統合レポートハイライト

日清紡グループでは、その企業理念の一つである「未来共創」の精神に基づき、事業を通じた人間社会への貢献、そして安全・安心な社会に向けた価値の提供を行っています。現在、オートモーティブ分野ではADAS向けの新製品の開発に力を入れています。

※Advanced Driving Assistant System:先進運転支援システム

代表取締役 専務執行役員
経営戦略センター長
村上 雅洋

独自の技術で人間社会の問題解決に貢献する

日清紡グループでは、「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、環境問題など人間社会の直面する課題を解決し、皆さまに安全・安心を提供できる分野に経営資源の重点的投入を行っています。オートモーティブ分野では、ブレーキの銅フリー摩擦材や、燃料電池車部品(カーボンセパレータ)などに取り組んでいますが、さらに無線通信技術や電子部品生産技術を融合させ、ADAS事業へ参入します。
IoT社会の到来と言われる中、自動車分野においては、あらゆるものとつながるConnected Carの開発が進み、自ら認知・判断・制御ができる自動運転システムが実現しつつあります。当然ながらこのシステムには大量のセンサとレーダが使用され、かつそれぞれが従来のものよりもはるかに高い精度を求められます。
当社グループの日本無線(株)の無線通信とセンシングの技術、新日本無線(株)の電子デバイス技術は、まさにこうした要求に応えるものです。両社の価値を最大限に発揮すべく、当社グループでは、ブレーキ事業を中心として築き上げてきた自動車メーカーやTier 1メーカーとのコネクションを十分に活用し、来るべきADASの時代における主要部品のサプライヤーを目指し、R&D活動を急いでいます。

日本無線(株)のレーダとセンシング技術がADASの鍵

ADASの障害物認知は、現在のところ高精度のカメラとレーダの併用が主流です。当社グループにおいて日本無線(株)の持つレーダ技術は、欧州Tier 1メーカーから高く評価されており、同Tier 1メーカーと日清紡グループが共同で実用化に向けた開発を進めています。
日本無線(株)は、このほかにも測位精度がセンチメータ級(従来型はメートル級)の最新の11世代GPS受信機や超音波センサ、高速道路の逆走検知レーダ、レーダによるトラフィックカウンタ(従来型のカメラは悪天候や逆光では精度が落ちる)など、次世代型の交通支援システムを開発中です。日本の高速道路は、世界的に見てもさまざまなインフラ整備がなされているため、高速道路の自動運転などは、日本が真っ先に実現するかもしれません。
ADASの市場規模は2020年代にグローバル市場で1兆円に達するとの予想もあり、2020年代の半ば以降、当社グループの各製品が、それぞれ100百億円単位の売上に成長していくことを期待しています。当然、エレクトロニクス各社の開発競争は熾烈ですが、技術力とユーザーへの深耕の両面で、当社グループはトップグループに入るレベルだと思っています。

新日本無線(株)の飛躍

新日本無線(株)では従来のカーナビやカーオーディオ向けをはじめ、電源ICなど車載用電子部品を成長事業領域としています。日清紡グループの共同開発事業に参画することで、自動車メーカー、Tier 1メーカーとの関係が深まり、現在は制御系や駆動系の部品やカメラの電源など、新日本無線(株)の飛躍従来の用途以外の車載部品が伸長しています。車載部品の売上高は、この数年の間で倍増し、当期は100億円レベルの規模となりました。
同社では、当期、フランクフルトに新拠点を設立し、VDA6.3(ドイツの品質マネジメント規格)を取得しました。欧州市場における車載部品の事業をさらに成長させていきます。

日本無線(株)の事業拡大ロードマップ

日本無線(株)は、日系Tier1メーカーとともに、世界で初めてカーナビ向けGPSを製品化した会社です。また、二輪車用ETCではJRCブランドで大きなシェアを持ち、4輪車用ETCでは輸入車の中でNo.1のシェアを持っています。
2018年に発売予定の11世代GPS受信機では、これまで数メートルだった測位誤差がセンチメータ単位にまで精度を上げられるので、自動車のみならず、建機や農機などあらゆる移動体の自動運転に大きく貢献できます。
船舶、気象、航空で培われた我々のレーダ技術は、従来の車載製品メーカーとは、発想段階から違います。実際、当社のレーダの試作品は、その性能について、Tier 1メーカーから驚きの声をもって迎えられました。
また、移動体の対象物認知能力という意味で、レーダはカメラよりもはるかに距離認識力に優れ、悪天候や障害物にも強いという特徴があります。このような技術的な強みを、日清紡グループの持つ自動車メーカーやTier 1メーカーとのつながりを活かし、ADAS事業へ展開していきます。
自動運転における我々の仕事は、まだ始まったばかりです。

日本無線(株)
執行役員
通信機器事業部長
加藤 謹司

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