業績ダイジェスト

2017(平成29)年3月期

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、日本経済は企業業績、雇用環境の改善が進み緩やかな回復基調が続きました。米国経済は個人消費が堅調に推移し、雇用情勢の改善などから緩やかな拡大基調が続きました。欧州経済も緩やかな回復基調にあり、中国経済も下半期から公共投資などを中心に概ね回復基調が続きましたが、新興国の成長鈍化や中東および朝鮮半島の情勢不安、英国のEU離脱問題など、政治経済情勢への不安により不透明感が高まりました。

(グループ経営目標)
 当社グループは、「企業公器」「至誠一貫」「未来共創」からなる「グループ企業理念」を経営の基本方針とし、「グループ行動指針」を定め、企業価値の向上に日々邁進しています。当社グループの企業理念「企業公器」は、「事業を通じて人間社会に貢献し、それとともに企業を成長に導き、ステークホルダーに酬いる」ことを本旨としています。 グローバル社会に貢献する「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、環境破壊や地球温暖化など人間社会が直面する最大の課題にソリューションを提供し、安全で安心な暮らしに貢献することにより理念を具現化し、中期業績として平成38年3月期(2025年度)に売上高1兆円、ROE:12%の達成を目指しています。

(当連結会計年度の当社グループの連結業績)
 売上高は、南部化成(株)の連結子会社化等により精密機器事業は増収となりましたが、造船市況の低迷や海運市況の悪化、また公共事業の大型案件の出荷一巡等により日本無線(株)の売上が減少したエレクトロニクス事業や、円高による為替換算の影響等によりブレーキ事業が減収になったこと等により527,274百万円(前年同期比6,715百万円、1.3%減)となりました。
 営業利益は、日本無線(株)が営業赤字となり、新日本無線(株)が円高の影響により減益となるなど、エレクトロニクス事業の減益等により4,890百万円(前年同期比7,726百万円、61.2%減)となり、のれん償却前営業利益は12,299百万円(前年同期比7,506百万円、37.9%減)となりました。
 経常利益は、持分法投資利益が増加したものの、営業利益の減少等により10,556百万円(前年同期比6,477百万円、38.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益も、減損損失の増加や偶発損失引当金繰入額の計上などにより3,574百万円(前年同期比7,200百万円、66.8%減)となりました。
 主要な事業セグメントの業績は下記のとおりです。なお、平成28年10月1日に連結子会社であるニッシン・トーア(株)と岩尾(株)が合併し、ニッシントーア・岩尾(株)に社名変更しました。これに伴い、当連結会計年度より、従来、その他の事業に含まれていた岩尾(株)の衣料繊維事業を繊維事業として記載する方法に変更しました。繊維事業のセグメント別業績の前年同期比較は、変更後の数字に基づき記載しています。
 なお、セグメント利益またはセグメント損失は、営業利益または営業損失ベースの数値です。

2016年3月期セグメント別売上高構成比率 不動産事業 紙製品事業 繊維事業 化学品事業 精密機器事業 ブレーキ事業 エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業

 日本無線(株)は、海上機器事業において、造船市況低迷により商船新造船向け機器の売上が減少し、海運市況悪化により商船換装向け機器の売上も減少しました。また、公共事業関連のソリューション・特機事業においても、防災事業の大型案件の出荷が一巡したこと等により、減収・減益となりました。
 新日本無線(株)は、主力の電子デバイス製品において、円高の影響を受けたものの、国内顧客を中心に車載品が堅調に推移したこと等により増収となりました。しかし営業利益は、SAWフィルタのファウンドリービジネスなど新規事業の立ち上がりが寄与し増収基調にありますが、円高の影響が大きく減益となりました。
 その結果、エレクトロニクス事業全体では、売上高190,851百万円(前年同期比7.1%減)、セグメント損失3,240百万円(前年同期比11,558百万円減)となりました。

ブレーキ事業

 日本国内の自動車販売は、軽自動車が自動車税増税や燃費不正問題の影響により減少したものの徐々に持ち直しの傾向が見られ、新車販売合計では前年比で増加しました。当社グループの国内事業は、軽自動車販売の減少に伴い減収となりましたが、商品構成の変化等により増益となりました。
 海外では、米国子会社は米国市場の好調持続下で現地通貨ベースでは増収・増益となり、タイ子会社も、自動車販売不振の影響はありましたが、新製品の立ち上がりにより現地通貨ベースでは増収・増益となりました。中国子会社も中国市場における小型エンジン車の減税効果等により現地通貨ベースでは増収・増益となりました。ただし、円高の影響により為替換算後はそれぞれ減収・減益となりました。韓国子会社は、韓国国内の自動車販売は好調でしたが、輸出不振の影響により減収・減益となりました。欧州の自動車販売は引き続き堅調でしたが、TMD社はアフターマーケット向け製品の販売減少に加え、円高による為替換算の影響等により減収となる中でコスト改善努力により赤字縮小となりました。
 その結果、ブレーキ事業全体では、売上高146,061百万円(前年同期比11.5%減)、のれん償却前営業利益5,914百万円(前年同期比224百万円、3.9%増)となりました。
 なお、TMD社買収等に伴い生じているのれんの償却費5,921百万円を費用処理しているため、のれん償却後のセグメント損失は7百万円(前年同期比879百万円改善)となりました。

精密機器事業

 自動車向け精密部品加工は、中国子会社の事業拡大に伴う受注増等により増収・増益となりました。プラスチック成形加工は、南部化成(株)が今期から連結範囲に加わったこと等により増収となったものの、インド子会社の工場移設による費用増等により減益となりました。
 その結果、精密機器事業全体では、売上高60,687百万円(前年同期比105.5%増)、セグメント利益1,048百万円(前年同期比229.4%増)となりました。

化学品事業

 断熱製品はLNG関連製品等の売上増などにより増収・増益となり、機能化学品も粉状・油性改質剤や水性架橋剤の売上増により増収・増益となりました。燃料電池カーボンセパレータは家庭用燃料電池の売上減により減収となり損失が拡大しました。
 その結果、化学品事業全体では、売上高9,482百万円(前年同期比14.5%増)、セグメント利益1,309百万円(前年同期比73.9%増)となりました。

繊維事業

 国内は、高付加価値の「アポロコットシャツ」用生地やスパンデックス糸の販売が堅調でしたが、東京シャツ(株)の夏物の売上減少、輸出向けシャツ用生地、ワーキングユニフォーム用生地の販売不振等により減収・減益となりました。
海外は、ブラジル子会社は国内流通在庫減少等により増収・増益となりましたが、インドネシア子会社は米国向けシャツ地販売の減少等により減収・減益となりました。
 その結果、繊維事業全体では、売上高55,842百万円(前年同期比7.1%減)、セグメント利益1,777百万円(前年同期比0.1%減)となりました。

紙製品事業

 家庭紙は、販売価格が堅調に推移したことと円高による原燃料安等により、売上は横ばいながら増益となりました。洋紙も主力のファインペーパー関連製品が堅調だったことや原燃料安により増益となりました。
 その結果、紙製品事業全体では、売上高32,647百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益2,603百万円(前年同期比250.7%増)となりました。

不動産事業

 不動産事業は、針崎事業所跡地(愛知県)の宅地分譲が前期で終了した影響等により減収となりましたが、賃貸事業の経費が減少し増益となりました。
 その結果、不動産事業全体では、売上高8,083百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益5,811百万円(前年同期比0.3%増)となりました。