輸送量の削減

基本的な考え方

日清紡グループは、「行動指針」 に環境負荷への認識と配慮を掲げ、輸送量の削減活動を推進し、すべての人びとにとって安心・安全な社会を誠実に実現します。当社グループの環境目標に温室効果ガス※1 の排出量削減を掲げ、KPI※2 を管理して計画的に対策を講じています。積載効率の向上や配送距離の短縮などを通じて輸送量を削減し、温室効果ガス排出量の削減に努めています。

※1 温室効果ガス排出量は、Scope1+Scope2が対象

※2 KPI:Key Performance Indicator 業績管理指標・業績評価指標

推進体制については、「環境への取り組み」にあります「推進体制」の記載をご参照ください。

日清紡グループの具体的な取り組み

貨物輸送量

日清紡グループの貨物輸送量実績は、157.68百万トンキロと前年度比 6%増加しました。売上当たり貨物輸送量は、305.5トンキロ/百万円と前年度比 5%増加となりました。ブレーキ、精密機器事業の中国拠点における輸送量が回復したことなどにより、昨年より増加しました。

輸送量と売上当たり輸送量の推移

輸送量と売上あたり輸送量の推移

事業別の貨物輸送量はブレーキ事業が全体の84%となりました。

事業別輸送量の推移

事業別輸送量の推移

グループ会社における活動事例

物流業務の効率化

JRCロジスティクスサービス(株)では、2020年の設立以降、日本無線(株)および関連会社における物流業務の効率化に取り組んでいます。

配送計画の見える化によるムダの削除(チャーター便の有効活用、帰り便の利用)や配車組み合わせの最適化による積載率向上、大規模拠点に貨物を集中させ、そこから各拠点に分散させることで輸送距離の短縮化をはかっています。そのような取り組みを一部の運送に取り入れることで物流業務の効率化を推進しています。

従来、製品運送として各物流拠点から納入先毎にチャーター便で直送していた時に比べ、2022年度は、効率的な運送方法を取り入れることによって、全国通運連盟のCO2排出計算を用いたCO2排出量の値が従来の運送方法で算出した値よりも49 t-CO2削減することができました。

ミルクラン方式の物流運営による輸送費の低減

韓国のSaeron Automotive Corporationでは、2018年度から原価低減活動の一環として、物流車両の積載率を高めるためのミルクラン方式を導入しました。

車両の配車について、車両のトン数別や納品パレット別のガイドラインの基準を見直し、積載率を95%以上に高めることができました。また、車両の物流動線について、シミュレーションをして経由地を選定し、地域ごとにミルクラン方式を利用する物流を構築しました。

過去には、他社製品が同じ車両にあると乗り入れられない納品先があり、納品先ごとに車両を運行していたため、積載率が低下して物流費が増加することがありましたが、ミルクラン方式によって、物流費を前年比6900万ウォン低減できました。

ミルクラン方式の物流運営による輸送費の低減
納品先の異なる製品の同車両積載
ミルクラン方式の物流運営による輸送費の低減

薬剤の輸入ルート変更による温室効果ガス排出量の削減

中国の日清紡績(常州)有限公司は、加工に使用する主要薬剤を日本から輸入しており、輸入する際は上海港で陸揚げ通関し、同社まで陸路(約200 km)をトラックで運搬していました。同社に近い常州港に日本から定期貨物船(1便/週)が出ていることおよび常州港でも危険薬品以外は通関できることが確認でき、陸揚げ港を変更しました。

2022年下期から常州港に陸揚げ通関し陸路(約5 km)をトラックで運搬するルートへ変更した結果、1回あたりの陸路輸送距離が約195 km短くなり、輸送による温室効果ガスの排出量を前年同期比で約78%削減することができました。

上海港ルート 2021年下期実績 11,220トンキロ 1.67 t-CO2
常州港ルート 2022年下期実績   2,471トンキロ 0.37 t-CO2