省エネルギー

日清紡グループのSDGsへの貢献

日清紡グループは、省エネルギーの活動を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。
当社グループ中期環境目標である、売上当たりの使用エネルギー削減を達成するために、KPI を管理して計画的に対策を講じています。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

コアとなるSDGsゴールおよびターゲットと日清紡グループの活動

日清紡グループは、SDGs 12.2をコアとなるゴールおよびターゲットと考え、省エネルギー活動を推進しています。

  • ①ISO14001の活動を通じ、エネルギーの消費抑制活動を推進
  • ②設備更新時に環境配慮型設備を選択、改善活動による省エネルギー対策を持続的に実施
  • ③計画的な照明のLED化
  • ④新建造する建屋・倉庫へのさまざまな省エネルギー設備導入と、空調で消費するエネルギー削減の追求
  • 12. つくる責任 つかう責任

    持続可能な消費と生産のパターンを確保する。

  • ターゲット:12.2

    2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

経団連「チャレンジ・ゼロ」に参加

一般社団法人日本経済団体連合会(以下「経団連」)が主導するプロジェクト「チャレンジ・ゼロ」(チャレンジネット・ゼロカーボン イノベーション)に参加しました。

「チャレンジ・ゼロ」は、経団連が日本政府と連携し、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が長期的なゴールと位置づける「脱炭素社会」の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを、国内外に力強く発信し、後押ししていく新たなイニシアティブです。

当社は、「チャレンジ・ゼロ」の趣旨に鑑み、事業活動を通じて温室効果ガスを削減し、脱炭素社会の実現に貢献できるよう、イノベーションの創出を推進していきます。

経団連「チャレンジ・ゼロ」公式Webサイト
https://www.challenge-zero.jp/jp/別ウィンドウ表示

脱炭素社会の実現に向けた、当社グループのチャレンジ事例が掲載されています。

「チャレンジ・ゼロ」ロゴ

燃料別エネルギー使用量

日清紡グループのエネルギー使用量実績は、9.72百万GJと前年度エネルギー使用量比8%減少しました。売上当たりのエネルギー使用量は、21.27 GJ/百万円となり、前年度売上当たりのエネルギー使用量比 3%増加となりました。

新型コロナウイルス感染症の影響で、全ての事業において減産を強いられ、製造時のエネルギー使用量は減少しましたが、売上が減少し製造原単位当たりのエネルギー使用量は増加しました。

燃料別では、使用エネルギー全体の75%が購入電力でした。また、使用エネルギー全体の16%が繊維事業のインドネシア子会社2社(PT. Nikawa Textile Industry およびPT. Nisshinbo Indonesia)で使用している石炭によるものでした。

エネルギー使用量と売上当たりのエネルギー使用量の推移

エネルギー使用量と売上あたりのエネルギー使用量の推移

(百万GJ)

  2016 2017 2018
(調整後)
2019 2020
購入電力 8.58 7.75 8.28 7.94 7.26
石炭 1.61 1.66 1.51 1.50 1.60
都市ガス 1.33 0.77 0.85 0.80 0.73
重油 0.24 0.06 0.05 0.04 0.05
その他 0.13 0.12 0.25 0.27 0.09
エネルギー使用量 11.89 10.36 10.94 10.55 9.72
(GJ/百万円)
売上当たりエネルギー使用量 22.55 20.24 21.25 20.70 21.27

※ 当社は2018年に、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い経過期間となる連結会計年度は、変則的な決算となっています。このため2018年度は、当連結会計年度と同一期間の12カ月間となるように組み替えた調整後参考値を記載しています。

事業別エネルギー使用量

エネルギーを最も多く使用したのはブレーキ事業(3.06百万GJ)で、次いで繊維事業(2.70百万GJ)でした。

事業別エネルギー使用量

事業別エネルギー使用量

(百万GJ)

  2016 2017 2018
(調整後)
2019 2020
エレクトロニクス 1.88 1.89 2.64 -- --
無線・通信 -- -- -- 0.48 0.52
マイクロデバイス -- -- -- 2.09 2.07
ブレーキ 3.56 3.63 3.43 3.30 3.06
精密機器 1.35 1.42 1.43 1.31 1.15
化学品 0.10 0.11 0.12 0.10 0.11
繊維 3.18 3.19 3.20 3.16 2.70
その他 0.16 0.12 0.12 0.12 0.12
紙製品 1.66 -- -- -- --
エネルギー使用量 11.89 10.36 10.94 10.55 9.72

※1 当社は2018年に、決算日を3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い経過期間となる連結会計年度は、変則的な決算となっています。このため2018年度は、当連結会計年度と同一期間の12カ月間となるように組み替えた調整後参考値を記載しています。

※2 2019年度よりエレクトロニクス事業を無線・通信事業とマイクロデバイス事業に分離しました。

LED照明の導入

2020年度の新たなLED化による省エネ効果は、日清紡グループ全体で下表の通り1,092MWhとなりました。

電力削減量

事業区分 削減量(MWh)
無線・通信事業 90
マイクロデバイス事業 111
ブレーキ事業 768
精密機器事業 73
化学品事業 27
繊維事業 23
合計 1,092

※ 2019年度よりエレクトロニクス事業を無線・通信事業とマイクロデバイス事業に分離しました。

日清紡グループの活動事例

VPP(バーチャルパワープラント)の実証実験に協力

日清紡ホールディングス(株) 藤枝事業所の植物工場では、中部電力(株)をリソースアグリゲーター※1とするVPP(バーチャルパワープラント)※2の実証事業に協力しています。

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力の需給安定に寄与する、電力需要家側エネルギーリソースを活用した調整力への期待が高まっています。VPPの実証事業では、植物工場の環境維持のために稼働している照明や空調設備の一部に制御装置を取り付け、予め取り決めた時間に電源がオフになるようにしています。そこで生まれた電力の余裕を調整力とし、その活用ポテンシャルを見出すことで、普及が進みつつある植物工場の新たな付加価値を創造し、持続可能な社会づくりに貢献します。

※1 需要家とVPPサービス契約を直接締結してリソース制御を行う事業者。

※2 需要家の持つ照明や空調設備等を、例えば電力会社が制御することで発電所と同様の機能を提供すること。

「NB日本橋ビル」照明器具LED化

日清紡ホールディングス(株) 不動産事業部では、新日本無線(株)が入居する賃貸ビル(築25年)の照明器具のLED化工事を実施し、2020年5月に完了しました。

事務室内は、屋外の明暗によらず一定の明るさに調整される調光機能付き照明器具を採用しました。また、トイレ、パントリー、屋内階段等の共用部分は、人感センサー付き照明器具を採用し、良好な作業環境確保と一層の省エネ効果を目指しました。

この照明器具のLED化によりビル全体の電力使用量は、LED化前の2019年10月~12月と比べ2020年の同期比では、21%の削減が確認できました。

LED化されたエントランス照明
LED化されたエントランス照明

「CASBEE(建築環境総合性能評価システム)」評価において“Aランク”を取得

上田日本無線(株)は、本社工場にメディカル棟を建設しました。2020年12月に落成したメディカル棟は、一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構が推奨している「CASBEE(建築環境総合性能評価システム)」について認証認定機関の(株)ERIソリューションによる評価において“Aランク”を取得しました。

CASBEEは、建築物を環境性能で評価し、格付けする手法です。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を、総合的に評価するシステムです。

CASBEE建築評価認証書
CASBEE建築評価認証書
    CASBEEの特徴は、建築物の環境に対する様々な側面を客観的に評価するという目的から、
  • 1.建築物のライフサイクルを通じた評価ができること
  • 2.「建築物の環境品質(Q)」と「建築物の環境負荷(L)」の両側面から評価すること
  • 3.「環境効率」の考え方を用いて新たに開発された評価指標「BEE(建築物の環境性能効率、Built Environment Efficiency)」で評価すること

という3つの理念に基づいて開発されており、評価結果は「Sランク(素晴らしい)」から、「Aランク(大変良い)」「B+ランク(良い)」「B-ランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」という5段階で格付けされます。

落成した本社工場メディカル棟
落成した本社工場メディカル棟

定期炉修による断熱効果改善

日本無線硝子(株)は、小ロット多品種生産用としてのポット炉と生産数が比較的多い中ロット生産用としての電気炉を保有しています。ポット炉は都市ガスを燃焼させてガラスを溶解します。電気炉は電力でガラスを溶解します。

同社にはポット炉は全部で9炉あります。炉を構成している煉瓦は高温にさらされ侵食されることにより断熱性能が時とともに劣化していきます。そのため各々の炉は5~6年毎に定期的に炉修を行っています。2020年度は2炉の定期炉修を行い、煉瓦の断熱効果改善で年間360m3のガス使用量を削減しました。
一方、電気炉は1炉のみですが、これも炉の煉瓦が侵食され断熱性能が劣化するため5~6年毎に定期炉修を行っています。2020年度はその時期にあたり炉修を行いました。

煉瓦の断熱効果改善で年間当り190MWhの電力使用量を削減しました。CO2換算ではポット炉と電気炉合せて年間で95 t-CO2の削減となりました。

省エネ建屋稼働

佐賀エレクトロニックス(株)では、2020年1月より2階建(一部3階)として稼働した工場棟に、省エネ設備としてLED照明、インバータ制御の外調機(外気を温調して送風する装置)、高効率の空冷チラーユニット空調機を採用しました。

クリーンルームの空調・温湿度コントロールには、冷熱源、温熱源、加湿源などが必須となりますが、空冷チラーユニットはこの冷水(冷熱源)を作る装置です。複数台のチラーを連結し負荷に応じて細やかな台数制御により必要な分だけ稼働させ、チラー1台1台もインバータ制御により必要最低限の出力で稼働させています。また、空冷化によりクーリングタワー設備が不要で省スペース化はもちろん、水資源の節約にもなります。

これらの効果により工場内の生産設備を除いた照明、空調などユーティリティエネルギー使用量が既存工場建物に対し約20%減少し450MWh/年の省エネ効果が得られています。

高効率空冷チラーユニット
高効率空冷チラーユニット

高湿度期間におけるボイラー停止による省エネ

THAI NJR Co., Ltd.では、2020年度からボイラーの常時稼働を止め、必要時のみ稼働するという運用を開始しました。

ボイラーはガス加熱により水から蒸気を生成し、クリーンルームの湿度環境を一定に保つ施設です。クリーンルーム内では湿度を一定にする管理を行っていますが、そのため決められた湿度より下がらないよう、ボイラーを24時間365日稼働させていました。しかし、同社があるランプーン県の雨季においては、高温多湿になる日が多数あります。その時期はボイラーを稼働させる必要がないため、湿度が下がる状況でのみボイラーを稼働させるという運用を開始しました。

この運用により、同社では2019年度と比較して56.8%(1,437GJ)のエネルギー削減を行いました。

ボイラー棟外観
ボイラー棟外観

ターボ冷凍機の送水温度の適正化によるエネルギー削減

リコー電子デバイス(株) やしろ工場は、半導体を製造するクリーンルームの温湿度を制御するため、ターボ冷凍機で冷水(5℃)を作って常時送水しています。

ターボ冷凍機はエアコンと同じ原理で水を冷やします。1年を通してみると、夏期は外気温度が高く、空気の温湿度制御のためにターボ冷凍機の負荷が高くなりますが、夏期以外はその負荷が低くなります。そこに着目し、夏期以外の季節ではターボ冷凍機の送水温度を高く(MAX7.5℃)設定し、水を冷やすエネルギーを最小限に抑えるターボ冷凍機の送水温度の適正化見直しにより、57MWh/年の電力消費の削減ができました。

ターボ冷凍機全景
ターボ冷凍機全景

ターボ冷凍機フロー

ターボ冷凍機フロー

熱プロセスの最適化

中国のHangzhou TMD Friction Co., Ltd.では、熱処理のプロセスとタイミングを最適化し、加熱時間の短縮とエネルギーコストの削減を実現しました。この結果、年間約10MWhの削減を達成することができました。

またスコーチ工程 では、焼き入れが不必要な製品が流動するとスコーチ工程の加熱を停止し、スコーチ工程を完全に冷却させてから製品を流動させる必要がありましたが、スコーチ工程を通らないバイパスコンベヤを新たに設けて、焼き入れ不要の製品をこのコンベヤで流動させることで、スコーチ工程の加熱、冷却の頻度を減らしました。この結果、年間約6.4MWhの削減を達成しました。

※ スコーチ工程:ディスクパッドの表面を焼き入れすることにより初期のブレーキフィーリングが良好となる。

高圧変圧器更新による省エネ

日清紡メカトロニクス(株) 浜北精機事業所では、微量PCBの含有が判明した変圧器8台の更新を機に、老朽化した高圧変電設備の更新を2019年より3期にわたって行い、2020年8月に完了しました。

今回の更新に採用した変圧器「トップランナー変圧器2014」は、省エネ法特定機器変圧器の「変圧器の性能の向上に関する製造事業者等の判断の基準等」(平成 24 年経済産業省告示 71 号)に規定する第二次判断基準の基準エネルギー消費効率以上の効率を達成した変圧器の呼称で、負荷損・無負荷損失の低減等、高い省エネ効果を発揮します。

今回の更新工事では、年間117.9MWh(53.87 t-CO2)の省エネができました。

ピーク電力および使用電力量削減

九州南部化成(株) 佐賀工場では、2020年9月より、使用電力量デマンド監視システムを導入し、目標電力に対する予測電力および残り時間で算出されるデマンド超過の危険度LED表示など「使用電力量の見える化」を開始しました。

運用では、各々の機械立上げ時にタイマーを活用し分散立上げを行う事により、ピーク電力値を抑え契約電力(最大需要電力=デマンド値)をミニマイズすることができました。

また省エネ活動では、生産計画の見直し集約化による製造ラインの待機時間削減や、作業エリア別に冷暖房の設定温度の見直しなどを行い、2020年9月~12月の成果として、32MWhの電力使用量が削減(2019年度比5%の削減)できました。換算値で温室効果ガス10.2 t-CO2の削減となりました。

LED照明導入による電力使用量の削減

南部化成(株) 本社・テクノセンターでは、2020年8月に1階製造エリアの水銀灯80灯をLED照明に更新しました。

1灯当たりの消費電力が400Wから120Wとなり、年間電力使用量72MWh、 温室効果ガス排出量32.8 t-CO2を削減しました。また平均照度は240luxから400luxと明るくなり、作業性も向上しました。

今回の更新により、既に更新している40W蛍光灯と合わせ、本社・テクノセンター内照明の67%の更新が完了しました。今後は2階事務エリアの蛍光灯(20W・30W)および外灯水銀灯の更新を進めていきます。