社会への参画

基本的な考え方

日清紡グループは創立初期以来、「事業を通じて社会に貢献する」という企業公器の基本精神のもと、広く社会に貢献することを使命としています。事業を展開している地域に貢献するために積極的にコミュニティに参画し、事業活動や社会貢献活動を通して社会の持続的発展に寄与していきます。

推進体制

日清紡グループは、日清紡ホールディングス(株) 取締役経営戦略センター長を責任者とし、当社サステナビリティ推進室を事務局としたグループサステナビリティ推進会議を設置しています。会議では社会貢献活動に関するグループ各社の取り組みを共有し、当社グループ全体で社会の持続的発展に寄与する活動を推進しています。サステナビリティ推進計画においては「地域貢献活動への参画拡大」を目標として掲げ、活動を推進しています。

日清紡グループの具体的な取り組み

「第5期サステナビリティ推進計画」では、社会貢献活動の展開を重点活動項目として取り組んでいます。2023年度は2022年度に引き続き、地域貢献活動への参画を進めていきます。

グループ会社における活動事例

公益財団法人国際開発救援財団(FIDR)の支援

ニッシントーア・岩尾(株)は、公益財団法人国際開発救援財団(Foundation for International Development/Relief、以下FIDR)の活動を支援しています。

FIDRは1990年に設立された国際協力NGOです。子どもの未来を育む「チャイルド・ケア」と「日本人と日本企業による国際協力推進」をミッションに掲げ、開発途上国の自立と発展を目的とした支援と、国内外で自然災害が発生した際の緊急援助を実施しています。開発途上国においては貧困解決のために、保健や教育など、さまざまな分野での活動を実施しており、現在は、カンボジアで保健医療支援、ベトナムで少数民族自立支援、ネパールで農村開発などを中心に行っています。

同社は1990年の設立当初から30年以上賛助会員として活動資金寄付の支援を継続しています。また、社内での啓発活動にも取り組み、支援の輪を広げる活動を行っています。

2022年度は同社内の啓発活動の一環として、5月にFIDRの活動報告会を開催しました。FIDR常務理事の岡田様ほか、カンボジア・ネパール・ベトナム現地事務所長から活動報告をしていただき、ライブや録画視聴にて116名の同社員が視聴しました。また、社内掲示板で毎月の活動報告を行っています。

2023年度は、カンボジアの子供たちの栄養改善と保健衛生向上を目的とした支援などを含めた活動を継続して行います。

公益財団法人国際開発救援財団
公益財団法人国際開発救援財団
活動報告会(オンライン)
活動報告会(オンライン)

WFP国連世界食糧計画(国連WFP)への寄付

ニッシントーア・岩尾(株)では、ノーベル平和賞を2020年に受賞された人道支援機関である、WFP国連世界食糧計画(World Food Programme、以下国連WFP)に2007年から継続的に寄付をしています。

同社は「世界の飢餓と闘う」という国連WFPの趣旨に賛同し、日本における国連WFPの公式支援窓口である国連WFP協会の評議員の1社となっています。会社、社員からの寄付だけでなく、同協会主催のWFPウォーク・ザ・ワールド(途上国の子どもたちの飢餓をなくすことを目的としたチャリティーウォーク)への参加や、不要なハガキなどで募金をする「おうちで集める寄付」活動の支援を継続しています。

2022年度は、11月に国連WFP協会 理事・事務局長の鈴木様から、国連WFPの活動についてご講演いただき、同社の社長をはじめ社員116名が聴講しました。講演内容は大変興味深く、世界の飢餓の状況、SDGsの飢餓ゼロに向けての取り組み、ウクライナ緊急支援活動について理解を深める機会となりました。

2023年度も寄付やチャリティーイベントへの参加などの活動を継続して行います。

講演会の様子
講演会の様子

©WFP/Anastasiia Honcharuk

国連WFPの活動(ウクライナ緊急支援活動)
国連WFPの活動(ウクライナ緊急支援活動)

「子供の体験活動推進宣言」に賛同

日本無線(株)はラジオ工作教室の開催を通して、文部科学省が推進する「子供の体験活動推進宣言」に賛同しています。

体験活動は、豊かな人間性、自ら学び考える力などの生きる力の基盤、子どもの成長の糧としての役割が期待されています。賛同することで文部科学省から他の団体による活動を進めるうえでの注意点、指導者に求める役割など体験活動推進に関する情報を入手し、スタッフ教育を含めラジオ工作教室の充実を図っています。

ラジオ工作教室の目的はものづくりの楽しさを体験してもらうためです。工作の前には電波の話をしています。子どもたちが楽しく参加できるように実験・実演を交えたクイズ形式で進め、科学に興味を持つきっかけになることを期待しています。また、ここでは若手社員を中心に導入から組立説明まで行っており、分かりやすく説明できるよう、試行錯誤を重ね、ラジオ工作教室を通して社員の自己啓発の一環にもなっています。

体験活動の詳細は下記URLをご参照ください。

産学官共同での防災の取り組み

長野に根ざす「総合防災サプライヤー」としての日本無線(株)は、長野県知事および関係者と意見交換を行い、「防災対策プラン提案」の期待に応え、産学官連携の協働スキームを構築し、ハード面では防災・減災インフラソリューション、ソフト面では「防災・ラジオ工作教室」を提供しています。

本教室では、地域・社会貢献活動の一環として、SDGsの「学び・交流・実践」を「地域防災」を通してサポートし「水害時の逃げ遅れゼロ」の長野モデルをつくり、全国への拡大を目指しています。

近年多発する大きな災害に直面し、自分や大切な人の命を守るための知識を一般市民に伝える防災啓発プログラムを開発し、「出前授業」を小学校などで開催することで、「地域防災教育」を通じて子供から家庭、地域への防災知識の浸透と意識高揚を図っています。

今後も産学官連携による防災対策プラン提供を継続し、社会貢献・企業ブランド・企業価値向上を推進します。

出前授業(小学校)
出前授業(小学校)
防災・ラジオ工作教室(ラジオ工作)
防災・ラジオ工作教室(ラジオ工作)
防災・ラジオ教室(レーダー見学)
防災・ラジオ教室(レーダー見学)

事業所周辺の道路美化活動

日本無線(株) 長野事業所では、2022年3月に事業所周辺の道路美化活動を行っているNPO法人MHOKのアダプトシステムサポーターとして長野県に登録しました。美化活動に必要な物品の提供を行うなどの支援をするとともに、春から秋にかけての週末の早朝に行っている清掃活動に参加することで、長野事業所周辺の道路美化に協力しています。

アダプトシステムとは自治体と住民がお互いの役割分担について協定を結び、継続的に美化活動を進める制度です。アダプトとは「養子縁組をする」という意味で、住民が道路などの公共スペースを養子のように愛情をもって面倒を見る(清掃・美化)ことから命名されました。サポーターの役目は道路愛護活動を行っている里親に対し、必要な物品の提供などを支援することです。2022年は刈払機、トリマ(生垣バリカン)を寄付しました。

美化活動対象道路
美化活動対象道路

地元の中高生を対象とした職業紹介イベントへ参加

NJコンポーネント(株)は、2022年10月に開催された山口県山口市主催の「やまぐち未来のしごとフェスタ」に参加しました。これは山口県内の中高生を対象とした、地元山口の企業・仕事に出会う職業体験イベントで、地元の魅力ある企業を知ってもらうことを目的としています。仕事体験やオンライン学習を通して、自分の将来を考える企画となっています。

同社はオンライン学習用の企画へ参画するため、入社2年目の社員を選抜し、会社概要をはじめ自身の担当している電子部品や応用製品の企画から設計・開発、量産移行までの流れと、熱意(N)情熱(J)挑戦(C)を持った活動の重要性や会社のビジョンなどを紹介した動画を作成しました。

作成した動画は、技術者が自身の1日の仕事の流れや、仕事に対する思いを紹介し、さまざまな職業を学習体験できるようにWEBで公開され、学生のこれからのキャリア形成の一助となるよう地域社会への貢献を推進する活動となっています。

成形作業
成形作業

NPO法人主催ゴミ拾いイベントへの参加

ジェイ・アール・シー特機(株)では、NPO法人海さくら(2005年12月より神奈川県江の島の海に、かつて生息していた『タツノオトシゴ』が戻れるようなキレイな海にするため、【目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!】をスローガンとして「楽しい体験および体感」をキーワードに活動している法人)が主催した12月3日開催の「アーバンドッグららぽーと豊洲 第4回シーサイドゴミゼロプロジェクトお笑いタウンクリーン」に社員5名が参加しました。

2018、2019年と「どすこいビーチクリーン」(江の島片瀬東浜海岸)に参加しましたが、2020、2021、2022年はコロナ禍にて未開催でした。

同社は神奈川県横浜市に本社を置く会社のため、海さくらが主催する江の島のビーチクリーン、特に夏に開催される「どすこいビーチクリーン」には今後も参加する予定です。海さくらのホームページを確認しつつ、開催が決定した際には参加者を募って、申し込む予定です。

イベント参加者
イベント参加者
イベント参加者集合写真
イベント参加者集合写真

福岡市ラブアース・クリーンアップ2022参加

福岡市では毎年、市内の海岸を中心に数カ所で市民や企業の有志による清掃活動を行っています。2020年、2021年と新型コロナウイルス感染症拡大により当イベントは見送られてきましたが、2022年6月12日に再開され、日清紡マイクロデバイス福岡(株)から31名が参加しました。

今回のイベントで清掃したのは、福岡市西区今宿に所在する同社近隣にある長垂海浜公園です。近隣の学校、企業、市民など多くの方が参加し、風光明媚で有名な海岸のきれいな海と砂浜をいつまでも残したいとの思いをひとつに行われました。新入社員も含め、同社からの参加者数は過去最高となり、環境保全、地域貢献活動を体験しました。その他定期的に行っている会社近隣の清掃活動も含め、これからも多くの従業員が活動を通して意義を理解し、環境の大切さなどの意識を高める機会にしていきます。

沿岸の清掃活動
沿岸の清掃活動
清掃活動参加者
清掃活動参加者

事業所における献血活動

日清紡ケミカル(株) 旭事業所では血液不足の解消につなげるため、およそ年2回、日本赤十字社の団体献血に協力しています。2022年度は3月と9月に実施しました。両月とも受付時間が1時間と短い時間ではありましたが、多くの社員の協力を得ることができました。

このたび、同社事業所による15年以上の団体献血への協力に対して、日本赤十字社より2022年10月27日に銀色有功章を受けました。今後も、社会貢献活動の一環として献血活動を継続していきます。

銀色有功章
銀色有功章

周辺地域コミュニティへの貢献活動

インドネシアのPT. Naigai Shirts Indonesiaは、インドネシアの工業団地で毎年実施されている「CSR活動」に参加しています。2022年度の活動ではCikamuning村に健康センター建設、Cibenda村とCikamuning村に5000 m3の貯水槽を2台提供し、Parungmulya小学校に新しいトイレを建設しました。

上記活動のほか、同社はBAAS(発育阻害時の里親のプログラム)にも参加しています。発育阻害とは、慢性的な栄養失調と感染症の繰り返しによる子どもの成長と発達の障害であり、身長や体重が基準を下回ることを特徴としています。同社があるKarawang県の子どもの発育状況が悪く、迅速な対応が必要とされています。発育障害の治療と予防を推進することで、子どもたちの明るい未来を築きます。BAASはその子どもの未来を救うための活動で2022年7月から開催されました。発育障害の防止は政府のみならず、地域社会の協力が不可欠です。これからも地域への貢献活動を継続していきます。

小学校へのトイレ設置
小学校へのトイレ設置
貯水槽の提供
貯水槽の提供

地元中学校の職場体験学習

日清紡都市開発(株)はテニススクールを運営しており、地元中学校の職場体験学習として、毎年2日間のスケジュールで実習生を受け入れています。2022年には2名の実習生を受け入れました。

実習では、フロントデスクでのスクール生への案内や電話対応、職場メンバーへのインタビュー、更衣室や駐車場の清掃作業などを行いました。参加した実習生からは、①明るく笑顔でコミュニケーションを取ることの重要性が理解できたこと、②職場での基本的なマナーやルールを学ぶことができたこと、③学校では学べない実践的な仕事の大変さや喜びを知ることができたこと、など大変有意義な時間を過ごせたという感想がありました。

今後も学校側と連携して、この職場体験学習を継続して実施していきます。