研究開発活動

持続可能な社会づくりに貢献する製品・技術開発にさまざまな面から取り組んでいます。

日清紡グループは、培ってきた保有技術を活かし、4つの戦略的事業領域において持続可能な社会づくりに貢献する技術・製品の開発に取り組んでいます。研究にあたっては、“環境・エネルギー”を軸としてさまざまなテーマに取り組んでおり、なかでも再生可能エネルギーの利用促進やカーボンニュートラルを実現する研究に注力しています。

“環境・エネルギー”を軸に多様なテーマで研究を実施

ミリ波通信デバイス スマートファクトリー プラントファクトリー イオン液体 機能性微粒子 カーボンアロイ触媒

カーボンアロイ触媒

触媒を安定に安く

燃料電池の本格的な普及にあたっては、低コスト化が最大の課題となっています。そのカギを握るのが新たな触媒の開発です。

燃料電池は水素から電気化学反応によって電気を取り出す装置で、反応を促進させるために、触媒機能を持った電極を用いています。その主原料が高価で希少な白金であることが、燃料電池の高コストの一因となっています。

当社が群馬大学の尾崎教授と共同で開発している「カーボンアロイ触媒」は、安定的に工業生産が可能なカーボン(炭素)を主原料としています。高価な白金触媒をこれに置き換えることで、燃料電池の製造コストを大幅に削減することが可能になります。

この「カーボンアロイ触媒」は、Ballard Power Systems Inc.(Ballard社)※のポータブル燃料電池に採用されています。固体高分子形燃料電池の電極に「非白金触媒」が実用化されるのは、世界初となります。ポータブル燃料電池用途での実績を重ね、さらに大きな市場へ挑戦して行くことにより、これからの水素社会の実現に貢献してまいります。

※Ballard社・・・ナスダック上場、所在地:カナダ・ブリティッシュコロンビア州

カーボンアロイ触媒
カーボンアロイ触媒
カーボンアロイ触媒を使用したBallard社製ポータブル燃料電池
カーボンアロイ触媒を使用したBallard社製ポータブル燃料電池

機能性微粒子

光拡散性に優れた粒子

近年、各種基幹産業の主要素材としてさまざまな用途に使用されているポリマー微粒子。その形状は、一般的には真球状をしています。日清紡グループでは、これを楕円状・棒状のような非球状にすることで、新たな特性を引き出す研究を進めています。

例えば、楕円状ポリマー微粒子は光拡散特性に優れており、添加量、配置、他の微粒子との組合せなどによって、特異的な光学特性を示す可能性があります。また微粒子の大きさ、アスペクト比(長径/短径)を調整することによって 、独特の流動特性を示すこともわかってきました。

こうした特性を活用することで、新たな特性を持った素材の開発や、既存の素材の性能向上に大きく寄与するものと考えています。

真球状と非球状のポリマー微粒子
※当社の楕円状ポリマー微粒子はアスペクト比が3以上と大きい事が特徴

イオン液体

安全でグリーンな液体の塩

イオン液体とは 「室温で液体である塩」のことです。塩は高温でなければ液体にならないというそれまでの常識を覆した物質であり、機能材料として用いることで、さまざまな特性を発揮します。

イオン液体の主な特徴

  • イオンのみからなる新しい媒体
  • 高いイオン伝導性
  • 高い安全性(不揮発性、不燃性)
  • 高い熱分解温度
  • 広い液体温度範囲
  • 物質の溶解力が高い
固体円とイオン液体
固体塩 (左) イオン液体 (右)

日清紡グループでは以下のような独自の構造のカチオンを有するイオン液体を開発し、商品化しています。その電気化学安定性を活かせる電解液分野を中心として応用分野の開拓を進めるとともに、新たな性能を有するイオン液体の研究開発にも取り組んでいます。

イオン液体の化学構造図
イオン液体の化学構造図

プラントファクトリー

おいしいいちごを通年供給

世界的な異常気象や人口の増加に伴い、食糧を確保することは人類にとって大きな課題となっています。安心・安全な食べ物を安定的に供給するため、当社は、完全密閉型の工場内で植物を栽培する技術開発に取り組んでいます。その結果、完全人工光型の植物工場で、通常は旬の季節にしか実らないおいしいいちごを気温・天候に左右されずに通年栽培することに成功しました。これは国内でも初めての事例です。2011年度に徳島事業所、2013年度には藤枝事業所に生産設備を導入し、「あぽろべりー」のブランド名でいちごを栽培・販売しています。

完全制御型植物工場
苗の植え付けが完了した藤枝事業所の完全制御型植物工場
あぽろべりー®
試験ラインで栽培された藤枝事業所産の「あぽろべりー®」

スマートファクトリー

日清紡グループの環境・エネルギー技術を集結した実証実験を推進

昨今、エネルギーの有効利用という観点から、再生可能なエネルギーや、エネルギーを統合的に管理するスマート化技術の導入が急がれています。

こうした社会のニーズを受けて日清紡グループでは、太陽電池や燃料電池などのクリーンエネルギーによる「発電システム」、二次電池を利用した「蓄電システム」、そしてこれらの設備と消費電力を一体的に管理して効率的運用を行う「EMS(エネルギーマネジメントシステム)」からなるスマートファクトリーの実証実験をおこなっています。

なかでもEMSはスマート化のコア技術であり、今後はさらにニーズが高まるものと予想されています。

スマートファクトリー外観
スマートファクトリー外観
EMS 外観
EMS 外観
必要な電力の見える化
発電/消費電力はモニター(写真左)で「見える化」を実現

ミリ波通信デバイス

「あっという間のダウンロード」を可能に

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末の高解像度化が加速し、デジタルカメラやデジタルビデオの高画質化もあって、消費者が扱う情報量は増加の一途をたどっています。

開発中のミリ波通信デバイスは、スマートフォンやタブレット端末などの情報家電で活用できる高速な無線通信手段です。大容量化するデジタルコンテンツ情報をストレスなく送受信できるようにし、快適な暮らしの実現に貢献します。

次世代トランスファージェット
次世代近接通信