生物多様性

日清紡グループのSDGsへの貢献

日清紡グループは、生物多様性の活動を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。
当社グループ中期環境目標である、生物多様性保全活動の強化を達成するために、KPI を管理して計画的に対策を講じています。

※ KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

意識するSDGsゴールおよびターゲットと日清紡グループの活動

日清紡グループは、SDGs 14.2および15.5を意識し、生物多様性の保全活動を推進しています。当社グループは、愛知目標 にある自然生息地の保全、重要な生態系の保全、絶滅危惧種の保護などの活動を、国内外の拠点で進めています。

※ 愛知目標:2010年に愛知県で開催された生物多様性条約締約国会議で決定された2020年までの目標

  • 14. 海の豊かさを守ろう

    海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する。

  • ターゲット:14.2

    2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。

  • 15. 陸の豊かさも守ろう

    陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る。

  • ターゲット:15.5

    自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

生物多様性民間参画パートナーシップに参加

日清紡ホールディングス(株)は、日本国内の企業・経済団体・地方自治体など491団体(グループ登録は1団体扱い)から構成される生物多様性民間参画パートナーシップに参加し、生物多様性の保全活動に取り組んでいます。

2015年度から生物多様性保全活動を開始し、国内で9件の活動を継続しています。2020年度、新たに国内1事業所で生物多様性保全活動が始まりました。

2019年度からの第4期中期環境目標は、生物多様性保全活動を海外5事業所で展開するとしており、2020年度は海外3事業所で生物多様性保全活動が始まりました。

「経団連生物多様性宣言・行動指針(改定版)」への賛同

日清紡グループは、「経団連生物多様性宣言・行動指針(改定版)」にあらためて賛同しました。
「経団連生物多様性宣言・行動指針(改定版)」の詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/084_honbun.html#p3

経団連は、SDGsや「ポスト愛知目標」など内外の大きな流れを受け、本宣言・行動指針の改定を行いました。改定された宣言は「自然共生社会の構築を通じた持続可能な社会の実現」を目指すものです。
また、今回経団連は、「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」を公表しました。これには改定版宣言・行動指針への賛同を表明した236企業・団体名(ロゴマーク)および「将来に向けた取組方針および具体的取り組み事例など」が掲載されており、当社グループも紹介されています。

経団連生物多様性宣言イニシアチブ

経団連生物多様性宣言イニシアチブ

「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」について、下記URLを是非ご覧ください。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/084_honbun.html#p3

当社グループは2009年、経団連が制定した「経団連生物多様性宣言・行動指針」に賛同し、調査・教育期間を経て2015年から生物多様性保全活動を開始し、活動範囲を拡大してきました。

※ 「ポスト愛知目標」:2020年以降の生物多様性に関する世界目標のこと

日清紡グループの生物多様性保全活動

国内10事業所

会社・事業所 関連する愛知目標
活動内容
保護生物等
日本無線(株)
目標6: 水産資源の保全

活動:

東京海洋大学と連携し、東京湾の水産資源の保全活動の基礎データ収集
保護生物等: 漁業者の視点に立ったマアナゴの生息調査
データ収集装置装着のマアナゴ漁船
データ収集装置装着のマアナゴ漁船
長野日本無線(株)
本社工場
目標5: 自然生息地の保全

活動:

事業所近くの森林「長野日本無線の森(長野市松代町、0.4ha)」への植樹・保全
保護生物等: カラマツ林によって育まれる生態系または固有種(保護生物等は未特定)
植樹・保全活動
植樹・保全活動
新日本無線(株)
本社および川越製作所

日本無線硝子(株)
本社工場
目標11: 重要な生態系の保全

活動:

事業所(埼玉県ふじみ野市)近くの新河岸川の水辺環境の保全
保護生物等: 新河岸川周辺の動植物(保護生物等は未特定)
水辺環境保全活動
水辺環境保全活動
日清紡ブレーキ(株)
館林事業所
目標12: 絶滅危惧種の保全

活動:

群馬県邑楽郡邑楽町中野沼西沼の保全活動
保護生物等: キンブナ(環境省:絶滅危惧Ⅱ類)等
外来種駆除活動
外来種駆除活動
日清紡メカトロニクス(株)
美合工機事業所
目標11: 重要な生態系の保全

活動:

事業所内の増田公園にトンボ類の生息環境創出
保護生物等: トンボ(アジアイトトンボ、ギンヤンマ等の飛来・繁殖を期待)
外来スイレン駆除
外来スイレン駆除
日清紡ホールディングス(株)
中央研究所

日清紡ケミカル(株)
土気事業所
目標12: 絶滅危惧種の保全

活動:

周辺山林(千葉市緑区大野台)に自生している貴重な植物の調査・保護・増殖
保護生物等: キンラン(環境省:絶滅危惧Ⅱ類、ラン科キンラン属の多年草)
キンランの保護
キンランの保護
日清紡テキスタイル(株)
藤枝事業所
目標12: 絶滅危惧種の保全

活動:

事業所内の池の水質保全
保護生物等: ミナミメダカ (環境省:絶滅危惧Ⅱ類)
ミナミメダカ保護池
ミナミメダカ保護池
日清紡テキスタイル(株)
他2社
徳島事業所

日清紡テキスタイル(株)
吉野川事業所
目標12: 絶滅危惧種の保全

活動:

徳島県から譲渡される魚の稚魚を防火水槽で増殖し、数年後には河川放流
保護生物等: カワバタモロコ(徳島県:絶滅危惧ⅠA 類、 環境省:絶滅危惧ⅠB類 )
カワバタモロコ
カワバタモロコ

海外5事業所

会社・事業所 関連する愛知目標
活動内容
保護生物等
深圳恩佳升科技有限公司
(中国)
目標12: 絶滅危惧種の保全

活動:

事業所内での保全活動
保護生物等: 桫椤(日本名:ヘゴ)および珙桐(日本名:ハンカチノキ)(中国一級重点保護植物種)
植樹・保全活動
植樹・保全活動
THAI NJR CO.,LTD.
(タイ)
目標11: 重要な生態系の保全

活動:

クン・ナム川の上流にある森林地帯での、植樹ならびに堰堤作り
保護生物等: クン・ナム川周辺の動植物(保護生物等は未特定)
堰堤作り作業風景
堰堤作り作業風景
Nisshinbo Somboon Automotive Co., Ltd.
(タイ)
目標11: 重要な生態系の保全

活動:

ラヨーン県プラセ盆地のマングローブ植林活動
保護生物等: マングローブ内に生息するカブトガニ、エビ、貝類などの生態系保護
マングローブ植林活動
マングローブ植林活動
Nanbu Philippines Incorporated
(フィリピン)
目標11: 重要な生態系の保全

活動:

マアリマンゴ川の清掃活動による生物の生息環境保護
保護生物等: マアリマンゴ川周辺の動植物(保護生物等は未特定)
清掃活動風景
清掃活動風景
PT. Nikawa Textile Industry
(インドネシア)
目標12: 絶滅危惧種の保全

活動:

事業所内での保全活動
保護生物等: Cycas Javana(インドネシア絶滅危惧種EN)
植樹・保全活動
植樹・保全活動

日清紡グループの活動事例

新河岸川の水辺環境保全の継続

日本無線硝子(株)は、2015年3月から毎年春と秋の年2回、近隣のNPOが主催し、ふじみ野市が後援している新河岸川清掃美化活動に参加しています。2020年度はコロナ禍の影響で秋の開催が中止となり、春のみの参加となりました。

生態系を豊かにする環境保全活動への参加

2020年7月、タイ工業団地(IEAT)が主催する環境保全活動にTHAI NJR CO., LTD.から18名の従業員が参加しました。これはランプーン県ムアンランプーン郡マクアチェー地区のクン・ナム川の上流の森林地帯で、行政機関や地域住民と協力し、植樹や堰を作る活動です。

この活動の目的は、工業団地の背後にある山々を流れる小川(最大河川幅約3m)に堰を建設することにより、水の流れを減らして生態系を豊かにすることです。使用した主な材料は、竹、石、土などの天然素材にセメントを混ぜたものです。堰は水生生物の生息地としても機能します。更に、堰によりできる「水のプール」は、川の乾季でも、鹿、象、野鳥などの森林動物に水飲み場を提供します。また、干ばつの時期に村人に水を供給することもできます。

堰てい建設作業
堰てい建設作業

河川清掃による水環境の改善

2020年11月、ランプーン市役所が主催する環境保全活動にTHAI NJR CO., LTD.から31名の従業員が参加しました。これはロイクラトン祭りで発生したごみを収集する活動です。

ロイクラトン祭り(ロイカトーンフェスティバル)は、日本でいう灯篭流しのようなもので、太陰暦12月(毎年11月)の満月の夜に行われる、タイの有名な伝統行事です。この行事はタイ全土の各地で行われ、バナナの葉などで作った蓮の花や船の形をした灯篭を川に流し、水(の女神コンカー)に感謝し、自身の不幸や災いを洗い流し、魂を清めます。

「クラトン」は、「灯篭」を意味します。村人たちがクラトンを川に浮かべて祈りを捧げた翌日にはゴミとなり、川に浮かぶ灯篭を回収します。この活動は、川に生息する水生動物の生態系を保護します。

河川清掃活動
河川清掃活動

工場周辺の河川浄化活動および環境美化活動

韓国のSaeron Automotive Corporation (SAC) では2008年から工場周辺の河川浄化活動および環境美化活動を継続しています。

毎月1回の定期活動をすることで、従業員の自然保護意識の向上及び生物多様性の保護に努めています。
2020年11月には約100人の従業員がゴミを拾い、収集したゴミを分別して会社周辺の生物多様性の保全に寄与しました。このような環境美化活動は、会社の近くにある河川から農業用水の供給を受けている住民にも肯定的に受け取られており、地域社会に役に立つ活動として続けていきます。

増田公園 トンボビオトープ計画

日清紡メカトロニクス(株) 美合工機事業所では、敷地内にある増田公園でのトンボビオトープ計画基本方針を掲げ活動を継続しています。

新たな種のトンボ類の進出を促すトンボ池の整備を中心に外来種であるアメリカザリガニの駆除、池に密生している外来スイレンの育成抑制、また準絶滅危惧種に指定されている昆虫類等の生息確認などを行っています。中でも子ども達による昆虫探しでは看板に表示されている写真と見比べ一喜一憂、楽しみながら生物多様性保護に繋がる環境活動を行っています。

2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により従業員の家族、子ども達のボランティアは募らず、従業員のみによる除草、周囲観察路の整備作業を11月に1回実施しました。

2021年度も大々的にボランティアを募集しての活動は厳しい状況ですが、少人数でも可能な観察路の整備およびトンボ池に飛来する新種のトンボ類の撮影にチャレンジしたいと思います。

ビオトープの案内板
ビオトープの案内板
除草・周囲観察路の整備作業に参加された皆さん
除草・周囲観察路の整備作業に参加された皆さん

絶滅危惧種「カワバタモロコ」の増殖活動拡大

日清紡テキスタイル(株) 徳島事業所では、日清紡ホールディングス(株)、日清紡ケミカル(株)、ダイオーペーパープロダクツ(株)とともに、徳島県と協定を締結し絶滅危惧種「カワバタモロコ」の譲与を受け防火水槽を活用して増殖活動に取り組んでいます。2017年度より増殖活動を開始して今年で4年目となりました。200匹のカワバタモロコから始まり毎年確実に増殖が行われており、2020年度は236尾の(149%)増殖となり絶滅危惧種の保護に貢献しています。

同社吉野川事業所でも徳島県と鳴門産のカワバタモロコの飼育に関する協定書を交し、徳島事業所内で飼育している個体30匹を譲り受け、飼育を開始しました。県との協議に参加する中で、既にカワバタモロコの飼育活動を行っている県立高校生徒との交流の機会があり、事業所に来場してもらい飼育に関する打ち合わせを行いました。今後も継続的に相互協力して活動していきます。

ビオトープ(吉野川事業所)
ビオトープ(吉野川事業所)