安全と健康

日清紡グループは労働安全の行動指針である「安全最優先を基本として事業活動に取り組む」との考えに立ち、計画的な安全衛生活動を実施することで、一人ひとりの心身の健康管理の推進と、安全で働きやすい職場環境の形成を目指しています。

安全衛生活動

2016年度は、安全衛生目標を「重大災害0件」「国内休業度数率※10.3以下」「海外休業度数率0.2以下(TMDグループを除く※2)」として活動に取り組みました。

この目標達成のため、「『安全はすべてに優先する』意識の徹底」と「リスクアセスメント(作業、設備、化学物質)の推進の継続」「設備のリスク低減対策の水平展開の推進」を重点方針としてグループ各社に展開しました。なお、安全衛生の2016年度活動期間は4月~12月となっています。

各事業所では年度計画に従い、計画的に作業、設備、化学物質に対するリスクアセスメントを行い、優先順位を決めて予防対策を順次実施し、危険予知トレーニングやヒヤリハット報告などの小集団活動を通じて災害の防止に努めています。

さらに、リスクアセスメントの考え方や実施方法についてグループ内研修会を開催し、各社の安全担当者の理解を深め、レベルアップに取り組んでいます。また災害が発生した際には、速やかに再発防止対策を行うとともに労働災害発生報告をグループ全体に展開し、類似災害の防止を図っています。

※1 休業度数率:労働時間100万時間あたりの労働災害による死傷者数で休業災害発生の頻度を表す指標

※2 TMDグループは災害発生頻度を把握する基準が異なるため、別管理をしています。

労働災害の発生状況

2016年度に重大災害(障害等級6級以上の災害)の発生はありませんでした。

災害の発生頻度を表す休業度数率は、国内事業所については国内の製造業平均値を下回る0.39となりましたが、2015年度の0.32に比べ悪化しました。海外事業所についても0.71となり、2015年度の0.23に比べ悪化しました。国内、海外とも休業度数率は目標未達となりましたが、災害が多発した事業所について引き続き重点指導を実施し、グループ全体の安全管理レベルの向上に努めていきます。

休業度数率推移

日清紡精密機器(上海)での教育風景

海外事業所の活動

日清紡グループのグローバル化が進展し、海外の事業所数は国内を上回っています。国内事業所で発生した労働災害の再発防止の取り組みを海外全事業所においても展開するよう、グループ各社の経営層や安全事務局が現地で指導しています。

2016年度は、2015年度に国内グループ事業所に展開した日清紡ブレーキの危険体感教育機材を海外事業所にも展開し、災害を疑似体験することで作業員一人ひとりの危険感受性を高め、安全意識の向上を図りました。

また、化学物質の危険性の周知と保護具使用の徹底を継続し、健康障害の防止にも努めています。

安全衛生監査

日清紡グループでは、国内製造事業所を対象に定期安全衛生監査を実施しています。当社安全衛生管理グループ、労働組合、各事業代表の安全衛生管理責任者、他事業所の安全衛生管理者で編成した監査チームが、対象事業所の安全衛生管理状況を確認しています。2016年度は29製造事業所の定期安全衛生監査を実施しました。

これらの監査結果は、毎年年度末に総括監査報告としてまとめ、災害リスクの分析結果や優良な活動事例をグループ内に展開し、翌年度の労働安全衛生活動に活かしています。

マネジメントレビュー

日清紡グループの安全衛生目標の達成状況、労働災害の発生状況、安全衛生監査結果などについて、当社経営戦略会議でマネジメントレビューを実施すると共に、翌年度の活動方針、目標の設定を行っています。

日清紡ブレーキ 安全道場

安全道場は日清紡ブレーキ(株)が豊田事業所に開設した教育施設で、巻き込まれ災害、腰痛災害、5S推進など13テーマの教育屋台で構成されています。ここでは講義中心の一方的な安全衛生教育ではなく、身近な危険を題材に労働災害の恐ろしさを疑似体験する危険体感教育や受講者自身が参加する参加型学習を行っています。例えば、巻き込まれ災害教育屋台では、「巻き込まれ災害の恐ろしさを実感する」を目的とし、ローラー、チェーンおよびドリルによる巻き込まれ体感ができます。腰痛災害教育屋台では等身大のモデルを使って、重量物を持つ際に腰部にどの程度の力が加わるかを目で見て学べます。また5S推進教育屋台では、冷蔵庫内の5Sを通じて5Sの定義、実施方法、効果を体得できます。同事業所の作業内容に合った教材を自ら考案し、創意工夫にあふれる体感装置を作製している事例として、2016年7月発行の労働安全衛生専門誌「安全スタッフ」にも紹介されました。

2015年度からは教育屋台を増設し、日清紡グループの海外事業所(韓国1事業所、中国6事業所、タイ4事業所、英国1事業所)に展開してきました。今では、海外事業所が自ら教育屋台を作製し教育を行うなど、海外でも安全道場教育が定着しつつあります。今後はさらにヨーロッパ、アメリカへ展開すると共に、新たなテーマの教育屋台の開発にも注力していく予定です。

日清紡精密機器(上海)での教育風景
日清紡精密機器(上海)での教育風景
英国TMDハートルポール事業所での教育風景
英国TMDハートルポール事業所での教育風景

TMD 安全活動

TMDグループではすべての社員が積極的に労働災害防止と職場環境の改善に取り組み、2011年度に90件あった休業災害を2016年度に60%以上削減できました。特にクロツワルド(フランス)、キルマノック(英国)、バレンシア(スペイン)の各拠点では、無災害日数が1,000日を超える結果となり社内外の表彰を受けました。

労災保険基金による表彰式(クロツワルド)
労災保険基金による表彰式(クロツワルド)

健康管理

近年、社員の健康を重要な経営資源としてとらえ、健康増進に積極的に取り組みながら企業の生産性向上を同時に追求する「健康経営」が注目されています。2017年度からは健康保険組合と連携して優良な健康経営を実践している企業を顕彰するため「健康経営優良法人2017(大規模法人部門)~ホワイト500~」の認定が開始され、日清紡ホールディングス(株)と新日本無線(株)が認定されました。

日清紡グループでは、ストレスチェックを法令上実施義務のない従業員50人未満の事業所も含めて実施しました。また、産業保健スタッフが中心となって各事業所のニーズに合わせたメンタルヘルス研修を実施しています。

健康診断については受診後の確実なフォローと心身の疾病予防を軸とした健康管理を行い、健康を損なうリスクの一層の低減を目指して種々の施策を実行しています。例えば、健康診断結果に応じた産業医の面談や保健師による保健支援を行い、最終的には医療機関での受療までをサポートすることにより生活習慣病の予防を図っています。

さらに、家族の健康診断受診率の向上を図るため、健康保険組合と連携して事業所での集団健診に加え外部医療機関による受診機会を増やす取り組みを行っています。

また、社員の健康に対する意識向上につなげるため、各種の健康測定機器を使った「体験型健康展」の事業所での開催やイントラネットを使った健康課題の見える化など健康情報の発信に努めています。

体験型健康展(日清紡ホールディングス本社)
体験型健康展(日清紡ホールディングス本社)
ホワイト500
ホワイト500

新日本無線 健康経営

新日本無線(株)は、2016年4月に「ヘルシーカンパニー宣言」を公表し、「従業員および組織の健康が全ての基盤」であるとの認識の下、「いきいき」とした社員が「わくわく」して働ける企業グループを目指した健康経営をスタートさせました。

初年度の取り組みとして受動喫煙対策を行いました。具体的には、中期的な建屋内禁煙実施に向けた取り組みの第一歩として、従来の「空間分煙」に加え、新たに「時間分煙」を追加することで、就業時間中の喫煙可能時間を限定する施策を行うとともに、喫煙者に対する卒煙プログラムを実施したことで、同社の喫煙率は1年で4ポイント低下しました。

DBJ健康経営格付 認定証
DBJ健康経営格付 認定証

その他、運動習慣付けの施策「+10ウォーキングチャレンジ」やストレスチェックなどを活用した組織活性化対策などを独自の取り組みとして行っています。

そうした取り組みが評価され、「健康経営優良法人2017(大規模法人部門)~ホワイト500~」に加えて、日本政策投資銀行が実施する「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」の評価において最高ランク(Aランク)も取得しています。