中期経営計画

目指す姿

日清紡グループの目指す姿

  • 日清紡グループは「事業活動を通じて社会に貢献すること」を使命とし、社会に貢献できる領域を軸に事業の組み換えを続けてきた
  • これからもグループの強みを生かしたソリューションを提供することで、社会課題の解決に貢献することを目指す

目指す姿

つなげる技術で価値を創る

Connect Everything, Create Value

センシング・無線通信・情報処理技術で、社会課題へソリューションを提供します

We provide solutions to social challenges through sensing,wireless technology and information processing technology.

当社を取り巻く中長期的な事業環境変化及び事業機会

気候変動対策への要請の高まり
  • 温室効果ガス排出量削減や省エネに貢献する製品へのニーズの増加
  • 激甚化する災害への対応ソリューションが益々重要に
人口動態の変化(少子高齢化・労働力不足)
  • 産業機器・交通の自動化による省人化や安全性向上に対する需要拡大
  • 遠隔医療・見守りサービス等へのニーズの増加
デジタル社会の発展
  • サイバー空間とフィジカル空間がシームレスにつながる社会が到来
  • 個人のニーズを捉えた情報・製品・サービスの提供や、あらゆるプロセスの省人化・自働化・効率化が拡大

日清紡グループ企業理念

挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。

中期経営計画の位置づけと重点施策

つなげる技術で価値を創る つなげる技術で価値を創る

2024-2026重点施策

1 事業ポートフォリオ変革の追求
  • 無線・通信/マイクロデバイス事業を軸にした成長の加速
  • 成長投資と事業の見極めの推進
  • 企業理念、成長性、事業収益性、資本収益性を意識した評価
2 将来の成長に向けたビジネスモデル構築と経営資源の重点投入
  • 無線・通信/マイクロデバイス事業への積極投資とデジタル技術を活用したビジネスモデルの構築
3 経営基盤の更なる強化による経営リスクの低減
  • 人権の尊重
  • 環境負荷に配慮したビジネスの展開
  • 多様な人財の獲得・育成、活躍の促進
  • 責任あるサプライチェーンの構築
  • コーポレート・ガバナンスの実効性向上

事業ポートフォリオ

事業ポートフォリオ変革の方向性

2009-2023-2026-2027目標 2009-2023-2026-2027目標
無線・通信/マイクロデバイス事業の
売上高構成
営業利益における
無線・通信/マイクロデバイス事業の比率
2009年度 21% -
2023年度 44% 46%
2026年度 65% 70%
2035年度 80%以上 80%以上
営業利益率 ROIC ROE
2023年度 2.3% 2% -7.8%
2026年度 6.5% 6% 10%
2035年度 10%以上 8%超 10%超

事業ポートフォリオ変革の方向性

“2035年近傍の目指す姿”の実現に向けて、事業ポートフォリオの変革を推進すべく、企業理念や成長性、事業収益性、資本収益性等を踏まえて事業の見極めを行い、経営資源配分の最適化を進める

これまでの事業ポートフォリオ組み換え

  • 無線・通信/マイクロデバイス事業の拡大
  • 収益性の観点を軸に課題事業の再構築を推進

本中期経営計画における事業ポートフォリオ変革の方向性

  • 経営資源配分を最適化することで、注力領域へ積極的に投資し、ノンコア領域の事業の見極めを進める
  • 日清紡グループの企業理念との整合性や成長性、事業収益性、資本収益性、業界における競争力等を重視する
  • 事業別のWACC/ハードルレートの設定による、事業特性・リスクを踏まえた評価を実施する
無線・通信/マイクロデバイス事業
  • 注力領域としての位置づけの確立と成長の加速
  • デジタル技術を活用したビジネスモデルの構築
マテリアル事業(ブレーキ・精密機器・化学品・繊維)
  • 環境貢献や無線・通信/マイクロデバイス事業とシナジーのある、高収益領域を中心に伸長を図る
  • 伸長する領域と縮小・撤退する領域を見極める
不動産事業
  • 保有する資産を継続的に分譲

事業戦略

無線・通信事業

目指す方向性

社会インフラシステムの提供やアフターサービスを中核とした収益性の高いポートフォリオの構築
  • 日本無線グループと日立国際電気グループ※の強み(画像認識技術や5G関連の無線通信技術等)を活かしたシナジー創出
  • 継続的なポートフォリオの見直しによる事業の収益性引き上げ
  • コスト構造改革・棚卸資産削減を通じたCF創出力・収益性の向上
  • JRCモビリティは、次のステージに向けて、コネクテッド、センシングシステム、モビリティインフラ等の成長分野に対する仕込みを行う

※2023年12月 連結子会社化

定量目標

無線・通信事業定量目標

マイクロデバイス事業

目指す方向性

アナログ技術を基軸に顧客提供価値を創出し、社会やお客様の課題解決に貢献
  • アナログ半導体市場の成長を捉えた売上拡大の維持
  • 複合機能IC、モジュール等の高機能製品へのシフトを通じた収益性向上
  • 音・におい・マイクロ波等の特色のあるセンサーを活用したアナログソリューションデバイスの展開
  • 電子デバイスやマイクロ波の既存技術に加え、グループ内外の技術連携を通じて、将来に向けたユニット・デジタルビジネスを展開

定量目標

マイクロデバイス事業定量目標

マテリアル事業/不動産事業

ブレーキ事業

目指す方向性

中計期間の施策
  • 環境規制に対応した銅フリー摩擦材の拡販
  • xEV、CASEの要請に応える製品性能向上と高付加価値化
  • 中国拠点の統合を通じた合理化による採算改善

定量目標

ブレーキ事業定量目標

精密機器事業

目指す方向性

中計期間の施策
  • コア技術を活かし高付加価値製品に集中することで、より利益率の高い分野へのシフト
  • 自動車の自動運転化に向けた次世代モデル部品の生産能力の増強や、既存製品の高付加価値化による収益改善

定量目標

精密機器事業定量目標

化学品事業

目指す方向性

中計期間の施策
  • 燃料電池セパレータ向けの新工場建設や生産ライン自動化など、供給能力拡大に向けた投資を実施
  • コア技術を活かして、安全性や環境負荷だけでなく、耐久性などにも優れる製品の 研究・開発を継続

定量目標

化学品事業定量目標

繊維事業

目指す方向性

中計期間の施策
  • テキスタイル事業は、防シワ性、デザイン性、着心地、機能性等の顧客への価値訴求を通じ、大手衣料品製造小売等の新規顧客を開拓
  • シャツ再生プロジェクトの推進
  • 小売事業は、実店舗とECサイトの融合したOMOへのビジネスモデル転換

定量目標

繊維事業定量目標

不動産事業

目指す方向性

中計期間の施策
  • 計画的に保有資産を分譲(機動的な現金化)

定量目標

不動産事業定量目標

イノベーション創出に向けた取り組み

無線・通信/マイクロデバイス事業を中心に、日清紡グループのコア技術をインテグレーションし、ユーザーにとって価値のある新たなデジタルサービスを創出

日清紡グループのコア技術

センシング

独自センサーを駆使し、あらゆるものを見えるようにする

  • 電磁波・音波・カメラ・半導体等の多種多様なセンサーを活用
  • センサーフュージョンによる物標検知の高度化
  • センシング情報をデジタル化
無線通信

陸・海・空・宙をシームレスにつなぎ、情報を伝送・収集する

  • 情報量の更なる増加に対して、大容量な無線通信を提供
  • これまでつながらなかった領域でシームレス通信を実現
  • 強靭なセキュリティーの確保
情報処理

デジタル技術を駆使して新たな価値を創出する

  • 大量かつ多種多様なデータを効率的に分析
  • AI等のデジタル技術を駆使して、個人・ビジネス・社会にとっての新しい価値を創出

コア技術のインテグレーション
+外部の技術・ナレッジ、
アライアンス、M&A

ユーザーにとって価値あるデジタルサービスを提供

経営基盤強化(サステナビリティ)

経営基盤強化に向けた重要テーマ

  • 目指す姿の実現に向けて、グループ横断で経営基盤を継続的に強化する
  • 重要テーマへの対応を通じて経営リスクや資本コストを低減し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指す
  • 自社に関係するすべての人の人権を尊重・保護することを大前提とし、人権の尊重・保護・推進を意識した事業活動を推進する

経営基盤強化に向けた重要テーマと取組方針

人権の尊重
人権の尊重
  • 人権デューデリジェンスの取組みを通じ、人権の尊重・保護・推進を意識した経営体制を強化
環境負荷に配慮したビジネスの展開
環境負荷に配慮したビジネスの展開
  • 温室効果ガス排出量の削減や自然資本に関する機会・リスクへの配慮
  • 「持続可能な社会に貢献する製品」の拡販に向けたビジネスを着実に推進
多様な人財の獲得・育成・活躍の促進
多様な人財の獲得・育成・活躍の促進
  • 「日清紡グループ人事戦略」に基づく、多様な人財の獲得・育成、活躍の促進
責任あるサプライチェーンの構築
責任あるサプライチェーンの構築
  • サステナブル調達の取組みをサプライチェーン全体で推進
コーポレート・ガバナンスの実効性向上
コーポレート・ガバナンスの実効性向上
  • 実効性を伴ったガバナンスの確立に向けて、コーポレート・ガバナンス改革を継続

経営目標(財務・非財務)

財務

指標 2026年度目標
成長性 売上高 5,800億円
売上高に占める無線・通信/マイクロデバイス事業の比率 65%
収益性 営業利益 380億円
営業利益に占める無線・通信/マイクロデバイス事業の比率 70%
営業利益率 6.5%
効率性 ROE 10%
ROIC 6%
健全性 D/Eレシオ 0.7倍以下
株主還元 配当性向 40%

非財務

項目 2024年度目標
人権 ビジネスと人権に関する取り組みの推進 人権方針の策定、人権リスクの高い分野への人権デューデリジェンスの導入・促進
環境 温室効果ガス排出量の削減 2014年度比 35%以上削減
「持続可能な社会に貢献する製品」の拡販 売上に占める割合 60%以上
人財 事業推進に必要な経営幹部候補の育成 経営幹部ポスト(執行役員以上)に占める後継者プログラム受講者率の向上
人員年齢構成是正のためのキャリア採用強化 人員年齢構成是正のためのキャリア採用強化
多様な人財の活躍推進 グローバルサーベイの継続実施
女性管理職比率 6%
男性社員の育児休業取得率対象男性社員の30%以上
サプライチェーン 調達先と連携したサステナブル調達の改善実施 主要調達先(取引金額80%以上)へのサステナブル調達アンケート結果に伴う改善状況の評価100%
グローバル対応の実施 海外取引先、重要海外拠点におけるサプライチェーンへの展開方法検討と実施

※第5期サステナビリティ推進計画(2022~2024年度)における目標値