人権の尊重

日清紡グループのSDGsへの貢献

日清紡グループは、人権を尊重する活動を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。
当社グループのサスティナビリティ目標である、「人権啓発活動の拡充・ハラスメントの防止」を達成するために、KPI を管理し、計画的に対策を講じています。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

コアとなるSDGsゴールおよびターゲットと日清紡グループの活動

日清紡グループは、SDGs 4.7をコアとなるゴールおよびターゲットと考え、人権を尊重する活動を推進しています。

  • 4. 質の高い教育をみんなに

    すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。

  • ターゲット:4.7

    2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。

日清紡グループは人権を尊重し、より働きやすい職場づくりのために、日清紡ホールディングス(株)の経営戦略センター長を推進委員長、サステナビリティ推進室長を推進副委員長とする体制のもと人権啓発活動に取り組んでいます。

人権啓発として年間を通じ、新入社員研修、全従業員を対象とした全体研修を実施しています。また、従業員の人権意識の高揚を目的に毎年12月の人権週間にちなんで、グループ会社の従業員と家族を対象に「人権啓発標語」の募集を行い、優秀作品の表彰を行っています。

ハラスメント防止のため国内グループ会社に「ハラスメント相談窓口」を設置、複数の窓口担当者をおいて従業員の相談にあたる体制を整えています。また、新任の担当者に相談対応のスキルを習得してもらうための「ハラスメント相談窓口新任担当者研修」を実施しています。

サプライチェーンについての人権配慮も重要です。「日清紡グループサステナブル調達基本方針」やグループ各社の「サステナブル調達ガイドライン」に基本的人権の配慮や児童労働の禁止などを明記しています。

「アンガーマネジメント研修」のさらなる拡充

アンガーマネジメントは「怒り」の感情をコントロールする心理トレーニングで、1970年代にアメリカから広まり、近年、日本企業でも従業員研修などへの導入が進んでいます。

日清紡グループでも、適切な感情コントロールによる良好な職場マネジメントの遂行を目的に、2017年から国内全グループ会社の従業員を対象に研修を実施しています。受講者からは「自分の怒りに向き合う良い機会になった」「怒りは自分でコントロールできることがわかった」という声が聞かれ、職場における良好なコミュニケーションの醸成につながるものと期待されています。

2020年6月に、国内で労働施策総合推進法の改正法が施行され、パワハラ防止のための雇用管理上の措置が企業にはじめて義務付けられました。これを受け、当社グループではパワハラの発生原因となる「怒り」の感情のコントロールに資する本研修をさらに拡充し、「基礎研修」と「叱り方研修」を展開しています。
「基礎研修」は、自分の怒りを上手にコントロールするアンガーマネジメントの基本を習得する内容で、受講対象を一般従業員層に拡げています。一方、管理職層には「部下の成長を促す上手な叱り方」を学ぶ「叱り方研修」を実施し、パワハラを防止しながら有効な部下育成方法を改めて考えてもらう機会としています。研修方法もオンラインツールを使い、自席や在宅でも受講できるよう工夫を重ねています。

アンガーマネジメント研修
アンガーマネジメント研修

日清紡グループの活動事例

障がい者雇用の取り組み

ジェイ・アール・シー特機(株)では、2021年12月末現在、障がい者を10名(雇用率2.6%)雇用しています。個々の(またはそれぞれの)の適性にあった部門で専属雇用し、総務、経理、調達、品質保証、管理など幅広い部門にて活躍しています。また本人の自主性を尊重することで、「一戦力」として高いモチベーションをもって働くことができる環境を整備しています。

採用後、長期に安定して働くことができるよう、神奈川障害者職業センターのジョブコーチによる集中支援(6ヶ月)を受け、月末に一か月間の振返り面談も実施しています。
さらに「長期定着支援」をテーマに掲げ、各部署にキーパーソンとなる従業員を配置し、日頃から助言や個別の配慮が自然にできる「ナチュラルサポート」体制をとり、安心して働ける職場づくりに注力しています。

今後も多様性を尊重し、「ともに働く」ことができる就業環境の整備を図り、障がい者雇用を進めていきます。

法順守に基づく差別禁止と人権尊重の取り組み

アメリカ合衆国では、「障害を持つアメリカ人法(ADA)」、合理的配慮の義務付けや障害に基づく差別の禁止および雇用者の健康診断や照会に関する規則などを定めた「リハビリテーション法」、採用、賃金、解雇、労働条件など雇用のあらゆる場面での年齢による差別を禁止する「雇用における年齢差別禁止法(ADEA)」、医療保険会社や雇用主が個人の遺伝情報に基づいて米国民を差別することを禁止する「遺伝情報差別禁止法(GINA)」など、人権にかかわる法律が施行されています。

Nisshinbo Automotive Manufacturing Inc. (NAMI) では、新入社員全員を対象に差別に関する研修や、管理監督者向けにハラスメントと差別に関する研修を毎年実施しています。さらに、差別禁止方針、採用応募要領を定期的に更新し、個人を尊重する取り組みを進めています。

職場でのいじめ防止制度の運用

韓国のSaeron Automotive Corporation (SAC) では、職場における上司、部下または同僚間のいじめ防止のため、社内の就業規則に、職場でのいじめ防止およびいじめが発生した場合の処理に関する規定を新設しました。職場でのいじめを全面禁止するため、本規定に関する全社連絡周知を2回実施し、運用しています。

また同社では、会社のイントラサイトに「職場でのいじめに関する判断、予防、対応マニュアル」を掲載し、職場でのいじめについて誰でも担当部署にその事実を通報することができる体制を整えています。加害者は団体協約上の懲戒処分(減俸、停職など)の対象になる一方、被害者や通報者には不利益な処遇は一切生じません。

職場でのいじめとは、業務上の適切な範囲を過度に超過し、身体的、精神的苦痛を与えることを意味します。本制度の運用を通して社員同士が互いを尊重し合い、人権を保障するよう取り組んでいます。

障がい者雇用の取り組み

南部化成(株)では、障がい者雇用に関する以下の取り組みを実施し、障がい者法定雇用率を継続して達成しています。

1.テレワークオフィスでの見守り付きテレワーク勤務
体調管理などを行う見守り支援者が常駐する「テレワークオフィス藤枝駅前」(静岡県)を活用し、障がい者3名がテレワーク勤務にて能力を発揮しています。見守りにより本人達の心理的安全性が保たれ、安定して仕事に取り組んでいます。

2.特別支援学校からの職場実習受入
卒業後の就業を念頭に近隣の特別支援学校高等部生徒の職場実習を受入れています。参加生徒は、卒業後に働くための基本的な姿勢or行動や、自身の障がいの特性を理解することができ、会社は、その生徒の特徴や能力を雇用する前に確認することができるので、卒業後の円滑な就業に効果を発揮しています。

3.就労継続支援事業所からの紹介受入
就労継続支援事業所からの紹介で障がい者を受入れ、作業指導やマニュアル作成など職業指導員のサポートを受けて、適した業務への就業の可能性・マッチングを確認しています。

障がい者雇用と定着支援の取り組み

日清紡ケミカル(株) 旭事業所では、以前より障がい者の支援機関主催の研修会へ積極的に参加しています。

現在のコロナ禍では集合研修や、障がい者を雇用している企業へ赴いての見学会は難しい状況ですが、2021年度はWEB開催の「障害者就労促進チャレンジ事業・企業向け見学相談会」に2名が参加し、情報収集・情報交換を実施しました。今後開催されるWEB研修会についても、対象となる職場へアナウンスを行い、多くの従業員を参加させることにより知識を広く共有出来る場として活用していきます。

採用活動では支援機関と連携し、人材紹介→職場見学→職場実習を行い、障がい者の働く上での不安を払拭して就業イメージとのギャップを失くすと共に、希望に沿った就業が出来るように取り組んでいます。

障がい者の職場体験受入

日清紡テキスタイル(株) 大阪支社では、大阪府主催の企業マッチング会へ参加し、障がい者の職場体験の受入を継続して行っています。2021年は、4名の方が郵便物や生地の仕分け、備品の清掃やPCデータ入力などの業務体験を行いました。

さまざまな体験をすることで、体験者ご本人の適性確認のみならず、受入側にとっても特性に応じた配慮点への気づきを得ることができ、体験者からは、「からだを動かす業務とPC作業量のバランスが良く、精神面と体力面、どちらも安定して業務をすることができた」、という感想もありました。また現在雇用している障がい者にとっても、業務を教えることを通じて相手との接し方などを実践して学ぶことができる有効な機会となりました。

今後も障がい者がいきいきと働き活躍できる場を広げられるよう活動を推進していきます。