もともと紡績から始まった会社ですが、先端テクノロジーに関わるなど事業展開が多岐にわたるのも、経営的に見ればリスクヘッジになっていますし、広義で安定成長していると思ったことも、理由のひとつです。世界的に見れば繊維業界もまだまだ成長産業であり、紡績の分野だけ見ても、海外展開が積極的で、先輩方はインドネシアや中国などへ出張で技術指導に行かれています。
研究開発職とはいえ、施設内でずっと研究に明け暮れているわけではなく、行動的な部分は入社前のイメージと異なる部分です。私自身は、共同研究先や他部門の拠点、試験の立ち会いなど、国内の様々な場所へ出張しています。また、試験のスケールの大きさも入社する前よりもはるかに大きく入社当初は非常に驚きました。
日々異なるので言葉に表すのが非常に難しいです。
例えば最近では下記の通りです。
現場試験準備→現場試験→性能チェック→反物出荷手配等(→後日試験立ち合い)→次試験立案。
(同時並行してビーカー試験→性能チェック)
新商品の開発を目指して日々取り組んでいますが、売れる商品の開発を行うというのは非常に難しい課題です。その中で私は、テキスタイルの機能加工およびセルロース改質技術開発をメインに行っています。主力商品であるアポロコット(形態安定加工)技術を活用したシャツ以外の用途開発を行っています。また、現状リリースされている商品に使用されている素材のバージョンアップというイメージで、汚れにくく、汚れてもすぐに落ちる“真の防汚”というジャンルにも取り組んでいます。
見極めるのも大事なことですが、やれると思ったことは諦めずに執念深く課題を一つずつクリアしていくことです。私は上記のアポロコット技術を用いてハンカチの展開を行っています。現状は染色した後に形態安定加工を施すのですが、クイックレスポンスやコスト等を含めて、形態安定加工後に染色するということが求められています。当初は非常に難しいと言われていた課題ですが、古い参考書を改めて読み直したり、実際に染色工場に行ってその道のプロにお話を伺ったり、実際その場で試験を行ったりと試行錯誤してようやく形が見えてきました。
入社1年目から、研究テーマを自分で考え、自分で計画立案して研究を進めさせて頂けたことです。先輩方に気兼ねなくアドバイスを頂けるなど、様々な意見が得られやすいことも大きいです。そんな中で、その分野の権威と共同開発で新しいアプローチに挑戦することができ、公的研究機関と共同で綿繊維の風合いを損なわずに汚れが全く付かない性質を持たせる研究など経験させてもらいました。また、実験が成功したときなどは達成感を得ることができます。
"為せばなる"という諦めない姿勢をモットーに仕事を進めています。研究を進めていく上でチームの人数が少ないということもありますが、一人で研究に没頭して視野が狭くなりがちになりますので、積極的に先輩社員や大学、公的研究所の先生や営業も含めた関係者の方々に意見を頂ける様に心掛けています。現場の試験でもできる限り実際立ち合って、自分の目で見て、問題点や改良点をその場で考えて今後の研究開発に落とし込むことを意識しています。
日本でできないことは、海外へ行ってもできないので、まずは日本で本物の実力を付けたい。開発者である我々も常に消費者目線に立ち、日本国内だけでなく世界でも受け入れられる商品を開発していきたい。
まじめ
休日はアウトドア派です。いつも、どこかに出かけています。車で京都に行ったり、お寺巡りをしたり。先日は、上司に誘われ、先輩と3人でキャンプ。気軽なキャンプかと思ったら、本格的なキャンピングカーをお持ちで、大変ビックリしました(笑)