水資源

日清紡グループのSDGsへの貢献

日清紡グループは、水資源の活動を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。
当社グループ環境目標である、売上当たりの水使用量の削減を達成するために、KPI を管理して計画的に対策を講じています。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

コアとなるSDGsゴールおよびターゲットと日清紡グループの活動

日清紡グループは、SDGs 6.4をコアとなるゴールおよびターゲットと考え、水資源の活動を推進しています。

  • ①ISO14001の活動を通じ、節水活動を推進
  • ②製造拠点での節水タイプの設備導入、水使用量の削減、排水処理水の再利用などの活動拡大
  • ③水事情の異なる海外事業所における、雨水の利用や水の循環保全(地下水への戻し)など、持続可能な取水への取り組み
  • ④繊維事業における、取水した井戸水を浄化し、その一部を近隣住民に無料で送水する活動
  • ⑤化学品事業における、水処理用微生物担体の提供による、国内外の排水処理分野への貢献
  • 6. 安全な水とトイレを世界中に

    すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する。

  • ターゲット:6.4

    2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。

水リスクの把握と監視

世界資源研究所(WRI)が発表しているAQUEDUCT水リスク地図 を活用して、日清紡グループの事業所、主要なサプライチェーンの水リスク評価を実施しています。当社グループでは、「非常にリスクが高い」と評価された事業所およびサプライチェーンを監視対象としています。さらにはサプライチェーンの水使用量調査を行い、調査結果を管理しています。

※ AQUEDUCT水リスク地図:12種類の水リスク指標を基に作成された地図で、水リスク指標には「物理的な水ストレス」、「水の質」、「水資源に関する法規制リスク」、「レピュテーションリスク(風評リスク)」などが含まれている

AQUEDUCT水リスク地図
AQUEDUCT水リスク地図

CDP水セキュリティ2021評価

CDPは、環境分野に取り組む国際NGOです。CDPの評価は、CDPが世界13,000社以上の企業、1,000以上の都市・州・地域を対象に調査を行い、気候変動や森林減少、水のセキュリティといった問題にどのように効果的に対応しているかについてAからD-のスコアで評価するものです。日清紡グループは、「水セキュリティ2021」で「B」評価を受けました。

CDP水セキュリティ2021評価
CDP水セキュリティ2021評価

水使用量

日清紡グループの水使用量実績は、7.0百万m³と前年度水使用量比 16%減少しました。売上当たりの水使用量は13.8m³/百万円となり、前年度売上当たりの水使用量比24%減少しました。繊維事業で、空調利用分を一部リサイクルで補えることにより、水使用量が減少しました。

水のリサイクル量実績は、0.80百万m³でした。前年度水のリサイクル量比7%増加しました。繊維事業で、リサイクルが進んだためです。

水使用量と売上当たり水使用量

水使用量と売上当たり水使用量

(百万m³)

  2017 2018
(調整後)
2019 2020 2021
水の使用量 10.6 10.3 9.4 8.3 7.0
(m³/百万円)
売上当たり水使用量 20.7 20.0 18.4 18.3 13.8

※ 当社は2018年に、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い経過期間となる連結会計年度は、変則的な決算となっています。このため2018年度は、当連結会計年度と同一期間の12カ月間となるように組み替えた調整後参考値を記載しています。

水リサイクル量の推移

水リサイクル量の推移

(百万m³)

  2017 2018
(調整後)
2019 2020 2021
水のリサイクル量 0.812 1.053 0.743 0.741 0.796

※ 当社は2018年に、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い経過期間となる連結会計年度は、変則的な決算となっています。このため2018年度は、当連結会計年度と同一期間の12カ月間となるように組み替えた調整後参考値を記載しています。

事業別の水使用量は繊維事業が全体の58%となりました。

事業別水使用量の推移

事業別水使用量の推移

(百万m³)

  2017 2018
(調整後)
2019 2020 2021
エレクトロニクス 1.6 1.6 -- -- --
無線・通信 -- -- 0.4 0.5 0.5
マイクロデバイス -- -- 1.3 1.3 1.3
ブレーキ 0.5 0.4 0.4 0.3 0.3
精密機器 1.3 1.2 1.0 0.8 0.8
化学品 0 0.1 0.1 0.1 0.4
繊維 7.2 6.9 6.1 5.3 4.1
その他 0 0 0 0 0
水使用量 10.6 10.3 9.4 8.3 7.0

※1 当社は2018年に、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い経過期間となる連結会計年度は、変則的な決算となっています。このため2018年度は、当連結会計年度と同一期間の12カ月間となるように組み替えた調整後参考値を記載しています。

※2 2019年度よりエレクトロニクス事業を無線・通信事業とマイクロデバイス事業に分離しました。

日清紡グループの活動事例

地下水使用量の削減

長野日本無線(株)は構内に深井戸を4本所有しており、地下水を利用した水冷エアコンを使用しています。水冷エアコンは地下水使用量の8割を占めており、水使用量の削減策として、数年前から空冷エアコンへの更新工事を進めています。2021年度は3台を空冷エアコンに切替え、11千m3/年の地下水を削減しました。

2022年度は18台を空冷エアコンに更新する計画を立てており、地下水の使用量について、年間60千m3の削減を見込んでいます。

現在はコロナ禍における部品在庫量増加の影響で、古い倉庫の水冷エアコンが稼働しておりますが、水使用量の削減に向け、残り23台の水冷エアコンについても順次計画して更新していきます。

空調設備での水使用量削減

日清紡マイクロデバイス(株) やしろ事業所では、半導体を製造するクリーンルーム内の環境を維持するため、クリーンルーム用空調機へ温水を送水しています。蒸気を使用し熱交換させて温水を作り出していますが、その熱交換器を効率の良い熱交換器に変更(シェル&チューブ型からプレート型へ)することにより蒸気使用量を削減し、水使用量が年間431m3削減できました。また水使用量削減以外の効果として、以下①~③の削減効果も得られました。

①水使用量削減により、水処理薬品の使用量を年間120千円削減。

②蒸気使用量削減により、都市ガス使用量を年間70,728m3削減。

③熱交換器変更により、法定検査不要となり年間210千円コスト削減。(第1種から第2種の圧力容器へ変更)

熱交換器
熱交換器

コンプレッサー冷却水回収による水使用量削減

日清紡マイクロデバイス(株) 川越事業所では、これまで排水していたコンプレッサー用冷却水の再利用により、水の使用量を削減しました。

施策として、コンプレッサーの排水配管から分岐をとり、供給元と同じ冷却水タンクへ戻す新たな配管を敷設しました。この冷却水は工場装置にも供給していますが、2次側のフィルター劣化の消耗を抑える為、純水を使用していました。当初は生産系ではない設備で使用した水を戻すことによる水質の悪化を懸念していましたが、事前の試験によって影響が無いことが分かり、実施することができました。

2021年2月に工事を行い、その月から効果が表れ、2021年は年間46千m3の水使用量削減(川越事業所年間水使用量549千m3の8.6%相当)となりました。また、純水を使用しなくなったことから、純水製造にかかっていたコストも約340万円/年(純水単価74円)の削減となりました。

コンプレッサーフィルタ(改修前)
コンプレッサーフィルタ(改修前)
コンプレッサーフィルタ(改修後)
コンプレッサーフィルタ(改修後)

排水リユースシステム(MRO)による下水の再利用

日清紡マイクロデバイス福岡(株) では、下水再利用を目的に、逆浸透膜を使った排水リユースシステム(MRO)装置で、下水放流水の一部を処理しています。処理した排水MRO水は、動力設備で使用する冷却塔、スクラバー用補給水、上水等に使用しています。

2021年度の生産負荷は前年度比22.0%増で、下水量実績は、138千m3/年で前年度比1.8%増(1,455 m3)、排水MRO水量実績は、約89千m3/年(前年度比1.8%増)でした。

今後も計画的な整備を行い、将来的な処理能力アップの検討を継続しながら、設備の安定稼働に努めていきます。

排水リユースシステム装置
排水リユースシステム装置

排水処理水を再利用した工業用水の使用量削減

タイのNisshinbo Somboon Automotive Co., Ltd.では、2021年に、工業用水の使用量削減を目的として、排水処理設備からの処理水を、局所排気装置からの排ガスを洗浄する装置である湿式スクラバーの洗浄水に再利用しました。

この排水処理設備は、生物膜処理装置(アクチコンタクト)という、バクテリアを付着させる特殊な担体を使用した、好気性微生物による処理をするものです。排水中の汚濁成分(BOD)が処理槽に流入すると、担体に付着しているバクテリアと接触し、汚濁成分はバクテリアの働きにより分解されます。

排水処理水を再利用することにより、工業用水の使用量を年間で約2,500m3程度削減することができました。これは1年間で使用される工業用水の、およそ30%程度が削減されたことになります。

また、湿式スクラバーからの排ガスについては、定期的に測定を実施し、排気処理が正常に機能していることを確認しています。

排水処理装置
排水処理装置

設備改造等による水使用量の削減

日清紡大陸精密機械 (揚州) 有限公司 では、製造加工時に使用する水溶性クーラント液の希釈、および高圧洗浄機の洗浄にRO (Reverse Osmosis:逆浸透)水を利用しています。

生産出荷数量の増加に伴い、RO水の生成に使用する水道水使用量と、生成時の排水量が増加傾向にあったため、いかに水道水使用量を削減するかについて、RO水生成プロセスを調査し、検討を行いました。

RO水の生成装置には水道水をろ過するRO膜(逆浸透膜)がありますが、水に含まれるカルシウムやナトリウムなどが付着するため、定期的に1日2回、逆洗浄する必要があります。

従来、RO膜の逆洗浄には水道水を利用していましたが、改善取り組みとしてRO水生成時の排水を再利用することで、水道水の使用量を大幅に削減できました。この取り組みにより、水道水使用量は年間で3,600t削減となります。

RO膜の逆洗浄
RO膜の逆洗浄

水冷コンプレッサー稼働調整による節水

日清紡ケミカル(株) 徳島事業所では、ろ過水使用量を装置別に分析しました。2020年度はろ過水の約70%を22kW水冷コンプレッサー熱交換器の冷却水に使用したという結果に基づき、2021年度の水削減のテーマとして22kW水冷コンプレッサーの稼働時間減少を掲げて取り組みました。

これまで当該コンプレッサーは1月、5月、8月の事業所連休時のみ停止していましたが、集約生産を行うことで製造設備の停止期間が500時間/年増加しました。停止期間中は不必要なエアー供給を遮断し、スタンバイ機である7.5kW空冷コンプレッサーのみの運転を可能とすることで当該コンプレッサーの稼働時間は500時間/年減少しました。

取り組みの結果として2021年度のろ過水使用量は、2020年度比2,400m3/年の削減(2020年度比5%削減)を達成しました。

使用済水の再利用による水使用量の削減

日清紡テキスタイル(株) 藤枝事業所ではサステナブルな製造工程を目指し、工業用水の使用量削減に取り組んでいます。

藤枝事業所では、スパンレースと呼ばれる製法にて不織布を生産しています。薬剤を一切使用しないこの製法では、シート状にした短繊維の集合体に高圧水流を加えることで不織布を生産するため、多くの水を使用します。改善の取り組みとして、この不織布生産時に使用した水を空調用冷却水として再利用することで、水使用量の削減を行いました。

また、同事業所にて使用している水冷式の空調キャリア設備は、機械の稼働により熱くなった工場内の空気を回収し、冷却水により温度を下げ、工場へ送り込むシステムになっています。この冷却水に使用済水を利用することで、年間60万tの水使用量削減となりました。

不織布生産工程
不織布生産工程