LCA

LCA(ライフサイクルアセスメント)とは、原材料の調達から、生産、流通、使用、廃棄に至る製品のすべてのライフサイクルにおける投入資源、環境負荷およびそれらによる地球や生態系への潜在的な環境影響を定量的に評価する手法です。日清紡グループでは、環境負荷の把握と低減を図るため、LCAデータを算出して製品企画や製造工程の改善に活用しています。

日清紡グループのSDGsへの貢献

日清紡グループは、LCA(ライフサイクルアセスメント)の活動を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。
当社グループ中期環境目標である、LCAの推進を達成するために、KPI を管理して計画的に対策を講じています。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

コアとなるSDGsゴールおよびターゲットと日清紡グループの活動

日清紡グループは、SDGs 12.4をコアとなるゴールおよびターゲットと考え、LCA活動を推進しています。

  • ①LCAソフトを無制限エンドユーザーライセンスで契約し、利用者の利便性を向上
  • ②LCAソフト活用講習会の開催により、運用者の育成・拡大を推進
  • ③製品LCAの結果をもとに化学物質や廃棄物の排出量を削減
  • ④製品開発段階からLCAを導入し、環境配慮型製品の開発に活用
  • 12. つくる責任 つかう責任

    持続可能な消費と生産のパターンを確保する。

  • ターゲット:12.4

    2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

LCA活動の推進

日清紡グループは、LCAソフトを有効に活用しながら、LCA活動の拡大を図り、環境配慮型製品の開発を推進しています。

製品LCAの結果をもとに、製造エネルギーや化学物質の排出量を削減することは無論のこと、製品開発段階からLCAを導入し環境配慮型製品の開発に活用することで、「持続可能な社会に貢献する製品」の拡販に繋げます。

ライフサイクルアセスメントイメージ図

ライフサイクルアセスメントイメージ図

日清紡グループの活動事例

情報混合表示システム「Alertmarker+(アラートマーカー)」のLCA

日本無線(株)は、災害時の安全・安心を提供する機器として、既設デジタルサイネージに災害情報等をプラスする情報混合表示システム「Alertmarker+®(アラートマーカー)」のLCAをおこないました。

本製品は質量552g、消費電力約12Wであり24時間通電して使用します。
LCA結果は下図のとおりで、気候変動(CO2)、資源消費、酸性化ともに使用段階での負荷が大部分を占めます。しかしながら使用時の消費電力は12Wであり量的には少ないことがわかります。これは平均的なノートパソコンの半分の消費電力で、1か月で8.6kWhの電力消費量となり、これはガソリン燃焼1.7L相当でCO2換算では3.93 kg-CO2となります。

システム図(アラートマーカー)

システム図(アラートマーカー)

LCA解析結果(アラートマーカー)

LCA解析結果(アラートマーカー)

投入したガラス原料に対するLCA解析

日本無線硝子(株)は、1年間に工場に投入された全ての資材、資源、エネルギー、産廃を年間生産量で割り、ガラス1㎏あたりの必要投入量を算出してLCAを実施しました。

結果は下図のようになり、ガラス製品の環境負荷は製造時の負荷が圧倒的に多くを占める事が判明しました。2020年度は製品出荷量が大きく減りましたが炉の稼働時間は変わらないため、製品1kgあたりのライフサイクルCO2は約50 kg-CO2から約80 kg-CO2と悪化しました。

システム図(ガラス製品)

システム図(ガラス製品)

LCA解析結果(ガラス製品)

LCA解析結果(ガラス製品)

LCAの取り組み開始

ブレーキ事業では、2020年度、新たに韓国のSaeron Automotive Corporation (SAC) とTMD Friction Group S.A.の11拠点(ドイツ、イギリス、ブラジル、中国ほか)でLCAの取り組みを開始しました。

特にTMD Friction Group S.A.では担当者が積極的に世界中の拠点と連絡を取り合い、推進したことで当初の目標としていたLCA解析率を大幅に上回ることができました。今後はこの取り組みを更に拡大していきたいと考えています。

排気バルブのLCA

日清紡精機広島(株)では、2020年に量産事業の柱である排気バルブのLCAを実施し、売上構成の約82%について解析が完了しました。

排気バルブは車の燃費の改善と出力の向上を目的とし、エンジンの排気ポートとターボチャージャーの間に装着され、エンジンの運転状態に応じてバルブを開閉することで排気の流れを最適化するための部品です。

LCAの結果、環境影響としてインパクトの大きい項目は部品集約時のエネルギー使用であることが分かりました。
2021年度は2022年に市場投入するエンジン関連製品について解析を実施し、改善活動につなげていきたいと考えています。

排気バルブ
排気バルブ

システム図(排気バルブ)

システム図(排気バルブ)

LCA解析結果(排気バルブ)

LCA解析結果(排気バルブ)

LCA解析推進活動

南部化成(株)および関連会社では、2019年度末のLCA解析実施製品の売上額は総売上額の29%と遅れていたため、2020年の最重点取組課題に決定し、本社及び各拠点で計5名が「MiLCAソフトウエア」ライセンスを取得し、LCA解析を推進しました。

その結果、2020年度は合計52件のLCA解析を実施し、総売上額の61%が完了しました。また、再生原料使用時のLCA解析を行い、CO2削減効果検証のためのデータ解析を開始しました。

引き続き残っている製品のLCA解析を進めるとともに、そのデータを今後の環境活動につなげていきたいと考えています。

マスコット
マスコット
LCA解析結果(マスコット) LCA解析結果(マスコット)
LCA解析実績グラフ LCA解析実績グラフ