統合レポートハイライト

日清紡グループは、「事業は人なり」という考えのもと、経営基盤としての人財の育成・強化に取り組んでいます。2025年度に売上高1兆円、ROE 12%超という長期業績目標を掲げており、それを達成していく上で、実際に会社を動かしていく人財の成長を戦略的に支援していく必要があります。戦略の柱として、①経営幹部後継者の育成、②ダイバーシティの推進、③人事制度の抜本的な改定、④シェアードサービス化を置いています。

執行役員 人財・総務室長 ダイバーシティ推進室長 杉山 誠
執行役員
人財・総務室長
ダイバーシティ推進室長
杉山 誠

次世代を担う経営幹部を計画的に育成する

当社グループでは、新入社員から中堅幹部、新課長、新部長へとつながる階層別研修を実施していますが、2014年度より、将来の経営幹部後継者を育成するための専門プログラムを導入しています。そのプログラムでは、グループ各社から推薦を受け、経営戦略会議の審査を経て選抜された人財が、1年半をかけて外部研修や実践型のワークショップを通じて、経営者としてのマインドや役割行動を習得するものです。毎年約10名の社員が選抜され、経営幹部としての資質を磨いていきます。

当社は成長企業として、事業戦略上、将来いくつもの新規事業が立ち上がることを見据え、これらを推進できる人財を至急確保していく必要があります。グループの人財を計画的に育成する仕組みをつくることが、日清紡ホールディングス(株)の重要な責務であるといえます。

経営幹部後継者の計画的育成 全体像

経営幹部後継者の計画的育成 研修体系

ダイバーシティの推進

女性社員の活躍推進については、経団連が2014年4月に提言した「女性活躍アクション・プラン」に基づき、2014年12月に女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画を公表しました。2020年までの目標として、①女性取締役の登用、②女性管理職の数を現在の3倍、③女性新卒総合職の採用比率を事務系4割、技術系2割としています。この自主行動計画をベースに、グループ各社は女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、主に女性の管理職数や採用比率など具体的な目標を設定し、積極的に活動を進めています。2015年に女性取締役を登用し、2017年に事務系の新卒総合職の女性採用比率を達成しました。計画最終年の2020年よりも早く全目標を達成できるよう、女性社員やその上司を対象とした各層向けの研修を実施するなど、引き続き活動を推進していきます。
シニア社員については、技術の継承や、少子高齢化が進んでいく中での重要な戦力という視点から、働きやすい環境の整備が求められています。
性別や年齢等を問わず優秀な人財にできるだけ長く活躍してもらうことが、会社の発展につながっていくと考えています。

グローバルに活躍する人財を育てる

当社グループは1970年代に海外での事業活動を開始し、現在24カ国・地域に131社の拠点があります。そのような事業環境の中で、グローバルに活躍する人財を育てるために、国内では35歳未満の若手社員を対象とした海外経験促進策や語学力向上のための研修などを行っています。
海外人財については、日本へ留学経験のある学生を国内で総合職として採用しており、海外子会社においては現地で雇用した人財を幹部に登用するなど、活躍の場が広がりつつあります。グローバル企業として発展していく上で、今後は各社が経営幹部レベルで連携を強化し、グループ全体のグローバル展開力を高めていく必要があります。

事業の垣根を越えたコミュニケーション

企業が成長していく上で、組織の活性化は不可欠です。2009年のホールディングス体制化以前には、部署を越えた交流が活発に行われていましたが、同体制により、事業が分社化されたため、中間層以下が情報を交換し合う機会が減少していました。そこで、2016年12月より、新規事業開発本部と人財・総務室が主催し、グループ各社の30歳くらいまでの若手社員を対象にした将来のビジネスを見出していくためのワークショップを開始しました。グループ各社から選抜された対象メンバーは経営トップへのインタビューを行い、またメンバーで討議を重ねて、最終的には将来の事業ポートフォリオについて経営層へ提言することになっています。これらの活動を進めていくことは、今後、会社が成長を遂げていく上で大きな原動力になっていくものと思っています。

人事制度の改定とシェアードサービスの導入

日清紡グループは、かつての繊維業から、エレクトロニクスとオートモーティブを中心に、技術力で人類社会に貢献する「環境・エネルギーカンパニー」グループへと発展を続けています。この体制下において、人財の交流を活発化し、異事業間のシナジーによってグループの成長を遂げるためには、人事制度・評価体系をグループ全体で同じフレームワークにしていくことも重要です。年功序列型賃金体系を改め、職務と発揮能力によって処遇が決まる制度への改定を順次実施しています。
一方で、会社の規模が拡大していく中で、業務が複雑かつ煩雑になり、重複する部分も見られます。現在、人事や経理、法務や総務、知財など、間接部門の業務を合理化し、効率的な会社経営につなげるべく、シェアードサービス化を進めています。