔上や、コンクリート製ならびに鋼製の柱(パンザーマスト)上での高所作業が多く発生します。既に安全器具メーカーで開発されているランヤードは、建築工事現場向けのフック口径が大きい種類のみがラインナップされており、柱上での電気通信工事向けには開発されていませんでした。

同社は、ミドリ安全(株)と電気通信工事向けの小口径フックのショックアブソーバ付きランヤードと柱上作業向けのフルハーネス本体を開発し、事業特性に基づく墜落災害防止に努めています。また、これら器具を使用させる前には、事業者による作業員への特別教育が義務付けられているため、社内に講師を育成し、2021年8月から全支社ならびに協力会社において同社人事部主催の特別教育を実施する予定です。

フルハーネス本体 フルハーネス本体
ショックアブソーバ付きランヤード ショックアブソーバ付きランヤード

労働災害発生の撲滅に向けた安全衛生活動

新日本無線(株) 川越製作所では、毎年安全衛生計画を立案し、労働災害発生の撲滅に向けた取り組みを行っています。

2020年は、2019年に発生の多かった通勤途上災害(9件)の撲滅に向け、構内に乗り入れている通勤用自転車・バイク(計234台)の乗入車両一斉点検を実施し、不備のある車両は持ち主に修繕依頼を行いました。また、事故災害防止に係る施策として、従業員の危険感受性を向上させる目的で、「私のヒヤリ」活動を行いました。

従業員は日々の業務・通勤で感じた危険事象、箇所を報告し、危ないと感じる気付きを高めるとともに、入手した情報は危険感受性を高める教育資料へ展開し製作所内の安全対策に役立てました。具体的には、危険予知訓練(KYT)教育資料としての活用、人同士の出会い頭の衝突防止策とした通路へのカーブミラー設置、扉の裏側に人がいると感知するセンサー設置、構内歩道の通行帯明示などを実施し、災害防止を図っています。

カーブミラー カーブミラー
構内通行帯表示 構内通行帯表示

安全道場研修

2017年、Nisshinbo Automotive Manufacturing Inc. (NAMI) は、新入社員および既存社員向けの安全道場研修を開始しました。安全道場では、全ての従業員が安全に対する意識を高めるために以下のような様々な分野のトレーニングを実施します。

災害発生時の避難場所、避難通路を示した工場マップ、通常作業の保護具、クレーンとホイストの使用方法、人間工学に基づいた腰痛防止、歩行および作業時の注意事項、高所作業での落下防止、回転機器のシミュレーターによる挟まれ危険個所の説明、粉塵爆発、火災、作業時の安全確保するためのロックアウト–タグアウト、電動工具、有機物の取り扱い、および廃棄の方法などのトレーニングを受講します。

また2020年は、全ての従業員を対象に新型コロナウイルス感染症に関するトレーニングを実施し、正しい知識を得た上で、万が一感染した場合にも家族への配慮、会社の操業への影響が少なくなるような正しい行動を取れるようガイドラインを設定し、周知徹底しました。

安全への意識を高めるために、掲示板、就業前のミーティングなど、常にコミュニケーションを取り、情報の共有を行っています。

安全意識向上への取り組み

南部化成(株)では、安全第一・0災の達成を目指し、安全衛生活動年間計画に基づき、各拠点活動を進めています。2020年度はリスクアセスメントの浸透、5Sのレベルアップ、通勤途上災害の撲滅を重点実施事項とし、従業員一人ひとりの安全活動として取り組むよう、活動を展開しています。

安全意識を高める取り組みとしては、入社および配置転換時の受入時教育の基準を制定し、漏れなく安全教育を実施する仕組みとしています。さらに毎年1月開催の経営方針発表会では、年間0災を達成した拠点を表彰し、モチベーション向上を図っています。

Toms Manufacturing Corporation (Toms) では、安全に関する従業員からの提案を、改善提案制度を利用して月に一度の表彰を行うなど、従業員のモチベーションをあげる方策を交えながら安全に関する意識向上に取り組んでいます。また、労働災害の他社事例は、掲示板に掲示するだけでなく、全体朝礼時に従業員に対する事例説明を口頭でおこない、類似災害の発生抑止に努めています。

「安全管理優良事業場賞」を受賞

日清紡ケミカル(株) 旭事業所では、全社の安全衛生方針を毎年のアクションプランに落とし込み、全員参加で安全衛生活動に取り組んでいます。

リスクアセスメント(RA)活動を継続するために、リスクアセスメントの再評価や残留リスクの見える化など、毎年工夫をして着実に活動をレベルアップさせています。また危険予知の習慣化といった基本的な取り組みを重視することで、一人ひとりの危険に対するアンテナを高くし、感受性を高めることにもつなげています。
独自の取り組みとしては、「WKY活動(W:わからない、K:こまった、Y:やりづらい)を実施しており、従業員一人ひとりが当事者意識を持ちながら、安全最優先を目指した身近な作業改善を進めています。これらの活動を通じて不安全状態の是正、不安全行動の予防をすることで、災害防止に努めています。

2020年10月には、労使協力して安全活動を活発に推進した功績が認められ、千葉県労働基準協会連合会より「安全管理優良事業場賞」を受賞しました。

安全管理優良事業場賞

安全管理優良事業場賞

安全チェックリストによる店舗の安全活動

東京シャツ(株)では、全国に約150の店舗を持ち、600人強のスタッフが勤務しています。

お客さまと店舗スタッフの安全を守るため、脚立や店舗什器等の設備面、2Sなどの環境面、腰痛予防などの行動面を網羅した安全チェックリストを作成しました。2020年度は限られた店舗で試験運用を開始、2021年2月より全店で展開しました。店舗ではチェックリストに則り毎月点検を実施し、結果を本部へ報告します。これにより本部でも店舗の安全状況を把握し、課題の共有と改善につなげています。特に高所へのトルソー などの陳列の改善は脚立使用による転落リスクの削減に加えて地震発生時の被害最小化にもつながることから注力しています。

同活動の開始以降、店舗スタッフの安全への意識も高まっており、皆で安心・安全な職場づくりに取り組んでいます。

※ マネキン人形の一種で、胴体部分だけのもの