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業績ダイジェスト

当連結会計年度における世界経済は、アジア新興国を中心に景気の回復の動きが見られるものの、米国の雇用問題や欧州・中東における金融不安の再燃など経済基盤に脆弱さが残るなど、厳しい状況が続きました。わが国経済においても、輸出の増加や緊急経済対策の効果などから景気は持ち直してきているものの、雇用情勢に厳しさが残るなど、依然として自律的な回復には至っていません。
このような状況下、当社は、平成21年4月1日、繊維、ブレーキ製品、紙製品、精密機器、化学品の5つの事業を分社化し、エレクトロニクス製品を加えた6つの事業会社を束ねる持株会社「日清紡ホールディングス株式会社」として新たな経営体制をスタートさせました。 当連結会計年度においては、分社化により設立した事業会社がそれぞれの事業領域で競争力を高め、グループ全体の企業価値の向上を図るとともに、環境・エネルギー分野の事業拡大と収益力の強化を推進してまいりました。また、組織再編を積極的に進め、ブレーキ製品事業では、米国の子会社日清紡オートモーティブコーポレーションを清算し日清紡オートモーティブマニュファクチャリングに生産拠点を集約、精密機器事業では、子会社である日清紡メカトロニクス(株)が同じく子会社の日本高分子(株)を吸収合併するなど、経営効率の向上とグループ経営の強化を図りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、242,409 百万円と前期比15.3%の減収となりましたが、営業利益は、3,569 百万円と前期比775.3%の大幅増益となりました。 精密機器事業は、太陽電池製造装置が太陽電池メーカーの設備投資の縮小により受注が減少し大幅な減益となったものの、紙製品事業やブレーキ製品事業は利益率が改善して増益となり、繊維事業やエレクトロニクス製品事業も期初の計画は大幅に下回ったものの合理化効果により営業損益が改善したことなどによる結果です。
経常利益は、受取配当金や持分法投資利益の減少はあったものの営業利益の増加が寄与し、9,548 百万円と前期比33.5%の増益となりました。
また、当期純利益は1,896 百万円と、前期比3,181 百万円の改善となりました。
経常利益の増加に加えて、前連結会計年度に計上した早期退職優遇制度の実施による特別退職金の減少などにより特別損益が大幅に改善した結果、エレクトロニクス製品事業の子会社である新日本無線㈱が、繰延税金資産の回収可能性見直しの結果大幅な繰延税金資産の取り崩しを行い多額の当期純損失を計上したものの、当期純利益は黒字転換を果たしました。

2010年3月期セグメント別売上高構成比率 メカトロニクス事業 繊維事業 ブレーキ事業 紙製品事業 化学品事業 エレクトロニクス事業 不動産事業 その他事業

繊維事業

繊維事業は、国内衣料消費の長期低迷に加え消費者の低価格志向が一段と強まる中、シャツ地は綿100%ノーアイロンシャツ「アポロコット」の販売が好調であったものの、米国・中東向け輸出の減少やCHOYA(株)の販売不振の影響を受け、また、 デニム地は大手ジーンズアパレル向け販売が低迷したためいずれも大幅な減収となり、販売管理費や生産コストの低減など収益構造の改善を進めたことにより回復傾向にはあるものの、前年と同様営業損失を計上する結果となりました。
海外子会社も、世界同時不況の影響からインドネシア子会社、ブラジル子会社ともに販売が減少し、業績は低調なものとなりました。
以上の結果、繊維事業全体では、売上高56,755百万円(前年同期比16.0%減)、営業損失2,130 百万円(前年同期比612百万円の改善)となりました。

ブレーキ事業

ブレーキ製品事業は、国内自動車販売はエコカー減税や補助金の効果などにより期後半にかけて前年同期の水準まで回復したものの、輸出は依然として低水準であったため国内自動車生産が減少した影響を受け、減収となりました。海外事業についても、市場が急回復した中国の子会社を除き、減収となりました。
このような販売状況に対応するため、人員の最適配置や米国子会社の再編など、国内・海外各拠点での固定費削減施策などに取り組んだ結果、利益率が改善し営業利益は増加しました。
以上の結果、ブレーキ製品事業全体では、売上高41,045百万円(前年同期比16.6%減)、営業利益3,879百万円(前年同期比11.9%増)と減収・増益となりました。

紙製品事業

紙製品事業は、家庭紙が、デフレの影響や消費者の低価格志向などから販売価格が下落し減収となりましたが、原・燃料費や減価償却費などのコストが減少したことにより、大幅な増益となりました。
洋紙は、紙加工品の電報関連製品の販売が堅調に推移したものの、景気低迷の影響などにより、主力のファインペーパーや日清紡ポスタルケミカル(株)のラベル関連製品の販売が低調だったため、減収・減益となりました。
以上の結果、紙製品事業全体では、売上高31,535百万円(前年同期比7.8%減)、営業利益1,706百万円(前年同期比118.6%増)と減収・増益となりました。

精密機器事業

精密機器事業は、自動車向け精密部品加工が自動車需要の回復とコスト削減効果により増益となったものの、主力の太陽電池製造装置は太陽電池メーカーの大型設備投資が縮小したため大幅な減収・減益となりました。
また、プラスチック成形加工は家電・自動車向けともに不振が続き、専用工作機械もハイブリッド車向け電池加工設備など一部を除いて販売が減少したため、減収・減益となりました。
以上の結果、精密機器事業全体では売上高24,907百万円(前年同期比30.0%減)、営業損失535百万円(前年同期比2,382百万円の悪化)と減収・減益となりました。

化学品事業

化学品事業は、断熱製品やカーボン製品、エラストマー製品で、不採算分野からの撤退や生産の合理化などの事業再構築を実施した結果、減収ながら増益となりました。
新規事業では、高機能性樹脂素材「カルボジライト」や電気二重層キャパシタは、長引く不況の影響を受け販売は伸び悩みましたが、経費節減などのコストダウンにより損失は縮小しました。 燃料電池セパレータは、家庭用燃料電池の販売が開始されたため、生産量・販売量ともに増加しました。
以上の結果、化学品事業全体では、売上高14,057百万円(前年同期比11.0%減)、営業損失375百万円(前年同期比1,525百万円の改善)となりました。

エレクトロニクス事業

エレクトロニクス業界は、世界的な需要の冷え込みによりこれまで牽引役であった輸出が経済情勢の悪化を受け大きく落込む等低調に推移しました。子会社である新日本無線(株)は、主力の半導体部門においてマイクロ波デバイス製品の中国通信機器向け等一部に販売の増加が見られたもののその他製品の売上が大幅に減少、マイクロ波管・周辺機器部門、マイクロ波応用製品部門も売上が減少するなど、業績は極めて低調に推移しました。このような状況に対応し、人件費をはじめとする費用の抑制など合理化を推進した結果、営業損失は前年同期比で減少しました。
以上の結果、エレクトロニクス製品事業全体では、売上高51,699百万円(前年同期比14.6%減)、営業損失2,654百万円(前 年同期比1,264百万円の改善)となりました。

不動産事業

不動産事業は、旧浜松工場跡地の再開発により宅地分譲を開始したことや、賃貸先である大規模商業施設の店舗拡大により土地賃貸収入が増加したほか、分社化に伴い新たに子会社への土地・建物賃貸を開始したことなどにより、増収・増益となりました。
以上の結果、不動産事業全体では、売上高6,673百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益6,136百万円(前年同期比83.7%増)と増収・増益となりました。

その他事業

その他事業は、子会社ニッシン・トーア(株)における食品、産業資材等の商社機能や保険代理店業務その他から成っています。
食品は、製菓・製パン用原料の相場下落により売上は減少しましたが、販売管理費の圧縮により利益率は改善しました。
以上の結果、その他事業は、売上高15,734百万円(前年同期比6.1%減)、営業利益193百万円(前年同期比24.1%増)と減収・増益となりました。

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